嘘みたいな本当にあった奇跡話vol.1 後編

前編にて、家出をした部分までをお伝え致しました。

後編では、その後に起きた奇跡について、投稿していきます。

家出をした僕の気持ちは、完全に心が折れてしまっていました。

ひとまず、家出をして気力を無くした僕は、近所のドラッグストアの駐車場に車を止め、まるで深い暗闇に迷い込んだかのように、その場で打ちひしがれていました。

「この先、俺はどうなってしまうんだ…」
「3ヶ月で2社も退職する奴なんて、この世にいないだろうな…」
「もう生きてる価値ないよな…」

考えれば考えるほど、ネガティブな言葉だけが脳裏をよぎり、頬を伝う涙と時間だけが過ぎていきました。

ドラッグストアの駐車場に止めて考え出してから、気づけば、午前中から夕方になっていました。

まだ何もこの先のことが考えられない僕は、一度、OFFにしていた携帯の電源をONにしました。

すると、会社からの不在着信が多数入っており、どうやら自宅にも電話したらしく、母親からも着信とメールが山ほど入ってました。

「ダメだ、ここにいては何も始まらない。とりあえずは県外に出よう…」

そう思った僕は、気持ちを落ち着かせるために、ようやく車から降りて、ドラッグストアで飲み物を買い、一息ついて運転する準備をしました。

すると、また着信が入りました。

どうせまた会社かな?と思い画面を見ると、高校卒業後に自衛隊員になり、山口県にいるはずの高校時代の友達からの着信でした。

久しぶりの連絡で珍しかったのと、今の状況を話したい気持ちもあり、僕はためらうことなく、電話に出ました。

「どうした?久しぶりじゃん!」

どうやら友達は、休暇を貰って愛知県に久しぶりに戻ってきたので、今から飯行こう!という誘いの連絡でした。

それなら食事をしながら話をしようと思い、僕は友達を迎えに行くために、ようやくドラッグストアを抜け出しました。

待ち合わせ場所に着いて、外で待っていると、友達がやってきました。
そして、僕を見るなりすぐさまこう言いました。

「おいおい、どうした?何かヨレヨレになってない?」

どうやら長い付き合いだったその友達の目には、久しぶりに会った僕が弱りきっていることを、すぐに見抜いてしまいました。

そして食事をしながら、大学卒業してからこの日までの出来事や、これからの行動を友達に話ました。

「バカだなー、そんなこと言ってないで、一度家に帰ろうぜ!お前の父ちゃん母ちゃんが悲しむぞ。俺も一緒に付いてってあげるからよ。」

微妙に山口県に馴染んで喋り方が変わっているのもあったのか、友達が発言する内容に妙な説得力があり、僕は友達の言う通りに、一緒に家に帰ることにしました。

「アンタ、警察に捜索願い出すとこだったわ!何してるの!?」

母親は、いつものように叱ってくれましたが、それが少し嬉しく感じました。

そして、僕はその当時の人生で最も長い長い1日が終わり、気持ちに整理がつき、次の日会社に連絡し退職処理も終わらせて、新たに転職活動をする決心が出来たのです。

これまでの前編後編の話で、どこに嘘みたいな本当にあった奇跡があったか分かりましたでしょうか?

伝わりにくかったかもしれませんが、僕にとってこの出来事での奇跡は、【友達から連絡がきたこと】です。

高校までは仲良く部活も一緒でクラスも同じで遊んでましたが、自衛隊員になってからは、本当に一切連絡をお互い取っていませんでした。

それが、このタイミングで??と今でもあの時あの電話が無ければ、どうなっていたことかと思うくらい、僕にとっては、奇跡的なことでした!

僕の母親も友達の連絡先は知らないため、まさに神様が僕を救うために仕向けた出来事なのでは?と思うぐらい、本当に奇跡的に友達に救われました。

これが、若かりし頃の僕にとって起きた、嘘みたいな本当にあった奇跡話になります。

少しは皆様に興味を抱いて頂ける内容でしたら、僕も嬉しく思います。

ご拝読ありがとうございました。

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