見出し画像

Jazz Antilles Seriesのお知らせ

レーベルからのお知らせです。MOCLOUDは、カリブ海諸島のエッセンスを採り入れた新しいジャズのシリーズ<ジャズ・アンティル・シリーズ>を4月より開始します。監修・解説は松永誠一郎です。

アンティル諸島という言い方は馴染みがないかもしれませんが、大アンティル、小アンティルありまして、カリブ海諸島のことです。フレンチカリビアン(グアドゥループ、マルティニークをルーツに持つ)アーティストだけではなく、キューバや他の島々の音楽も紹介したいのでこのように命名しました。

カリブの島々は島の位置や占領された国の施策による影響から、それぞれの島が独自の発展を遂げたため、音楽もまた異なる発展の道筋を辿りました。今回のシリーズで一緒くたにすることに躊躇もありましたが、私は国や伝統文化を紹介したいのではなく、様々な文化の影響も受けて洗練されたオーガニックジャズと言える共通項を持つカリブ海系のジャズを紹介したいと思ったので、これでよいかなと思い至りました。このシリーズを俯瞰することによって見えてくる現在のカリブのシーンがあるのではないか、と思っています。

ジャズ・アンティル・シリーズ第1回リリースの、小沼ようすけ「Jam Ka 2.5 The Tokyo Session」とソニー・トルーペ・カルテットadd2「ルフレ・ダンス」を順にご紹介していきます。

アルバムアートワークはパリ在住のデザイナー、ギヨーム・セイ Guillaume Saix。バックカバーと8Pカラーのブックレットも素晴らしいので是非CDを手にとって見てください。

Jam Ka 2.5 The Tokyo Session
小沼ようすけ
品番:MOCLD-1001
価格:¥2,500+税
発売元:Flyway LABEL / MOCLOUD / ULTRA-VYBE, INC.
発売日:2019年4月10日

収録曲:
1. Moai's Tihai 12:07
2. Flyway 6:53
3. Beyond the Sea / Le Bonheur 13:17
4. Gradation Part 4 6:02
5. The Elements 8:49

フレンチ・カリビアンのミュージシャンとのコラボレーション・シリーズ「ジャム・カ」ライヴ・セッション登場です。NY (「Jam Ka」2010 )、パリ (「Jam Ka Deux」2016 )に続き今作は東京録音。

<ジャム・カ = kaとジャムる> kaというのはフランス海外県グアドゥループの民族音楽Gwoka(グォッカ)につかうジャンベのようなパーカッションです。Jam Kaは、Gwokaの7つのトラディショナル・リズムと現地出身のグォッカ・マスターたちによる創作リズムを現代ジャズに採り入れたクレオール・ジャズ・プロジェクト。2010年、ジャック・シュワルツバルト(sax / The RH Factor, D’angelo)のプロデュースで、現在のパリにおけるクレオール・ジャズ・ブームの口火を切るタイミングで始まりました。パリでは当時ジャックによる「ソネカラ」「アビス」の二枚のアルバムが、後進のフレンチ・カリビアンのジャズミュージシャンたちに可能性の指針を与え始めたところでした。

2016年にパリで「Jam Ka Deux」を録音する時までには、ソニー・トルーペ、グレゴリー・プリヴァ、エルヴェ・セルカル、ラルフ・ラヴィタルなどが頭角を現して、パリのジャズ界に“クレオール・ジャズ”と呼ばれるフレンチ・カリビアンによるムーブメントが活性化していました。クレオール・ジャズは小沼ようすけによって紹介されるまでは、日本ではほとんど知られていなかったカリブ起源・パリ発の音楽ムーブメントです。2019年現在も進行形で更なる盛り上がりを見せています。

小沼ようすけくん自身による解説はこちらの映像から。

続いて、ソニー・トルーペです。

2017年作品。アートワークはやはりギヨーム・セイ Guillaume Saix。

「ルフレ ダンス」Reflets Denses
ソニー・トルーペ・カルテット add 2
品番:MOCLD-1002
価格:¥2,000+税
発売元:MOCLOUD / ULTRA-VYBE, INC.
発売日:2019年4月10日

ソニー・トルーペはグアドゥループ出身のドラマー、ka奏者。アルバム「ルフレ・ダンス」には、グレゴリー・プリヴァ、オリヴィエ・ジュスト、アーノウ・ドルメンも参加。ミシェル・アリボ、ジョナサン・ジュリオン、クリスチャン・ラヴィソなどクレオール・ジャズを担う新旧のゲスト陣も充実しています。昨年12月にマルティニーク・ジャズ・フェスティバルで観たソニー・トルーペ・カルテット add2が素晴らしすぎて、今回リリースに至りました。とにかく楽曲がすばらしい。グォッカの伝統と現代ジャズを融合というジャック・シュワルツバルトが「ソネカラ」「アビス」で取り組んだチャレンジを最も色濃く継承しているのではないでしょうか。

小沼ようすけJam Kaカルテットのメンバーでもあります。

ジャズ・アンティル・シリーズは、4月〜8月まで5ヵ月連続で、毎回2、3作品ずつ新譜・既発、ベテラン・若手を混ぜながら発売していく予定です。CDのオビについているロゴが目印です。

皆さんの今年の夏のプレイリストはこのシリーズで決まりになると思います。ご期待ください。

読んで頂いてありがとうございます!