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2021年の増田セバスチャン

毎年恒例、スタッフによる増田セバスチャンの1年総まとめ記事をお送りします。

2021年は新作や展覧会を6つ発表。1つ1つがパンデミック中に考えてきたことのアウトプットであり、積み重ねてきたストーリーを振り返ったり、総まとめするような作品や展覧会ばかり。

2022年は本人にとって大きなチャレンジがあります。今年もどうぞよろしくお願いします。

①6つの新作&展覧会、「Yes, Kawaii Is Art」

2021年は新作となる体験型作品、全てオンラインで海外チームと制作した初のVR作品、2年間にわたる大学とのKawaii文化リサーチプロジェクト。そして自ら主催した展覧会「Yes, Kawaii Is Art」を開催した、濃厚な1年でした。

2月 北千住BUoY「Fantastic Voyage」

北千住にあるアートセンターBUoYにて新作「Fantastic Voyage」(ファンタスティック ヴォヤージ)を公開。これは増田がパンデミック中に考えてきたことを体験型作品にアウトプットした作品であり、「隔離された世界で未来を想像する装置」という構想のプロトタイプです。


3月 京都Obra「Digital Tribe -未来のコミュニティのあり方-」

増⽥セバスチャンと、京都芸術大学ウルトラファクトリーで展開するプロジェクト「カラフル・ラボ」の学生メンバーによる展覧会「Digital Tribe -未来のコミュニティのあり方-」(Discovering The Digital Tribe via Kawaii)。

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7月 上海 Museum of Art Pudong「Sense Share Bear」

増田セバスチャン初のVR作品「Sense Share Bear」が上海に完成した美術館「Museum of Art Pudong」で展示されました。1体のベアを通して、違う場所にいる者同士が一緒に1つのイメージを作り出す作品です。

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Sense Share Bear プレイ画面
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Sense Share Bear プレイ画面

Kawaiiのコミュニティーを通じてベルリンのクリエイティブユニット・MORIと出会い、2020年のパンデミック渦中でプロジェクトをスタート。

展示のキュレーションはNYのアートスペース Special SpecialのWen-You Caiさん。美術館内でSpecial Specialが企画する「Cyber Garden」というプレゼンテーションの中で作品を展示。今回の作品はベルリン・ニューヨーク・上海・東京という4つの都市を跨いで制作され、お互い一度も会わずに展示が完成しました。

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Museum of Art Pudongでの展示、体験中の様子

壁があっても、未来を共にクリエイトすることができるのか?という、我々が対峙するこれからの世界を象徴するような、チャレンジ満載のプロジェクトとなりました。今後も様々な都市で体験できるようにプロジェクトを続けていきたいと思っています。プレイ動画はこちらのリンクから:


10月 大阪 北加賀屋「Yes, Kawaii Is Art」

増田セバスチャンにとってターニングポイントとなった展覧会「Yes, Kawaii Is Art」は、大阪と東京の2都市で開催。本展は増田セバスチャンの作品と活動を通して、その核心であるKawaiiが持つ奥の深さと新たな可能性を体感する試みです。

2020年以降、増田はパンデミックで沈む心に色彩で希望を灯すために、世界中に広がるKawaiiコミュニティと対話を続けてきました。Kawaiiとは何なのか?なぜ国境や世代、性別を超えて価値観が伝播し、コミュニティが継続していくのか?

「”Kawaii”のその先が見てみたい。それが、モノを作り続けずにはいられない、僕の原動力なのです。」 ―― 増田セバスチャン

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展示の舞台となったのは、大阪の工場地帯でもありアートエリアでもある「北加賀屋」
第1会場:世界中を巡回した部屋型インスタレーションの日本初展示「Colorful Rebellion -Seventh Nightmare-」
北加賀屋で手に入れた廃材などを使い廃工場をゼロから建て込み、展示空間を生み出しました。中央が作品の部屋、左が水が流れ続ける音の部屋、右が暖かい明るさに包まれる光の部屋。
エントランスでは京都芸術大学と行ったKawaii文化リサーチの展示も。
第2会場:上演型作品「Fantastic Voyage, Prototype II」
第3会場:原宿のシンボル・世界時計などを展示
関連イベント:6%DOKIDOKIによるストリートファッションショー「Colorful Riot」
観客含め200人以上が集まる大盛況。工場地帯がカラフルに染まった1日


12月 東京「Yes, Kawaii Is Art」in 神田明神

神田明神

展覧会『「Yes, Kawaii Is Art」 in 神田明神』では1300年の歴史を誇り江戸の総鎮守と称えられてきた「神田明神」の敷地内に増田セバスチャンの代表作の数々が展示されました。

