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「視野を広げる環境」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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大学卒業後アメリカで身を置いた、とある環境についての話です。

アメリカ滞在中、当然ながら多くの方々に支えていただいていたわけですが、偶然の出会いが重なり、アメリカのバスケットボール業界でとても著名な方から推薦状をいただき、IMG Academyという施設で約半年間ほどトレーニングをする機会に恵まれました。

進学校ながらスポーツもとても盛んな中学高校一貫の教育機関で、とにかく施設が充実しており様々な競技のプロ選手たちがオフシーズンを利用してトレーニングをしている場所だということを聞き、ぜひ身を置いてみたいと感じたことを記憶しています。

現地に滞在し始めてみて、その施設の充実ぶりや、チームスポーツの選手としてそれまで常にチームとして練習してきた立場として、競技スキルを個人で高めていくという考え方に触れられたことなど、とても学びが多かったわけですが、当時の自分にとって最も新鮮で印象的だったのは、普段の生活面、出会いを含めた「環境」でした。

滞在した部屋は3人部屋で、私と同じ「アスリートの卵」の立場のゴルフ選手とテニス選手と同部屋でした。トレーニングの時間は当然それぞれで動きましたが、それ以外の時間は基本的にいつも一緒に行動していました。お互い片言の英語を使って、その日のトレーニングについて話したり、それぞれの競技の最もキツい練習を披露するなどの話から始まり、カフェテリアで見かけた別の選手を見つけて「あの選手はこの前の世界大会で準優勝したらしい」「あそこの選手はあのエージェント会社と契約するらしい」などのうわさ話をしたり、ときにはバックグラウンドや人生観、将来のビジョンなどを話した記憶があります。

また、施設の清掃を担当されていた方々や運営スタッフの方々も同じ場所で食事をしていましたが、同じテーブルで食事をしながら皆さんの選手を応援するまっすぐな気持ちに触れることができました。何より自分の人生を楽しもうとする姿勢がとても印象に残っています。

改めて当時を振り返ってみると、それまでバスケットボールという非常に限られたコミュニティに身を置き、没頭による技術の向上を実感しながらも、「偏り」のようなものによる危機感を無自覚ながら感じていたであろう自分にとって、狭くなりがちだった「視野」がパッと広がった時期、今後も広げていかなければいけないんだろうと深く考えた時期だったのだと思います。

海外経験を通じてより明確に気付くことになった、その競技を練習しているだけではきっとどこかで上達が止まってしまうだろうという感覚、選手としての自分はあくまで自分という人間の一面でしかないという感覚、などに伴う選手としての「甘さ」を受け入れながらも、自分なりの選手としてのベストな在り方を必死に探したこの経験は、アメリカ滞在中に得ることができた最も貴重な財産のひとつとなりました。

社会人としてこれからも引き続き、できる限り「視野」を広げられる環境に身を置き、見える景色の変化を実感しながら歩を進めていきたいと考えています。

second place 佐藤

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