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社会の課題解決のためにシステムを作り続けていきたい             【CTO山本達也インタビュー 前編】 

こんにちは。株式会社セキュア(以下、SECURE)の広報山本です。
監視カメラシステムや入退室管理システムなどのセキュリティソリューションを提供しているSECUREでは、セキュリティシステムにAI(画像認識)技術を掛け合わせたシステムの開発も行っております。企業の成長と共に開発部門の更なる強化のために、技術責任者として2022年4月1日付で山本達也がCTOに就任したことをお知らせします。
そこで今回は山本CTOの今までのキャリア、仕事に対する思いなどお話をいろいろと伺いました。

【山本CTOプロフィール】

▼名前
山本 達也(やまもと たつや)

▼経歴・職歴
2011年に早稲田大学理工学術院先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻を修了。独立系IT企業に入社しエンジニアとしてのキャリアをスタート。甚大災害発生時のネットワーク監視システムに携わる。
その後ウルシステムズ株式会社や株式会社ローソンデジタルイノベーション、日本マイクロソフト株式会社を経て、システム開発のコンサルタント兼エンジニアとして様々なプロジェクトを成功に導く。
株式会社ローソンデジタルイノベーション時代には、オープン・イノベーションセンター(OIC)のオープンイノベーションラボ室長として、無人化店舗を実現するための開発に力を注ぐ。
2021年に当社入社、2022年4月にCTO就任。

▼発表歴
●Microsoft Tech Summit 2018 RFIDタグ を用いた自動在庫管理システム
●GoogleCloudNext Tokyo 2019 「とりあえず AI で作って」を形にするまでの一部始終

どのようにエンジニアのキャリアをスタートさせたか

ーーこの度は、CTO就任おめでとうございます。CTOになられて、何か気持ちの変化などありましたら教えていただけますか。

山本「ありがとうございます。今後は技術やプロジェクト単位ではなく、経営の方針含めて技術全体に責任を持てるので、非常に楽しみです。
とはいえ、殿上人になるつもりもないので、今までどおり、気軽に社内の困りごとの解決もしていければと(笑)」

ーー山本さんはエンジニアでキャリアをスタートされてからずっとエンジニア一筋でいらっしゃいますが、いつ頃からエンジニアになりたいと思われたのでしょうか。

山本「実は、特にエンジニアをキャリアとして選択した、という意識はないんですよね。最初に入った会社が、たまたま ソフトウェア開発 の会社で、その流れでプロジェクトや、お客様の課題解決していくうえで、IT 技術を使っていく場面が多く、結果的にエンジニアと呼ばれるようになった、という方が正しいかもしれません。」

ーー凄いですね(驚)お客様の課題解決をする手段としてエンジニアになると言っても、相当努力されたのではないでしょうか。そのような高い志は、社会人になった当初からですか?

山本「そうですね。もちろん社会人になって得た経験の積み重ねが今の自分を作ったと思っていますが、意識が変わった一番のきっかけは、東日本大震災ですね。新社会人になる直前に震災が起きて、職場のあった関東も今まで経験したことがないくらい大きな被害が出てしまい、世の中が混乱している中での入社でした。

震災発生した時一人暮らしをしていましたが、電話もメールも止まって家族と連絡が取れず、不安だったのを覚えています。

最初に入ったプロジェクトも、ちょうど、震災をきっかけにして立ち上がったプロジェクトで、電話やメールの通信不良を即座に復旧するためのシステム開発でした。
計画停電も続いていたり、サーバーを調達するための交通網も乱れていたりと、開発以外にも本当に大変なプロジェクトでした。入社前に私がまさに経験したような、震災時に世の中の人が感じた不安を解消したい、というお客様の想いや使命感に影響を受けて、意識が変わっていきました。
その出来事がきっかけでなんとなく仕事する、という感覚から、本気で仕事する、という考え方に変わったと思っています。」

ーー最初の会社で得た経験が、後々の山本さんに大きな影響を与えたのですね。

山本「そうですね。とはいえ、その時の私は技術力も、ビジネススキルも全く未熟で完全に戦力外でしたが(笑)先輩社員と一緒に右往左往していましたし、自分に任された品質管理の仕事を一生懸命やっていましたが、結局うまくいかず、プロジェクト同様混乱していました。
その中でも技術の道を極めようと意識したのは、とあるパートナー企業さんの存在ですね。

一刻を争う甚大災害を想定したシステムですので、当然、バグ一つ見逃すわけにもいかず、徹底してテストを行うのですが、一向に品質は上がらず、私もいつになったらこのプロジェクトは終わるのだろう、と思いながら、次から次へと発生する問題に辟易していました。
そんななか、状況を次々整理して瞬く間に問題を解決していったパートナーエンジニアさんがいて、自分もこうなりたいと思いました。その方々は、技術力が高いのはもちろんですが、お客様の疑問や不安、質問に対しても理路整然と明確な答えを出していました。当然、お客様からの信頼も絶大です。」

お客様の課題を根本的に解決するために

ーーつらいながらもやり甲斐のある案件で、キャリアを積まれていかれたのですね。そんな充実した中で、ITコンサルティングの会社に転職をされたのはどうしてですか?

