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NFT界隈から学ぶコミュニティマネジメント「目標までの過程が楽しくなる『初心者設計』と『創造性』」編

コミュニティマネジメントに注目が集まる昨今。
「ゲーミフィケーション」はコミュニティを盛り上げるために非常に強力なノウハウです。
そして、多くのNFTプロジェクトはすでにコミュニティマネジメントにゲーミフィケーション要素をたくさん導入しています。

このnoteでは、様々なNFTプロジェクトで実践されている、コミュマネで活かせるゲーミフィケーションノウハウを三部構成でお届けします。

第一回:『目標を明確にし、「進捗感」を与える』編
第二回:『目標へのモチベーションを高める「世界観」と「希少性」』編 
第三回:『目標までの過程が楽しくなる「初心者設計」と「創造性」』編 

第三回である本記事では、より楽しくコミュニティに参加し続けてもらうためのノウハウについて考察します。

目標までの過程が楽しくなる「初心者設計」と「創造性」


第一回の記事では、ゲーミフィケーションの王道である「目標設定」と「進捗感」がコミュニティにおいても重要なことを、第二回ではその目標に向けたモチベーションをより強くする方法を学びました。

しかし、目標が明らかで、目指す動機が強まったとしても、その過程が楽しくないようでは持続性に欠けてしまいます。コミュニティの中長期的な発展のためには、過程の楽しさこそが最重要であるとさえ言えるかもしれません。

ゲーミフィケーションにおいて、過程の楽しさに大きく貢献する要素として「初心者設計」と「創造性」があげられます。ゲームに例えると、ゲームを始めたばかりだったり、ゲームに慣れてない初心者ユーザーが離脱しないようにすることと、ゲームにハマっていたり、ゲーム好きで遊び慣れている中~上級者がのめり込んでくれるようにすることです。

初心者設計

活気があり話題性の高いNFTコミュニティに入ると、新しく入ったメンバーに対してすごく優しく、一見さんお断りとは真逆の雰囲気があることに気づくと思います。

この雰囲気づくりに最も貢献しているのは、多くの場合「MOD(モデレーターの略)」と呼ばれる運営メンバーの存在です。MODのミッションは、コミュニティメンバーの積極的な発言を促し、盛り上げることで、コミュニティを良好な雰囲気に保つことです。ある程度の規模感のプロジェクトであればMODがいないことはまずないですし、大抵の場合複数人、多ければ10人以上のMODが在籍していることもままあります。

また、一見さんに優しいのは大抵MODだけではありません。雰囲気の良いサーバーに入ると、運営チームに属さない一般の参加者の方がとても優しいことによく驚かされます。
この理由として、そういった人たちが素敵な人格者である、ということは前提にあると思いますが、一般参加者と運営チームが互いに利益をもたらしあうある種の共犯関係にあることも一因かと思います。

NFTプロジェクトの場合、参加者は少なからずNFT取得後の値上がりに期待している側面があります。コミュニティ参加者にとって、コミュニティへの積極的な参加者が増えることは、将来のNFTのニーズが増えることにつながるため、将来の値上がりの可能性につながります。そのため、良いNFTコミュニティは参加者と運営チームが二人三脚で盛り上げているような印象があるのです。

NFTコミュニティでなくても、運営と参加者の間にある種の共犯関係を築き上げることは、コミュニティマネジメントにおける重大要素になるかもしれません。また、リソースが許すのであれば、MODの起用も検討してもいいと思います。熱心なコミュニティメンバーに声をかけヘッドハンティングするのも一手です。


創造性

面白いゲームには、創意工夫の余地が必要不可欠です。
ゲーミフィケーションにおいても、「創造性」を発揮させる仕掛けはとても重要です。
アメリカのベストセラー作家、ダニエル・ピンク氏は著書で、「仕事に自律性や創意工夫の要素を盛り込むことは、従業員のモチベーション維持にあたって昇給よりも効果的である」と書いています。参加者に報酬を支払えないコミュニティマネジメントの世界においては殊更、創意工夫の余地は重要であると言えるでしょう。

NFTコミュニティでも、参加者の創造性を促す様々な工夫を見ることが出来ます。

ファンアートコンテスト、In Real Lifeミッション、物語の設定考察大会など、プロジェクトの世界観とも紐づけながら、色々なイベントが日々開催されています。このようなイベントは、参加にあたって高いスキルが必要とされず、工夫次第で誰でも評価されるようなイベントが望ましく、また実際に多いです。

