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『サイバーパンク2077』のジャッキー・ウェルズが飲みたくて

モスコミュールが飲みたい。

飲兵衛ではない……むしろ下戸だというのに、かれこれ1週間ほどモスコミュールが飲みたい欲が止まりません。
それも居酒屋で出てくるような、ウォッカを甘いジンジャーエールで割ったものありません。ウォッカのロックにライムジュースとジンジャービアと愛情をたっぷり注いだ、メジャーを目指す男に相応しいドリンクです。

……要するに「ジャッキー・ウェルズ」が飲みたくてたまらないんです。

ジャッキー・ウェルズ(『サイバーパンク2077』)

『サイバーパンク2077』に登場するバー・アフターライフでは「伝説的な偉業と派手な最期を遂げた常連の名前をカクテルにつける」という伝統があります。
現時点で実装されているカクテルは3種類。死してなおクソ迷惑なロッカーボーイ「ジョニー・シルヴァーハンド」、エッジを超えて派手にくたばった少年「デイビッド・マルティネス」……そして愛すべきチューマ「ジャッキー・ウェルズ」です。

といっても半世紀前の亡霊やアニメ版主人公とは異なり、ジャッキー自身は何か大きな偉業を成し遂げたというわけではありません。彼が参加した最後の仕事(Relic強奪)は失敗に終わり、憧れのメジャーリーグに足を踏み入れたところで物語から退場してしまいます。
ですが竹を割ったような性格と人柄の良さから劇中では多くの人々に愛され、ゲームプレイヤーたちからも「(プロローグ終了後、傭兵デビューしジャッキーやT-バグと組んで活動した)あの半年間をカットせずに体験したかった」と惜しむ声が多い、本作屈指の快男児として人気の高いキャラクターです。

ウォッカのロックに、ライムジュースとジンジャービア。そして忘れちゃいけない…愛情だ

そんなジャッキー・ウェルズのレシピは、フレーバーテキストを見ての通りほぼモスコミュールです。
違うのはジンジャーエールでなくジンジャービアを使用していることと、愛情がたっぷり入っていることぐらいでしょうか。日本ではジンジャーエールで作るのが一般的ですが、モスコミュールのルーツを調べるとどうやらジンジャービアで作るのが正式なレシピのようです。

ところがこのジンジャービア、日本ではあまり馴染みのない飲み物のためか、売っているところをまったく見たことがありません。
スーパー、リカーショップ、カルディ、成城石井……思いつく限りの店を見て回ったのですが、ジンジャーエールとジンジャーシロップは置いてあっても、ジンジャービアはBの字も見当たりませんでした。
かといって通販で買うには量が多すぎるか送料のが高くつくかの二極端になってしまう……

ので、サクッとクラフトしちゃいました。

作り方は簡単。すりおろしたしょうが・水・砂糖・レモン果汁を煮立ててジュースを作り、ある程度冷めたらドライイーストを入れて常温でしばらく放置。あとは発酵させすぎないように注意するだけ。
レシピを調べたところ、このように「しょうがジュースを作って発酵させるだけ」とかなりシンプルだったので、前日の晩から仕込んでおいたのです。

ジンジャービアが冷えたら、次は待ちに待ったカクテル作り。氷をたっぷり入れたグラスにウォッカと自家製ジンジャービアを静かに注ぎ、さらにライム果汁を加えてマドラーで軽く混ぜる。そして仕上げに……

おいしくなぁ~れッ!! 萌え萌えキュンッッッ!!!

……と愛情を加えれば、チューマに捧ぐ1杯の出来上がりです。

実飲

口に含んだ瞬間、真っ先に感じたのはピリッとした辛さ……ジンジャービアの微炭酸としょうがの味です。チューブではなく生のしょうがを使用したおかげで、変な苦味や薬っぽさはまったくありません。舌にひりつくしょうがの辛さが心地良く、ライム果汁のおかげでさっぱり飲めます。
これぞ「大人のジンジャーエール」とでも言うべきでしょうか。ハワイのファーマーズマーケットで飲んだ、しょうがと炭酸がよく効いたジンジャーエールを思い出します。

初来店でいきなり「自分のレシピをバーテンダーに教える」という死亡フラグを立てる男

アフターライフで初めてジャッキー・ウェルズのレシピを聞いたときは「ジャッキーがモスコミュール!?」と驚いた覚えがあります。
私の中でモスコミュールといえば、居酒屋で出てくるようなウォッカのジンジャーエール割り。スクリュードライバー同様に女子受けするドリンクという印象を漠然と抱いていたため「ジャッキーがモスコミュールはかわいすぎる」「メキシコ系だしテキーラベースじゃないの?」など、どうもジャッキーのイメージにそぐわないと思ったのです。

しかし実際に作って飲むと、ジャッキーらしくないと思っていたドリンクの中にも確かに“彼らしさ”がありました。
ドライな口当たりと爽快感、そして口の中に残る熱さ。そんなジンジャービアの味は、大きくて純粋な夢を抱いた情に厚いヘイウッド男児ことジャッキー・ウェルズの人柄にぴったりです。
おそらくカナダドライのような甘いジンジャーエールで作ったモスコミュールではここまで彼らしさを感じることはできなかったでしょう。(それはそれで「ママ・ウェルズやミスティに対する愛情が~」なんて強引に解釈できそうだけど……)

これでここ数日のモスコミュール欲もといジャッキー・ウェルズ欲は一旦静まりましたが、ここ数ヶ月のサイバーパンク熱はまだまだおさまりそうにありません。
パッチ1.6で追加された新要素の多くはまだ手付かずの状態ですし、ハッキング&ナイフ投げ特化キャラとして育てていた2人目のVは知力20になってようやく戦闘が楽しくなってきたところ。さらに長らく入ろうかどうか悩んでいたNetflixも『サイバーパンク エッジランナーズ』目当てでついに加入し、ハイテクと汚濁の大都市ナイトシティに対する憧れは強くなる一方です。

兎にも角にも、傭兵という生き方とジンジャービアのおいしさを教えてくれた最高の相棒ジャッキー・ウェルズに乾杯!

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