Ayano Westfield

立教大学経営学部国際経営学科准教授 西原文乃です。経営学の「知識創造理論」を専門にしています。

Ayano Westfield

立教大学経営学部国際経営学科准教授 西原文乃です。経営学の「知識創造理論」を専門にしています。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

Relentless Pursuit for Knowledge Creation:知識創造理論への道

知識創造理論(Knowledge Creation Theory)は、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生によって日本初の日本発の経営理論として打ち立てられた経営理論です。人の中に内在する無限の暗黙知を解き放ち、真善美の真理、共通善の実現に向かって、日々日々の生活や仕事において、より善い実践を絶えず追求する理想主義的実践論です。

    • もやもや💦な話 No1:三日坊主は暗黙知ができていないから?

      知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xもやもや」な話、その1。 昨年からはじめた「暗黙知xきらきら✨」な話。10回目を投稿したところで、続かなくなった。 そう、いわゆる三日坊主的なヤツ。 あることを習慣にするためには、「それをいつの間にかやっている」とか、「それをやらないと落ち着かない」とかいう感覚に持っていくのが一番いいと思う。言うなれば、身体化して暗黙知に落とし込む感じ。そう、習慣は暗黙知なのだ。でも、そうなるには続ける必要があって、習慣になるまで

      • きらきら✨な話 No10:”たとえ”は形式知なのか暗黙知なのか?

        知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その10。 あるゼミ生たちが自主的に『知識創造企業(新装版)』を読んでいる。読んでいて疑問に思ったことがあるので時間をとって、と言われたので、オフィスアワーに来てもらった。 話をしていくうちに、 「表出化で言われている”たとえ”って、ほんとに形式知なんすかね?なんか、暗黙知っぽくないですか?」 おおお! なんて、鋭い視点! 「そうなんだよねぇ。たとえって、人によって受け取り方も違うよねぇ。 なの

        • きらきら✨な話 No9:知識は万能!なぜなら、○○だから!?

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その9。 西原ゼミ2期生の募集が始まり、応募してくれた学生との面談を進めていると、「知識創造理論は万能って聞きました!なので応募しました!」と言ってくる学生がいる。 まさに、その通り! ・・・なんだけど、なんで万能なのか分かる? って、質問は、まだ知識創造理論を学んでいない学生にはちょっとハードルが高いので聞かないけど、考えて欲しいところではある。 「知識は(21世紀の)こんにち、最も価値のある資

        • 固定された記事

        Relentless Pursuit for Knowledge Creation:知識創造理論への道

        マガジン

        • ターコイズのタコ
          11本
        • ナレッジ・スパイラル
          2本

        記事

          きらきら✨な話 No8:知識って創るものなの!?!(学ぶだけじゃないの?)

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その8。 先日、20才代の社会人と学生の方々に向けて、知識創造とイノベーションについてのセミナーを行った。アイスブレイクのあと、本題に入るとっかかりとして「職場や大学でどのような知識を創っていますか?グループのみなさんで対話してください」という質問を出したところ、受講生のほぼ全員がぽかんとしている。顔を見合わせて「何を話すの?」という表情。当然、対話も弾まない。 あれ?なにか難しい質問をしちゃったかな

          きらきら✨な話 No8:知識って創るものなの!?!(学ぶだけじゃないの?)

          きらきら✨な話 No7:合宿は暗黙知を花開かせる場だった!

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その7。 予想通り、始まってしまえば、合宿はなんてことなかった。日常生活の学生が見れて、発見があった。学生同士でもいろいろ発見があったようだ。 合宿は静岡県牧之原市の廃校となった小学校をリノベした施設を利用した。教室ではアイディア出しのグループワーク、体育館ではプレイフルネスのワーク。夕ご飯はBBQ、海岸まで歩いて花火、その後で謎解き肝試し。マイクロバスをチャーターして行ったので、行きと帰りに東名高速

          きらきら✨な話 No7:合宿は暗黙知を花開かせる場だった!

          きらきら✨な話 No6:いよいよ明日・明後日!

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その6。 いよいよ明日と明後日に、ゼミ合宿に行く! 行先は、廃校となった小学校を研修や宿泊ができるようにした施設。同じようなコンセプトで事業を行っているところが他にもあるので、どんな特色があるのか楽しみ。 ただ、自分はIntrovertなので、ほんとうは合宿は得意ではなくて、ちょっと緊張もしている。でも、ゼミ生と一緒に暗黙知を揺さぶる経験ができるかも、と期待もしている。 会社勤めで身につけたのは、

          きらきら✨な話 No6:いよいよ明日・明後日!

