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かつての美しき少年少女へ。 映画シン・エヴァンゲリオン感想

去年応募した公募が全部落ち、現状を変えなければと最近小説の講座を受けています、椎名幸夢です。やっとスタートラインに立てた気がします。

最近、彼女とシン・エヴァンゲリオンを見てきました。

エヴァは僕が生まれた年にアニメが放送されていたそうなので、エヴァの完結には感銘深いです。

小学生の時にDVDを借りてきて以来、僕はエヴァンゲリオンが大好きでした。

元々親戚の叔父さんの影響でガンダムが好きな僕は初号機がカッコ良い、レイやアスカが可愛い。

テレビでよく流れた残酷な天使のテーゼがいい歌などなどの理由で視聴し、世界を委ねられた少年少女達に、衝撃を受けた記憶があります。

さて、今回のシン・エヴァンゲリオンの感想を出来るだけネタバレをしない様に言うと、今までのエヴァとは全く違う、【大人になるということ】をテーマにした映画だったと思います。

シンジ君も、アスカも、レイもミサトさんも。

みんな誰かの為に、自分の責任を果たす為に動いていました。

一方、僕はどうなんだろう。僕は誰かの為に動いているのだろうか?

いや、きっとそうでは無い気がする。

僕が小説を書いているのは自分の為だし、仕事だって自分の為だ。

シンジ君もかっては僕と同じだった。辛い事から何度も逃げ出し、だけど最終的には戻ってくる。それは全て自分の気持ちにケリを付ける為だ。

それは少年にとって、決して悪い事では無いと思う。だけど、いつかは大人になって、だれかの為に動く必要がある。映画のシンジ君は物語中盤から別人の様に強いまなざしで、自分の責任を果たそうとする。

まるで、エヴァという26年の物語を終わらせるみたいに。そして、最後に見せたシンジ君の表情は、僕よりずいぶんと立派に見えた。

僕らが共感するのは、シンジ君ではなく、父親の碇ゲンドウなのかもしれないとも思った。

 大好きだったなにかをもう一度手に入れる為に、自分の為だけの世界を造ろうとする。

僕もそうだし、Twitterを見ていると、そういった人が少なからず存在すると感じます。

僕は小説を現実逃避するツールでもあると考えているのですが、この映画は静かに現実に戻そうとしてきます。

 「……確かに、そうだよな。僕もしっかりしくちゃ」映画を見終わった時、僕はそう思いました。

小説、漫画、映画、アニメ、音楽……それらはきっと、一時的な逃げ場所なのだ。

僕はすっかり大人になったのだし、そろそろ自分に責任を持たなければならない。

だって世の中が子供だけなら、世界は上手く回らないから。

エヴァンゲリオン序のエンディングソングに、宇多田ヒカルさんのBeautiful Worldという曲があり、その中にBeautiful boyという歌詞があります。

僕たちは美しい少年少女だった。だけど、それはずっと昔の話。

20代の真ん中にいる僕はそろそろ、新しい生き物に変わらなくちゃいけない。

映画が終わると僕は前をまっすぐ向き、席から一歩踏み出す、後ろは、振り返らなかった。

この作品は僕にとっても、正真正銘、最後のエヴァンゲリオンでした。







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