伝えるセンス

 CM やポスターなどを見ると、

一言で伝えたい意味やニュアンスが伝わってきます。

もしくは、

内容を読みたいと感じたり

記憶に残っていたりすることもあります。


なぜ、そのような一言が思いつくのでしょうか。


伝えるセンスのあると思われる人は


受け手側が

どのような「イメージ」をもち、

どのような「感情」になるのか、

を考えているのです。


逆にセンスのないと思われる人は、

自分がイメージしていることを

そのまま

表現します。



例えば、自転車の駐輪禁止を促したいとき。


①ここは、駐輪禁止!自転車置き場ではありません!


②ここは、自転車捨て場!自転車置き場ではありません!


①と②を比べてみてどう感じますか?


①よりも②の方がインパクトがあり、印象に残りますし、

自転車を置いたら捨てられてしまうので置くのをやめよう

という感情になりますよね?


このように受け手側の「感情」をイメージすることが

伝えるためには重要なのです。​


では、感情をイメージさせるには

どのようにすればいいのか。



ここでフレームワークの登場です。


V:ヴィジュアルメッセージ

C:共通想像

I:解決、改善

M:比ゆ的共感


この順に沿って考えれば、

受け手の感情をイメージすることができます。


もう少しかみ砕くと、


V :商品、サービスを言語化する

C:受け手側は何を想像しているか思考する

I:改善、解決するための方法を言語化

M:共通認識させるために言語を比喩化


となります。



こんな話があります。


海外の寿司屋で

外国人に

明太子を売ろうと考えました。← V :商品の言語化



お店のメニューには

「Cod(たら)Egg(卵)」 

と書いてあります。


日本では、

・美味しい

・高級

というイメージがある明太子ですが、



これを見た外国人は、

・グロそう

・気持ち悪い

とイメージし、全く売れませんでした。


寿司屋は、

「外国人が日本人と同じ様にイメージしてもらうにはどうするか」

を懸命に考えました。


そこで、

「外国人がイメージするもの」を考えることにしました。

「外国人が美味しくて高級な魚の卵は何だろう」と

視点を変えてみたのです。← C:受け手の思考を想像


外国人がイメージするもの

それは、


「キャビア」です。← I:解決の言語化



寿司屋は、

「Cod Egg」から

「Spicy(辛い)Cavia」← M:共通認識と比喩

にしました。



すると

それを見た外国人は

「辛くてキャビアのような高級な魚の卵」

とイメージすることができ、

徐々に注文が入るようになりました。


この話のように、


伝えたい商品・サービスを

言語化するのではなく、


比喩をいて

受け手側とイメージを「共有」するのです。


受け手側の感情をイメージするために必要なのは

言語として伝える方法ではなく、

比喩を用いてイメージを「共有」することなのです。


例えば

①親御さんへ向けて子どもの運動嫌いを治せるコンテンツを作りたい←:V 

②親御さんは子どもの運動嫌いを治すのは難しいと思っている←:C

③親御さんが運動嫌いと思う子どもの代表といえば?←:I

④ドラえもんの「のび太」←:M


そこから

「のび太でも出来るカンタン体操」

とすると、

それを見た親御さんは、

あの運動音痴で、運動嫌いで、やる気の続かないのび太でも出来るなら

うちの子でも出来るかも!

と思ってくれる。


そんな風に


受け手側と同じイメージがもてる比喩をすることが


伝えるためのセンスとしては重要になるのです。