          きらきら✨な話 No5:役割が人の行動を変える?

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その5。 大学院(MBA)で学んだことで、ショックを受けたものに「ミルグラム実験」と「スタンフォード監獄実験」がある。組織行動の人に対する影響力というテーマの授業だったように思う。 ”人は、権威や役割が与えられると、普通なら行わないような残虐なこともできる・するようになってしまうのか!なんてこった!” ところが、2021年出版の『Humankind 希望の歴史 上・下』で著者のブレグマンがこの実験は

          きらきら✨な話 No5:役割が人の行動を変える?

          きらきら✨な話 No4:生涯の親友ってゼミでつくれる?

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その4。 「親友」にあこがれている。 小説、マンガやアニメ、ドラマや映画。親友が描かれているものがたくさんある。本音を言い合えて、ありのままを受け止めてくれて、いざという時に頼れる存在。プライベートな悩みも共有できて、理解してもらえる存在。久しぶりに会っても、違和感を感じない存在。 自分の場合、高校の頃にはいると思っていたけれど、大学生から社会人になって疎遠になってしまったから、親友ではなかったのか

          きらきら✨な話 No4:生涯の親友ってゼミでつくれる?

          きらきら✨な話 No3:2段か3段か(あるいは鏡もちかオラフか)

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その3。 2年生のゼミで、紙ねんどを使ったワークを行った。 お題は、1月から12月まで、好きな月を選んで、その月を表すものを創るというもの。12月ならクリスマスツリー、10月ならハロウィーン、6月なら雨と傘、4月ならランドセル。なるほど!というモノが、たくさんできあがった。 ふと、見ると、鏡もちがある。上にミカンが載ってて、なかなかそれらしい。でも、よく見ると、3段になっている。3段? 3段は、オ

          きらきら✨な話 No3:2段か3段か(あるいは鏡もちかオラフか)

          きらきら✨な話 No.2:ノリって暗黙知だよね

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その2。 高校時代、同級生とバンドを組んでた。担当はエレキベース。で、ときどきボーカルも。やっぱり、弾けて、歌えるのは、カッコいい。 でも、それには練習が必要。 自分なりに編み出した方法は、まず徹底してベースパートを練習する。何も考えなくても、指が勝手に動いて、曲に合わせて弾けるようになるまで。 それができたら、ボーカルの歌詞を覚える。 ベースの方は自動運転状態なので、ボーカルの歌詞を覚えられたら、

          きらきら✨な話 No.2:ノリって暗黙知だよね

          きらきら✨な話 No1:私の青とキミの青は同じ?

          知識創造でいちばん大切なコンセプトは暗黙知。 「暗黙知xきらきら」な話、その1。 大学生のころ、人間関係で行き詰った。自分の話している言葉が相手に通じていないようだった。同じ言葉を使っているのに、理解し合えない。 ふと、「私が見ているこの青空の青色は、他の人に見えている青空の青と同じ色ではないのかもしれない」と思った。 (・・・そんなこと、思ったことない?) 青が青であるのは経験からそう思っている。そう理解している。 でも、国や地域によって虹🌈の色の数が違うように、色そ

          きらきら✨な話 No1:私の青とキミの青は同じ?

          新型コロナウイルスの感染拡大があぶり出した日本の状況

           日本はいまどんな状況にあるのだろうか?安倍晋三首相は在位が史上最長となる一方で健康問題が取り沙汰されている。2020年のお盆の時期、いわゆる”Go To”による経済活動を優先するのか、感染拡大防止を優先するのか、政府の方針は揺れ、地域行政や個人の判断にゆだねられた。一方で、感染症の専門家は政府が言うことを聞いてくれないと憂慮している。  こうした事態にデジャヴ(既視感)を覚える。前にも見た光景、前にもあった議論や批判。つまり、日本という国は、危機的状況に直面したとき、いつも

          新型コロナウイルスの感染拡大があぶり出した日本の状況

          ニューノーマルの知識創造理論に向けて

           2020年、世界は新型コロナウイルスの感染拡大のため急激な変化を余儀なくされた。日本においては、日常生活では、感染拡大の防止策として3密を避けるために、「ソーシャル・ディスタンス」と称して人々は物理的、社会的な距離を取らざるを得なくなった。小中高の学校は、緊急事態宣言発令中は休校となったが、解除後は感染防止対策を行ったうえで対面での授業に戻りつつある。一方、大学では、多くの学生が科目ごとに移動する中では感染防止対策が困難であることから、オンラインで授業が行われている。仕事に

          ニューノーマルの知識創造理論に向けて