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アマプラ映画感想メモ#24『スタンド・バイ・ミー』

透明よりも綺麗なあの輝きを確かめにいきたくなるアマプラ映画24日目。

致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。


今回観た映画はこちら。

『スタンド・バイ・ミー』

〇観ようと思ったきっかけ

↑のMVを観てたら中学時代に一部だけ観たこの映画のことを思い出したため。

〇概要

1986年のアメリカ映画。監督はロブ・ライナー。
原作はスティーヴン・キングの短編集に収められた『BODY』。

〇あらすじ

アメリカに暮らす男ゴーディは、新聞の死亡記事をきっかけに自らの少年時代、友人四人で死体探しに出かけた思い出を回想する。

〇ノート

『子供たちの冒険』を、圧倒的な質感で頭にぶつけられた。
舞台はアメリカの片田舎の街。
小学生が煙草を吸い、不良たちはバット片手に車を乗り回して家々の郵便ポストを吹っ飛ばしてまわっている。
そんな小さな町から、少年たちは汽車の線路を辿って噂の未発見死体を探しに行く。
外面の要素だけを汲み取ったらこの世界の住人に共感するのは難しいが、この作品で描かれる子供の目から見た世界のスケール感には、真に迫るものがある。
特に、少年たちを取り巻く『子供としての生きづらさ』。
親から理解してもらえない。
兄弟と比べられ、無視される。
家庭環境のせいで不当な扱いを受ける。
大人に信じてもらえない。
親を馬鹿にされるのが悔しい。
自分の将来に明るい物が見えない。
年上に逆らえない。
などなど、誰かの子供時代にあった息苦しさのようなものが彼らの世界観で表現されていて、いつの間にか少年たちの誰かに肩入れしてしまう。
『共感』が持つ力は大きいと思う。
人間がそれぞれに持つ問題を社会文化や時代を越えて共有し、心を通わせることができる。
そんな中で丁寧に積み上げられていく物語に、かつてあった小学生時代の感覚を取り戻させられてしまった。

〇感想

自分が作品を作る時、基本的に自分が面白ければ良いと思って書いている。
だって、自分が面白いから。
しかし、よくよく考えてみれば『自分が楽しい』という解像度だけでは多くの人を楽しませることはできないのではないだろうか。
その点、『スタンド・バイ・ミー』は少年時代を大人の視点から、より普遍的な部分にまで踏み込んで回想しているので、少年でも、かつて少年だった大人でも広く楽しめるように作られている。
人間のより根の部分を突けば突くほど、より多くの人の心を動かすことができる。
そんな当たり前のことに、今さらながら気付かされてしまった。
頑張ろう……

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