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そのマインドフルネス大丈夫ですか?

マインドフルネスは、今ここに気づき、やっかいな思考や感情をアクセプタンスするスキルです。アクセプタンスとは、思考や感情をそのままにしておく、居場所をつくることですが、実際に体験できているのかは、外からはわかりません。ACTの面接の中でもマインドフルネスのエクササイズをしばしば行い、アクセプタンスにつなげていきます。その過程で、マインドフルネスを感情のコントロールに使ってしまうケースがしばしば発生します。
ACTの書籍にも、マインドフルネスを感情のコントロールのために使わないようにと、記載されています。

私のケースでも

「嫌な思考がでてきたので、呼吸のマインドフルネスを行い、すっきりしました」

「ラベリング瞑想により、思考を消すことができたました」

明らかに、思考や感情をどかしたり、さけたり、つまりコントロールする手段に使っているケースが散見されます。

あまり激しくない感情などは、この方法で上手くやり過ごせたりしますが、不安障害やパニック発作に近いようなレベルまでいくと、このようなコントロールする手法では、かえって症状は悪化します。

「仕事中、少し批判されたことがきっかけで、パニックになりそうだったので、最初に呼吸のマインドフルネスをやり、それでも納まらないのでRAIN瞑想をやったのですが、それでもどんどん酷くなってきたので、気を紛らわすために、外に出てやっと落ち着きました」

上記のような場合には、マインドフルネスエクササイズを感情のコントロールに使っていることをはっきりとお伝えし、そして、このような方法が長期的な視点で機能するのかをご本人に確認して、改めてアクセプタンスについて説明をして、マインドフルネスのエクササイズを実施してもらいます。
一見、遠回りですが、結果的にはご本人の状態が大きく改善するきっかけになることがよくあります。

アクセプタンスを言葉で理解することは簡単ですが、マスターするには体験的なエクササイズが必要です。しかし、この感覚を掴むのに多くの方が、困惑します。
前述のように、アクセプタンスを実感するには、アクセプタンスの反対の概念である「感情のコントロール」を体感してもうのが一番の早道かもしれません。

マインドフルネスを感情のコントロールに使うことは、結果的にアクセプタンスを理解するために必要な手続きなのかもしれないと最近感じています。




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