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#また乾杯しよう、約束した日は遥か遠く

こんにちは。

#意識低い系社長  です。

今回はお題で「 #また乾杯しよう 」というお題があったので、わたしの恩人でもある、とある会社の元社長とのお話でもしたいと思います。


1.出会い


その方とは、わたしが社長になってまだ間もない頃、業界交流会で紹介され知り合いました。その方は、一部上場企業の部長職から、ヘッドハンティングで外資系メーカーの子会社の社長になった方で、顔の広さは業界随一とも言われるほど、あらゆるところに顔がきく方でした。

わたしが下請け町工場の後継ぎであること、先代とうまくいってないことなどを話すと、なぜか甚く興味を持って頂き、月1回ぐらいでお声がけ頂き、お昼がてらお話をさせて頂いてました。

とても忙しい方なので、本当にお昼食べながら、「最近どう?」から始まる世間話と、仕事相手の紹介や取引先の名刺を何枚か頂戴したりして、食べ終わったらバイバイ、といった具合に慌ただしく面会させて頂いてきておりました。


2.去年の忘年会


昨年の忘年会で、来年、定年なんだ、という話を突然聞きました。

「えぇ!?そんなこと一言も言ってなかったじゃないですか!」と私が言うと、「だって、言ったら、おまえ、俺と仲良くしようって思わなかったろ」と返され、ぐうの音も出ませんでした。

確かにわたしは、いつも業界でコネクション豊富な社長とは繋がりを持っておきたい、という打算があったのは事実であり、それを見透かされていたようで自分を恥じました。

続けてその方は「定年で会社はやめるけど、仕事は続けるから大丈夫。」と言われ、わたしは混乱しました。会社をやめてバイト・・・?まさかこんな人が・・・。

しかし、本当に年明け間もなく、社長交代のお知らせのハガキと辞任のお知らせのメールを頂くことになりました。


3.2020年の年明け


メールを受け取り、わたしはすぐにお電話しました。

「本当に辞めちゃうんですか?!」

その人はこう言いました。

「もう決まってたことだからね。ところで来月ちょっと時間取れる?」

わたしは、二つ返事でお会いする約束をしました。それが今年の2月でした。お会いするなり、業界の冬の時代を予告されました。消費増税後、確かに受注減少が続いていましたが、コロナによるインバウンド需要が確実に吹き飛ぶから用心するように、オリンピックは確実に中止になる、と言われました。

しかし、わたしのような下請け町工場の社長が何とかできるようなことは少なく、早めのリストラ、早めの経費削減、不要車輌の売却、と言った具合に経営体制の強化とスリムアップを進めていました。

しかして、その人の予想は残念なことに見事的中してしまいました。


4.コロナ禍から今


実はその方とは今でも連絡を取り合っています。今では週イチぐらいで連絡する間柄になりました。皮肉なことにコロナ禍がむしろ距離を縮めてくれました。

そして、その方は今でも本当に仕事をしています。電話一本あれば仕事ができる人なんです。奥様が医療関係者だそうなので、自宅からはほとんど出ないそうですが、それでも電話だけで月に数百万は稼げる人です。自分でExcelを開いたこともない人です。

そして、仕事がなくなって困った人たちが大挙して、その方を頼ってくるそうです。一日中ずっとしゃべってるから声が枯れちゃって・・・と笑っていました。


仕事は会社が作るものではない。人が仕事を作るんだ。


その方とお話させて頂くと本当にそう思います。

今までの仕事や人脈形成の評価が、結果として会社への評価ではなく、その人だからなんとかしてくれる。という人格者へと押し上げてくれるのです。

わたしも仕事に困って、その方を頼ってる一人です。しかし、わたしが今インターネットでの物販事業の準備をしているという話をすると、とても嬉しそうにこう言ってくれました。

おまえなら、絶対にこのタイミングで動くと思ってたよ!俺の方から売れるもの提供するからネットで代行販売でもやるか?」と。


涙が出ました。

自分の会社ではバカにされ、後ろ指をさされるような社長でしたが、見てくれる人、分かってくれる人がいるのが、こんなにも心強いと感じたことはありません。

そちらも色々調整が必要なこともあるので、橋渡し役を今、お願いしていますが、近々実現できると思います。


5.最後に


2月にお会いしたとき、「8月ぐらいには納涼会でもやって飲もう。」という約束をさせて頂いていたのですが、その約束は果たせそうにありません。

ですが、それ以上にこのコロナ禍にあっても、力強く生き残る術を知っている人たち、そしてインフラを支えてくれる人たちはいます。

今こそ必要なのは、その人々の努力への感謝と自身の勤勉さと前向きな姿勢だと思います。

また、必ず乾杯できる時は来ます。その時まで、わたしは何かにチャレンジし続ける前向きな姿勢を崩すことはない、そう誓って本稿を終わります。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

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