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【セロリスパイス】

【セロリ】オランダミツバ
 現在野菜として使われているセロリは、野生から改良されたものです。この野生のセロリとは、ヨーロッパでは海岸近くの沼地などに生えるごくありきたりの植物で、古代から薬用に使われてきました。ローマ時代には、強烈な苦味をもつにも関わらず、味付け用に利用されましたが、葉が死者を弔う花輪にも使われていたために、不幸や死の象徴ともされていました。17世紀にはイタリアの庭師によって苦みをやわらげる改良がなされ、現在のようなセロリが出来上がりました。茎や葉の他に種(セロリシード)や精油をとるなど、様々に利用され、セロリアックという変種の場合では、根も使われます。セロリシードは茎や葉そのものの風味をもつ料理の味付け用のスパイスで、塩にセロリの風味を付けたセロリソルトというものもありますが、味が変わりやすく、日本では入手が困難です。
 最近の研究では、ぜんそくに効くとされ、また肝臓病や気管支炎、発熱、お腹の張りを治す薬などにも処方させています。セロリシードティーは心を落ち着かせ、安らかな眠りを誘う効果があります。

#スパイス図鑑  22ページより


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