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アマプラ映画感想メモ#15『この世界の片隅に』

アマプラ映画十五日目。一回目ぶりのアニメ映画。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。


今回観た映画はこちら。

『この世界の片隅に』

〇観ようと思ったきっかけ

ずっと観たいと思っていたところに、アマプラ配信されているのを発見したため。

〇概要

2016年に公開された日本のアニメ映画。監督・脚本は片渕須直。
原作はこうの史代による漫画作品。

〇あらすじ

広島に生まれ育った少女すずは、縁あって呉へと嫁ぐ。嫁ぎ先の家族にも持ち前のマイペースさで溶け込んでいくすずだったが、時代は太平洋戦争末期へと突入。彼女の世界は少しずつ変化を強いられる……

〇ノート

あっという間に過ぎ去っていく少女時代に、まず慌てた。
明確な方向性が提示されぬまま色々な物事が猛スピードで過ぎていき、気付いたらすずが18歳になっていた。
観ている間は情報処理で精いっぱいだったが、思い返してみると自分の少年時代の記憶も、似たような取り留めのない群体だった気がする。
大人になって思い返す子供時代の記憶を、キャラ起てや伏線張りを行いながら疑似的に再現しているのかもしれない。
そして、そんな日々の中で積み上げられていった『流れ』が、ある時点で掴めなくなる。なのにその後も出来事は積み重なっていき、出来事をどう受け止めていいかを把握する間もなく時間が進んでいく。
一度道しるべを失った観客は、すずとともに困惑するしかなかったように思う。
そして、そんな手探り状態でも生きていくしかないすずに、どうしようもなく心を動かされてしまった。
『ニュー・シネマ・パラダイス』を観た時と似ていて、自分の中にもう一つの人生を叩きつけられるような思いがした。

〇感想

とても豊かな内容の映画であることは事前の評判で知っていたけれど、案の定やられてしまった。構造がとても大がかりなので何かを語ろうとするとその都度ネタバレになってしまいかねない。
観てない人はとにかく観ておくべきだと思う。

それでは、また次回。

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