「神社の地下に極めて個人的な祠(自分だけの小宇宙)を作る試み」 
祭務所地下参集所に「Colorful Rebellion -Seventh Nightmare-」を特別に展示
Kawaii文化リサーチ展示
日本初展示となる「Time After Time Capsule」アメリカを巡回したハローキティ型タイムカプセル
神楽殿に展示された「世界時計」

兼ねてから、日本発祥の文化「Kawaii」が見せるカラフルな未来像と、日本人の心の根底に流れる「ハレ」と「祝祭」の色彩をキーワードに作られている増田セバスチャンのアート作品。神田明神という特別な場所で展示できたことは、過去と未来を越え重なり合う”Kawaii”の世界を体現できていたのではないでしょうか。


12-1月「Primal Pop」@六本木ヒルズ3F A/Dギャラリー

こちらの展覧会は2022年1/10まで開催中。
残りの増田セバスチャン在廊日は、
・1/7(金)15:00-18:00
・1/10(月祝)最終日17:00-20:00
です。ぜひご来場ください。


②2つの全国巡回 企画展、グループ展

サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史

展覧会のシンボリックアートとして「Unforgettable Tower」が各会場で展示されています。
2021年:名古屋松坂屋美術館、大分県立美術館、六本木ヒルズ52F 東京シティビュー
2022年予定:1/20-新潟県立万代島美術館、福岡、宮崎 他

Unforgettable Tower
Unforgettable Tower


THE ドラえもん展

2017年森美術館からスタートしたTHE ドラえもん展。増田セバスチャンの作品「さいごのウエポン」も各会場で展示されています。
2021年:札幌芸術の森美術館、京都市京セラ美術館,福島県立美術館

さいごのウエポン


③オンラインプロジェクト「Kawaii Tribe Session」 

2020年7月よりスタートした、世界中に存在するKawaii Tribeの中からエリア別に少人数対話を行うオンラインイベント”Kawaii Tribe Session”。各国のコミュニティと、パンデミック渦中での生活についてのヒアリング、自分にとってKawaiiとは?というディスカッションを行なっています。
2021年はフランスと韓国で開催しました。

Kawaii Tribe Session in フランス

原宿の6%DOKIDOKI店内からフランスと中継。
フランス出身の6%DOKIDOKIスタッフ・Nyun☆が通訳も担当。


Kawaii Tribe Session in 韓国

アジア初開催はセバスチャンも何回も訪れている韓国と。
韓国出身の京都芸術大学の学生が通訳を担当。


④コラボレーション

原宿「未来のカプセル保育園」

「未来のピース保育園」「未来のツリー保育園」に続く、増田セバスチャンにとって3つ目となる保育園のアートワーク。ロゴ、キャラクターデザイン、内装の一部の監修を担当しています。

メインキャラクター「プーピルさん」と各組のキャラクターたち
ロゴ、サインデザイン、階段の大きなカプセルの中の装飾も担当
内装を担当した1F部分の様子

透明のカプセルの中に広がる無数の未来。 何がでるかわからない無限大の可能性。 カプセルに思い出を込める大切な時間。 園児のみなさんが色とりどりの未来へ進めるように未来のカプセル保育園のアートワークを制作しました。https://edulead.jp/hoikuen/capsule/


 コンラッド大阪×増田セバスチャン「Owner of a Colorful Heart 」

コンラッド大阪と夏・ハロウィンの2回に渡り、スイーツブッフェ&客室をコラボレーション。テーマは「OWNER OF A COLORFUL HEART」。力強い光と色彩に溢れた祝祭の空間がコンラッド大阪にやってきます。重暗い時を駆け抜ける今、心に光が射し込めば、ひとりひとりの心に隠れていた色達が輝き出し、世界はもっと輝く…そんなアーティストの想いが込められています。

「Owner of a Colorful Heart 」ピーチブッフェ
エグゼクティブ・ペストリーシェフであるジミー・ブーレイ氏とのイメージの対話から作り出された、美しくも驚きのあるスイーツの数々はとても刺激的でした
「Owner of a Colorful Heart 」ハロウィンブッフェ
新作「Celebration」が展示された特別な宿泊ルーム


仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール10周年記念ワークショップ「みらいに いろをつけよう!」

仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール開業10周年企画の一つとして、増田セバスチャンによるワークショップ「みらいに いろをつけよう!」と、館内にあるエリア「にじのさかみち」の装飾がスタート。2022年3月まで開催中です。
*写真はアンパンマンこどもミュージアム&モールのホームページより

2021年12月時点の館内の様子(透明だったキャラクターたちが続々とカラフルに!)

