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ジョスト・フロントの蠢動
地下階層幽霊都市、通称ジョスト・フロント(GeostFront)。
最低標高マイナス5キロメートル、旧人類文明の夢の跡。
「ツヅリ、今は何階層だ」
「地下5階、ちょうど半分。潮時じゃない?」
「まだだ」
小柄な機械鎧を着た男女が、地下廃墟空間の蒸し暑い闇の中を脚部車輪で駆けていた。前で槍を持つ男がシオヤ、後ろの女がツヅリ。
「無理は禁物。もう一回スキャンして、それで駄目なら帰ろ」
「頼
バックスタブ・ショットガン
巨大都市国家クイントピア。南区。夜の路地裏。
路地の入口にあった魔王殺しの勇者像はひどく苔むしていた。銃と魔導車、文明の発展の中で忘れ去られたレガシーだ。
「あんたのせいで冒険者ギルドは大いに迷惑してる」
「東区から俺目当ての物騒な奴らが流れてくるから?」
「他に何があるっての?」
鋼鉄ステッキを手にした女冒険者が、俺を横目に睨んだ。
クイントピアは東西南北中央の5区画からなる。