山本「一言で言うと、自分たちの仕事の仕方に疑問を覚えたからですね。
プロジェクトが何とか収まり、大変お世話になったお客様と打ち上げに同席させていただいた際、「君たちはいいものを作るけど、言われたことをちゃんとやってくるだけという印象だね。」といったような、率直な意見を私に漏らしたことがありました。
小さな会社でしたが、「高い技術力でいいものを作る」ことを売りにしていた会社でしたので、当時の自分には結構衝撃的な言葉でした。

しかし、考えてみれば当然で「お客様のいう通り作る」ことと、「お客様のほしいものを作る」ことは全くの別物ですよね。
美容師で例えるなら「顧客の言われたとおりにハサミを動かす」が前者で、「顧客に似合う髪型に仕上げる」のが後者といった感じでしょうか?

混乱を解消してくれた開発パートナーさんのように、プロジェクトのあるべき方向にお客様を方向付けしたり、やりたいことを引き出したり、あるいは不安を解消する、といったことが実践できていなかったなと。
本質的な意味で、お客様の抱えている課題を解決できておらず、ただモノを作っただけだったのだということにショックを受けました。」

ーーお客様のその一言が、山本さんの仕事に対する考えを変えるきっかけになったのですね。

山本「はい。そのことがきっかけで、自分の仕事の仕方に疑問を覚え、このまま上司やお客様に言われたものを作るだけでいいのか、と思い始めて・・・3年目ぐらいでしたかね?思い切って会社を辞めました。

次の会社では、言われたとおりのモノづくりではなく、顧客の課題にフォーカスしたシステム開発がしたいと考えました。
当時の私が抱えていた問題意識に向き合っている、システム開発案件を得意としていた会社の存在を知り、その会社に転職しました。」

ーーそのITコンサルティングの会社は、具体的にはどのようなことをしていたのでしょうか。

山本「新しい会社は技術を売りにした会社でありながら、コンサルタントとして[発注側]、つまり[お客様側の視点に立ってお客様を導く]という一風変わった仕事をすすめる会社でした。他社がさじを投げてしまったような混乱した案件にも入り込んで、技術面、コンサル面の両面で解決する、というスタイルで仕事をしていました。
当然、他社がさじを投げてしまうような混乱した案件では、技術偏重で言われたことや、リストアップされた仕様を上から順番に実装していくだけでは終わりません。
与えられている指示や、仕様の意図を自分の頭で考えて理解し、上司や同僚はもちろん、お客様に仮説をぶつけて、プロジェクトの方向性を見出していくことが求められました。

一方で、「口だけコンサル(現実にそぐわない壮大な夢物語の提案だけして、実行に責任を持たないコンサルの意)にだけは絶対になるな」という考えは、社長を始め、社内の文化として浸透していたので、口で言ったものを実現できるだけの技術力は当然のように求められました。
1社目ではほとんど品質管理しかしていなかったので、技術の勉強はとにかく苦労しましたね。休日や、給料のほとんどは勉強につぎ込んでいた気がします。
一方で、今でも、この会社で学んだことが自身のエンジニア人生の大きな軸になっていると実感しています。」

ーー最初の会社ではバグ一つが人命に関わるという状況で仕事をされていたとのことですが、次の会社では業務システムという今までと違うジャンルを行うことで戸惑ったりされませんでしたか。

山本「そうですね、転職直後はかなり戸惑うことが多かったですね。ですが、案件を通して、様々な会社の開発スタイルに触れることで、だんだんと品質に対する見方が変わってきました。

そもそもどんな業界で働いているエンジニアも、バグを出したくてバグを出しているわけではないですよね。当たり前のことですが。
スキルの不足によって発生するものももちろんありますが、たとえスキルが高くても案件を進める中で追加の要件や要望に応えていくうちに、ドキュメントやテストコードの変更、テストケースの準備に充てられる時間が無くなっていき、後回しになった確認事項にどうしてもバグが出てしまうというだけなのです。

バグが人命に関わるようなシステムを開発するときは、多くの機能を実装することよりも、まずは安定が求められるので、機能の追加の要望も、早めに締め切って、品質の安定化にかけられる時間を長くとるように調整する傾向が強いです。
一方、後からの改修でも大きな問題になりにくいシステムや機能の開発では、安定化を多少犠牲にしてでも機能の充実に注力する、という選択がとられることもあります。

要はどこでバランスをとるかの違いでしかなくて、業界によって技術のレベルが違う、という話とは少し違うのかな、と思っています。」

ーーなるほど!様々な会社が開発したシステムに対応する会社でコンサルタント兼エンジニアを勤められていたから、品質管理や納期、コストに関しての優先度をプロジェクト毎に判断して即座に対応できる今の姿になられたのですね。

本日のお話はここまでになります。このお話の続きは、後編で!
また、youtubeチャンネル「CxOの履歴書チャンネル」でも、山本CTOの仕事やプライベートに関する話を聞くことができます。そちらも併せてご覧ください。

▼ youtubeチャンネル「CxOの履歴書チャンネル」(前編)
https://www.youtube.com/watch?v=mjoSzQ5ZDsc




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