【詩】褌の影で殴る

白目剥いて佇む土曜の夜
眩いスーツケース引いて軍隊アリを轢き殺す
タイヤにこびりつく体液拭いて
次の美酒を味わう

見えないところでやってくれ
影さえ失った姿を見せるのは
見えないところでやってくれ
台所に潰れた頭もたげるなんてのは

高級外車が通りをゆく
たくさんの人々を轢きながら
高級外車が路地をゆく
血糊を浴びて舐め尽くしても

おかしくて笑いますよ
私のブツは摩天楼なのだから
おかしくて笑いますよ
私の時間は君のより価値がある

とにかく邪魔をしないでくれ
私は成し遂げるもの
時には君たちを殴るよ
醜い奴等は皆殺しなんだから

僅かな荷物さえ無くしましたよ
もともとそんな持ってないけど
僅かな荷物さえ持ってかれましたよ
褌の影で弱者を殴る