オリンピックのレガシーを知る
ピクトグラムという言葉はご存知だろうか?
トイレや非常口のマークのようなものといえば、ピンとくる方も多いのではないかと思う。
そう、絵文字のことだ。
僕は、プレゼン資料を作るときに、よくピクトグラムを使って表現するのだが、このピクトグラム、実は歴史は古く、日本で一般的に普及したのは、1964年だ。
ここでさらにピンときた方は、かなり鋭い。
そうだ、東京オリンピックが開かれた年だ。
それまで、地理的・歴史的な背景により、外国人が頻繁に来日する国ではなかった日本では、英語が少しあったくらいだった。
だが、1964年のオリンピックをキッカケに世界の90カ国以上の国の人が来日することが1959年に決まった。看板や競技場内の案内、道案内などをたくさんの言葉で書くことは事実上不可能。
そこで注目されたのが視覚言語であるピクトグラムだったのだ。
※一部の政府関係者は、当時、「20カ国以上の言語を看板に書けばいい」とゾッとするようなことを本気で言っていたそうだ。
言葉や文字が解らなくても見ただけで理解出来るようにデザインされているピクトグラムは、特にたくさんの国や地域から人が集まるところでは非常に重要だ。
日本中でよく見る看板も、JIS規格に基づいて作られているはずだが、温泉マークや、駐車場マークには変更が入り、電源マークや、無線LAN、コンビニなどのマークが追加されることになった。
http://www.meti.go.jp/press/2017/07/20170720002/20170720002-2.pdf
オリンピックとしても、1964年の東京でピクトグラムが初採用されて以降、エンブレムと同様に開催国を象徴する独特なデザインのピクトグラムが競技ごとに製作され使われてきた。今大会も、電通が国からの受託を受けて開発したのだろう。
1964年の東京オリンピックでは、東海道新幹線や首都高速道路など、日本の交通インフラが一気に整備された。ホテル開業が相次ぎ、工期短縮目的で開発されたユニットバス。これを使ったことがないという人は、ほとんどいないだろう。衛星放送の実現やカラーテレビの普及は、その後のスポーツ中継のあり方を定義付けしてしまうほど、大きなことだったはずだ。
このような多くのオリンピックレガシーで僕らの生活の一部が便利になっていることは、間違いない。
2020年のオリンピックではどんなレガシーを残してくれるのだろうか。
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