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閑話休題シリーズ

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#中国語

閑話休題(11)──私が中日翻訳者として思うこと

最近中日翻訳者として、いろんなことに対して危機感を抱いています。 その1つが、日本人の「中国語学習者」不足です。 Xあたりでも度々ポストはしていますが、最近は「チャイ語」レベルの学習者ははいて捨てるほどいても、「ガチで中国語を習得した人」「驚嘆するほど高い中国語のレベルの持ち主」が本当に見当たらなくなったと感じています。 確かにX界隈では、私も「すごいな」と思ってしまう中国語学習者はちらほらいます。しかし現実世界では、私が所属している会社に応募してくる人の中国語のレベル

中国語という汎用性

今回はこれから中国語を勉強しようかと考えている人や中国語初級の人たちに向けて、「中国語の汎用性」と言う観点から少し話したいと思います。 Xや当Noteでも情報をいろいろ出していましたが、1月中旬から下旬にかけて、妻と東南アジアのタイやマレーシアに旅行に行ってきました。 中国以外の国と言うことで、「現地語は使えなくても、せめて英語くらいは使わなきゃ」と考え、携帯にグーグルの自動翻訳アプリをセットし、少々身構えて行ったのですが、結構拍子抜けしたところがありました。 その拍子

今年もありがとうございました

2023年も残すところあとわずか。2023年は皆さんにとってどのような1年でしたか? 本noteにとって、そして私にとって、今年はいろいろな転機があった1年だったと感じています。 本noteではかねてから、翻訳を目指す人、中国語を勉強したい人に向けて1週間に一回配信でやってきましたが、今年8月、9月は遂に、前々からやりたいやりたいと言っていた、X(旧ツイッター)のスペースを使った「中国語ニュース翻訳勉強会」「中国語初級者・中級者向け勉強会」を主宰させてもらいました。 私

閑話休題(9)―私の黒歴史

久しぶりの閑話休題です。今回の閑話休題は少し毛色を変えて、「私の黒歴史」について。 30代、40代以降の皆さんなら分かるかもしれませんが、人は誰でも、他人には知られたくない黒歴史というものを持っているものです。かくいう私もその一人。今回は私の今から思い出しても恥ずかしい「黒歴史」について語ってみたいと思います。 最初に前置きしておきますが、突っ込みどころが満載です。「なにやってるんだお前」と思われるかもしれませんが、「何も知らない若造の、若気の至り」だということで、お許し

中国語を習得したかったらならやっぱり留学なの?

X(旧ツイッター)の中国語学習界隈のポストをつらつらと見ているとたまに目にする言葉があります。それは「やっぱり中国留学や中国での滞在の経験がないと中国語の習得は難しい」といった意見。 これについて私自身は、中国での留学、中国での業務を通じて中国語のレベルを飛躍的に上げたという成功体験があることもあり、全否定をするつもりはありません。 そもそも中国語に限らず、外国語の上達・習得に必要なのは「リーディングとライティング」「ヒヤリングとスピーキング」に分けて、それぞれ「インプッ

閑話休題(8)~留学するなら北方?南方?私の私見

ここ数年続いていたコロナ規制による鎖国状態を解いた中国。「中国留学のチャンス」ととらえている学生さんも多いのではないでしょうか。 これまで中国政府は、中国語の習得を希望する外国人学生に対しては「オンライン留学」という形で門戸を開いてきました。ただこの「オンライン留学」というものに対しては何一つメリットを見いだせないと私自身感じていましたから、今回の「開放」はとてもよかったと思っています。 さて、中国留学が再開した現在、やはり触れておかなければならないと私が考えている問題が

閑話休題(7)~私が20代の皆さんに言いたいこと

皆さん新年あけましておめでとうございます。当閑話休題シリーズも7回目となりました。もともと、半年または数か月の間隔で1回程度出すことを目安にしていた当シリーズなのですが、先回どうしても伝えたいことがあり、今回このように短い間隔で再度出すことになってしまいました。そのあたりはお許し下さい。 今回は新しい年の到来、そして中国のコロナ政策の全面的な緩和という記念すべき時にあたり、特に若い皆さんに訴えたいことがあるので書いてみたいと思います。 それは、「20代は無理をしてでも自分

閑話休題(6)――「帰国したらただの日本人」

私自身、今の留学生は恵まれているなと感じることが多々あります。 今はSNSが発達しており、SNSを使って他の人と中国語の勉強をしたり、中国に対する見聞を深めたりすることができます。それだけでなく、中国にいながらにしてさまざまなSNSにアクセスして自分をアピールすることもできます。 そして、SNSでもリアル(つまり中国の街中)でも、「留学している日本人」というだけで他の人との違いを出せます。中国留学中に、「中国文化に近い(理解している)人」「日本文化の人」として、ビジネスを

閑話休題(4)――私の師匠

先日、私の中国語/中国の師匠の一人でもある愛大の加々美光行教授がお亡くなりになりました。 ご冥福をお祈りすると同時に最近は、私のこれまでの中国語/中国の師匠について思いをはせるようになりました。 ◇◇ 私自身中国語/中国の「師匠」と呼べる先生はこれまでで数えるほどしかいません。その多くの方は既に鬼籍に入っていらっしゃるのですが、やはり私に最大の影響を与えた先生は、高校の漢語の先生でしょう。 その先生は私に中国語との出会いを下さった方です。閑話休題(2)でもお話をしまし

閑話休題(3)──2022年今年の抱負と野望

2022年も3日が過ぎました。おかげさまで当noteも開始してから2回目の正月を迎えることができました。私の記事更新のモチベーションを支えて下さっている皆さんには本当に感謝しています。 ただ最近では過去の記事を補足するような記事が増えたためか、若干内容がマンネリ化しているように思っています。以前から私の記事を読んでいる方の中には、「またこのネタか」と思われている方もいるかもしれません。まぁ語学能力向上にせよ、通訳・翻訳能力の向上にせよ、「重要なことを繰り返して体と頭に叩き込

閑話休題(2)─私の中国語遍歴

先週私がこのnoteを始めてから一周年になりました。毎週ではありますが今でも継続的に翻訳のノウハウを書けているのは、自分でも驚きです。そんな私が、どのようにして中国語に出会い、中国語を勉強してきたのかということに興味がある人もいると思います(希望)。そこで今回は、現在の翻訳の仕事を勝ち取る前の、自身の中国語遍歴を皆さんにお伝えしたいと思います。これを見て皆さんの中国語学習に少しでも参考にしてもらえれば幸いです。 何ぶん長く、自分語りになると思うので、苦手な方はブラウザバック

閑話休題~あの日の事。

私が彼女と最初に会ったのは、中国に留学していたころでした。 当時私は広東語を勉強するために広州の某大学に留学してきたばかりで、「相互学習」する相手を探していました。 「相互学習」とは、宿舎内の留学生が同じ大学の中国人の学生とペアを組み、留学生が日本語を、中国人学生が中国語を教えるというプライベートの相互家庭教師みたいなものです。 私はその大学に広東語コースで入ったわけで、普通話ではなく広東語を教えてくれるネイティブの学生さんを探していましたが、なかなか見つかりません。そ