「創造性」といったとき、上記のファンアートコンテストのような、芸術面でのクリエイティビティだけに限りません。チェスはその高い戦略性ゆえに非常に創造的な競技であると言えます。
「どんな風に目標を達成しようか」「自分なりのやり方は出来ないか」と考えさせる要素があれば、どんなものでも創造的であると言えるかと思います。

Web2の例ですが、楽天市場のお買い物マラソンもこの観点で見ると、ユーザーの創造性を促す故に人気が高いのだとも捉えられます。どの順番で買いまわるのがお得か?消耗品を買いだめすることでポイント利率をさらに高められるのではないか?という思考をすることは、ただお得なだけではなく、楽しい体験でもあるのです。

そして、自主性を歓迎する雰囲気が強くなり、ロイヤリティの高いメンバーが増えてこれば、コミュニティの創造性は一気に花開きます。
まず、「プロジェクトの知名度を向上させるために、このような取り組みをすればいいんじゃないか」といった提案が増えてきます。

さらに、「自分のポッドキャストで紹介してもよいでしょうか!」とか「3Dモデルをつくって、配布する企画をやってもいいですか?」といったより創造的な取り組みが、コミュニティ参加者から自主的に行われるようになります。コミュニティを運営するものにとって、これほどありがたく、嬉しいことはありません。こうした風土をつくるために、日ごろから参加者が創造性を発揮できる機会を増やしておくことが重要です。まずは、簡単なアンケートなどから始めてもいいと思います。

参加者の創造性がおおいに発揮されている例としては、「真のDAO」との呼び声も高い「Nouns」については必ず押さえておきたいところです。
「Nouns」については、それだけで記事がいくつも書けるくらいなのでここでは割愛しますが、気になる方はぜひ調べてみてください。以下に参考リンクも貼っておきます。


ゲーミフィケーションでコミュニティマネジメントはもっとよくなる!


これまで全三回にわたって見てきたように、NFTコミュニティでは、最先端のコミュニティマネジメントが試行錯誤と共に実践されています。
そこでは、様々なゲーミフィケーションの工夫が、意識的かどうかはわかりませんが、多数取り入れられていました。

セガ エックスディーはゲーミフィケーションをあらゆる課題への処方箋として取り扱っていますが、コミュニティマネジメントにおいてもそれは同じ、むしろ特に効果的な分野なのではないかと当記事をまとめていて感じました。NFTプロジェクトの運営はもちろん、企業が手掛ける顧客向けのコミュニティにおいてもこれは同じだと確信しています。

弊社としても、筆者個人としても、コミュニティマネジメント×ゲーミフィケーションの可能性について、より深く模索していきたいと思っております。また、ブロックチェーンゲームやNFT関連の企画も、お手伝いさせていただけることが増えてきました。筆者個人で言いますと、国内の某NFTプロジェクトで運営チームのお手伝いをしていたりもします。

当記事を読んで弊社に関心を持っていただいた企業担当者様は、まずはディスカッションからでも始められたらと思いますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

【登壇情報】1/18 (水)開催の共催セミナーに私もモデレーターとして登壇します!

セガ エックスディー、SBINFT、SBI VCトレード共催セミナー、「NFTを活用したいビジネス担当者必見!『真に価値あるNFT施策とその実現方法とは?』」を開催します。

セミナーは2部構成になっていて、前半は「真に価値あるNFT施策とその実現方法とは?」講演と、後半は「現在と数年後のweb3」と題したパネルディスカッションを行います。

2023年からデビューをしてみようというNFTビギナーから、実際にNFTのプロジェクトをされているビジネスマンまでご満足いただけるように、現在準備中です。

セミナー後には交流会の時間も設けておりますので、
2023年のWEB3やNFT界隈の動向について気になる方・ディスカッションをしたい方はぜひご参加ください!

申し込みはPeatixからお願いします。


執筆:野尻 昌仁|株式会社セガ エックスディー

コンサルティングファームでの新規事業立ち上げ・ジョイントベンチャー設立などを経て、2021年にセガ エックスディー入社。
コンサルティングスキル・事業開発スキル・ゲーミフィケーション知見を組み合わせ、様々なクライアントと新たな価値を共創している。
また、社内でweb3領域の取り組みを推進しており、自身も様々なNFTのコレクターであるだけでなく、1stセールで300ETH程調達した国内大型NFTプロジェクトの運営にも参画している。

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