増田セバスチャンによるワークショップ「みらいにいろをつけよう!」は、アンパンマンミュージアムの「にじのさかみち」の上空を飛ぶ透明なアンパンマンたちを装飾するワークショップ。ワークショップで作られたバルーンたちは、1 ヶ月に 1 度、上空の透明なアンパンマンたちに入れられていきます。

ワークショップの様子
みんなのバルーンを入れたメロンパンナちゃんがカラフルになった様子

「みらいに いろをつけよう!」ワークショップに参加してくれた皆さんの様子はミュージアムのブログにも掲載されています。大人の方も参加できますので、お近くにお立ち寄りの際はぜひご参加ください。


Sanrio Kawaii ミュージカル「From Hello Kitty」

ステージアラウンド東京で開催されたSanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』に、サンリオピューロランドの25周年記念パレード「ミラクルギフトパレード」に続き、アートディレクションで参加しました。


大阪ガス × Kawaii Monster Cafe「カワイイモンスターキッチン」

2015年のオープンから原宿に来訪する世界中の人々を魅了し、世界一フォトジェニックなエンターテインメントレストランとしても有名だったカワイイモンスターカフェ。文字通り世界中から惜しまれつつクローズしたのも2021年でした。

そんなカワイイモンスターカフェが大阪ガスとのコラボレーションで「カワイイモンスターキッチン」というポップアップをスタート。スイーツゴーランドのバルーンオブジェやチョッピーが展示され、コラボメニューやワークショップを展開。ロゴなどのグラフィックデザインやバルーンデザインを監修しました。

カワイイモンスターキッチン公式サイト:
https://www.osakagas.co.jp/company/efforts/hugmuseum/lp/kawaii/


ジャニーズショップ原宿「LOVE, HARAJUKU」

LOVE,HARAJUKUグッズデザイン

ジャニーズショップ原宿の最後のプロジェクト「LOVE,HARAJUKU」のアートディレクションを担当。ロゴ、グッズ、フォトスポットなど、1988年から続いた原宿店からの感謝の想いを形にするお手伝いをさせていただきました。


防災備蓄ゼリー「LIFE STOCK」

宮城県国見町の桃を使用した桃味のパッケージをデザインしました。
「日常は、意識しないとただの繰り返しになってしまいますが、身近にハッピーなものがあるだけで、いつもポジティブな気持ちになれるということを感じでもらえればと思います」

KUNIMI TOWN PEACH パッケージデザイン
国見町広報誌より


⑤ポップアップイベント・ショップ

渋谷PARCO 4F ほぼ日カルチャん「増田セバスチャンと6%DOKIDOKI 1995→2021」

渋谷パルコのアートウィークに合わせて、ほぼ日カルチャんにて90年代の空気感と2021年現在の共通点をフィーチャーした初のポップアップを開催。壁には90年代のカタログをコラージュし、6%DOKIDOKIの最新アイテムが勢揃い。

店内の様子
壁紙は90年代の6%DOKIDOKIのカタログのコラージュ。2020年代の原宿店スタッフや世界中のファンの写真も重ねて展示されました。

webサイトにはインタビューも掲載中です。
https://www.1101.com/n/s/parco_sebastian/2021-09-22.html


増田セバスチャン POPUP SHOP@森美術館ショップ

店内の様子

増田セバスチャンのアートグッズブランド「Sebastian Masuda ART」初のぬいぐるみ「Emotinal Bear」デビューだったポップアップ。この時のEmoBearの写真が雑誌「販促会議」の2021年12月号の表紙に採用されました。


⑥メディア掲載、出演、登壇

中学校の教科書「技術・家庭 家庭分野」に掲載

令和3年度版の教科書の中で、[先輩からのエール]というインタビューが衣生活のページに掲載。誌面のQRコードで動画も見られます。


アド街ック天国 原宿回 スタジオゲスト出演


JFMラジオ『篠原ともえ「Making」』

放送された音声はwebでも聴けます:


Tokyo FM「News Sapiens」増田セバスチャン×山極壽一対談

放送された音声はwebでも聴けます:


ナジャ・グランディーバ「チマタのハテナ」


ABCラジオ「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です」

「Open Storage 2021 -拡張する収蔵庫-」クロージングイベント
トークショー登壇:森村泰昌(美術家)、増田セバスチャン(アーティスト)、ヤノベケンジ、芝川能一


2021年に作品や仕事でお世話になった皆様、展覧会やポップアップにご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

多くの方々のおかげで、日本にいるからこそ出来ることを全てやれた、前年に溜め込んだパワーを放出することができた一年でした。
2022年もどうぞよろしくお願いします!

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