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アマプラ映画感想メモ#42『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

『セブン』の傷跡を癒すべく子供向け作品を観る映画習慣42日目。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。


今回観た映画はこちら。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

〇観ようと思ったきっかけ

スタジオライカ作品の『コララインとボタンの魔女』が面白かったため。

〇概要

2016年のアメリカ映画。
監督はトラヴィス・ナイト。
ストップモーションアニメを用いた撮影が活用されている。

〇あらすじ

海沿いの小さな村に暮らす少年クボは、意識が朧げな母と共につつましく暮らしていた。ある日、彼は死者の魂が帰ってくる祭りに出かけ、『夜に出歩いてはいけない』という母の言いつけを破ってしまい……

〇ノート

初っ端から、イベントが幾つもの物語的意味を兼ねた無駄のない展開で、美しさを感じてしまった。
例えば、街へ出てクボが魔法の三味線で物語りをするシーン。
①クボの普段の仕事を見せ、村の中での立ち位置を示す
②世界観や、人々が何を面白いと思うかなどを示す
③父親の過去の戦いの話を物語る
④日が暮れそうになったところで仕事を切り上げ、芸よりも母を優先する母思いな部分を示す
⑤外に出てはいけないタブーの存在を示す
と、一つの出来事で無駄なくあまりに多くの情報量を伝えていて、豊かな世界観や独自の設定を無理なく観客に伝えている。
『コラライン』の時もそうだったが、子供の興味を持続するためにゲームらしい雰囲気や展開を設えているのも純粋に楽しく、子供向けエンターテイメントとしてメチャクチャ意識して作られていると感じた。
EDで撮影風景を少しだけ見せてくれるのも良かった。
とても楽しい、夏休み映画だった。

〇感想

最近ちょっと暗い作品が続いているような気がしてバランスのために『クボ』を観たのだが、少年が目標に向けて真っ当に頑張るお話もやっぱり良いなと思った。子供が共感できるものは万人(子供だったことがある人間)に受け入れてもらえるはずなので、子供向け作品って最強なのかもしれない。

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