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MARQUEE BEACH CLUB presents "utopia" 20210919

台風一過、ピーカンの晴天。
久しぶりに電車に乗った。
普段は何も用が無いから徒歩圏外へ向かう事も無い。
今日の目的地はShibuya WWW。

MARQUEE BEACH CLUBというバンドのライブを観た。
学生時代、水戸に住んでいて彼等の音楽は馴染み深いところにあった。
主催のイベントなんかも開催の度に足を運んだ記憶がある。
なんなら結成して初めてのライブも観た。
40人限定?だったかな、そんな特別なライブにも行った。
上京してからも都内でライブがある度観に行っていた。

活動休止の間もフルアルバム「Flavor」を度々聴いていた。
思うに学生時代の記憶と1番結び付いているアルバムがFlavorだ。
このアルバムを聴く度に水戸に住んでいた頃の色々が頭をよぎる。
あの時代を思い出したくて聴き返す訳ではなくとも、余りに生々しくリンクしたその縁は切っても切れはしない。
地元からこんなカッコいい音を鳴らすバンドが出てくるんだ!と当時とてもワクワクした。
全国流通盤が出て尚のことワクワクは高まった。
そのワクワクと自分のこれからとが一体になっていた様に思う。
それくらい彼等の音楽を愛聴していた。
匂いと記憶とは結び付くとよく言うけれど、Flavorという題は正にその感覚を表している。

活動が再開されてからというもののリリースされる新曲群はマーキー印(じるし)とでもいうかの様なカラフルなサウンドで嬉しくてたまらなかった。
実際にそんな事はないのだけれど、勝手に昔からの友人と再会した様な気分だった。

コロナ禍にあってライブにはなかなか行けなくなってしまったけど、アーティスト達からこの中で尚、放たれる音楽の数々は我々の心の然るべきところへ届いているだろうか。
MARQUEE BEACH CLUBの新曲達は少なくとも自分の求める所まで辿り着いて来てくれた。

そして色々と世情も自分も変わったけど、命からがら今日のライブ会場に辿り着いた自分を少し褒めてやりたい。
およそ2年ぶりに"生"のライブを観る事になった訳だが、今になって心の底から思う。
ライブというのはその瞬間、その場、一度きりのかけがえのない物なのだと。
演者だけではない、そこに集う客、会場、スタッフ、そのどれが欠けても同じ場は成立しないのだ。
何の気無しに人生で何百枚もチケットを買ってきたけれど、その一枚一枚が唯一ただそこだけにしかない空間への入場券であったのだと思い知らされる。

正直に言うと入場の時点で大分感極まってしまっていた。
そりゃあ2年もこんなに大切な場所から離れていたら具合も悪くなるよ。

4年ぶり?のマーキーのライブは凄かった。
変わっていて欲しくないワクワクはそのまま、ビルドアップして帰ってきた。
一曲目、「follow」。
ブランクなんて微塵も感じない。
のっけから新曲で替えの利かない彼等の音を鳴らしていた。
最近涙腺が本当に弱くなった。
踊るよりも先に反応する目の玉。
マイケル・ジャクソンがリフレインするVJ。
なんで俺がマイケル好きだって知ってるんだろう。

「wonder」。
水戸なんて何も無いって毎回自嘲してたけど、こんな音楽が鳴る街なんだなって思ったのを思い出した。

「eye」。
ようやく涙腺が落ち着いた頃にはグルーヴが身体を揺らす。
心臓とは別に体の外から、俺の命を叩くアンサンブル。
水を得た魚という言葉がある。
この型を借りるなら差し詰め、グルーヴを得たサルと言ったところだろうか。
グルーヴを覚えたサルはもうサルには戻れない。
ライブハウスの音響でも言葉が聴き取れるのはニンゲンだから。
久しぶりだな、この感覚は。
やっぱり音楽は素晴らしい。

最後の曲「escape」。
ライブハウスの事を箱と呼ぶけれど、音楽で箱が揺れている様だった。
中身はもうぐちゃぐちゃの一緒くた。
声の出せないオーディエンスの応答がフロア中に充満している。
音楽が瞬間芸術である事を否応なく思い知る。
この空間の一部であるという幸福が全てを支配する。

端的に言って最高のライブ。
そんな感じ。

絶対めんどくさい奴が書いているであろう食べログのレビューみたいな文章だ。
シラフなのにいつもよりずっと酔っている気持ち。
まあ、久々に昂っているので多少の乱筆は許して欲しい。

MCで話していたがどうもこれからアルバム制作に入るそう。

多分今日のライブは、来たくても来れなかった人も多かったことだろう。
そんな人達がもしネットを漂流するこの文章に出くわした時のために書いておく。
MARQUEE BEACH CLUBは最高のままだから大丈夫。

いつ聴ける事になるのか分からないけど、彼等の次作は俺にとっては遠くの方に見える生きる為の狼煙だ。
そこに向かって進んでいけば多分間違いない。

言葉が纏まらない。
もう一回言っておこう。
サイコゥ!!サイコゥ!!サイコゥ!!

今日はここまで。

MARQUEE BEACH CLUB / you

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