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椎名幸夢
2020年10月22日 08:36
気が付くと僕は、映画館の席に座っていた。僕はちょうど真ん中の席で、観客は僕以外に誰一人いなかった。「どうして僕は映画館に……?」 思い出そうとするが僕がここまで来た記憶が全く無い。酒を飲み過ぎた翌日には良くある事なのだが、それにしては二日酔い特有の頭痛が無い。「当劇場へようこそ」 声が隣から聞こえた。 隣を見るといつの間にか、女性が席に座っており、こちらに微笑を向けていた。 その