「プロ」になれないのは意識の問題か

私はエンジニアですが、この業界、ミスをした人に「プロなのだから」と怒る人をよく見ます。

ただし、この「プロ」とはなにを指すのか、どういうものを指すのかの説明を受けている人はあまり見ません。

そうなると、言われた方もピンと来ないようで、同じことを繰り返してしまいます。なのでいつも疑問だった「プロの定義」について、考えていきたいと思います。

「プロ」とは

その道の「プロ」とは、”技術力がある人”や”その道への理解度が深い人”というイメージが強いです。
技術も理解もなしにプロを名乗るとだいたいトラブルになりますし。

雇う側からすると「プロ」というのは甘美な響きで、「プロ」と聞くだけで安心感を得やすいです。が、当たり前ながらその分期待もされます。

その期待に応えられる人こそ「プロ」であり、応えられない人はどうしても「半人前」。

という話が多いですが、自分の中の「プロ」は少し違います。

もちろん技術力が高く理解度が深ければ文句なしの「プロ」であるとは思いますが、私は”しっかりと会話できること”が「プロ」なのだと思います。

これは日本語を話せるとかそんなレベルではなく、雇用主や依頼主との調整ができるかどうかです。

つまり、「ヒアリングによって相手の希望・要望を聞き出し、自分の中で実現可能なレベルまで落とし込み、ミスをせずに相手の望む期間できちんと完了できるか」が、「プロ」になる条件なのだと考えています。

技術・理解度が深くても客との調整ができないのであれば、宝の持ち腐れになりかねません。
しかし、会話さえできるのであれば、技術力がなければある人に聞き、理解度が浅ければ深い人に聞けます。

「プロの定義」が「会話ができる人」なだけなら、「プロ」を名乗る条件がグッと下がりますし、お客にも幻滅されずに済みます。

お客に満足してもらえるのが「プロ」なので、技術や理解度も大事ですが、会話のスキルを伸ばすことはなにより最優先事項なのだと考えています。


自分ができるか他人ができるか

お客と会話する場合、”自分ができるか”が判断基準になると、独りよがりの業務になりがちです。
その業務は無事こなせるかもしれませんが、後輩育成には不向きです。

独立していればいいが、会社に属しているならば”他人ができるか”を考える必要があり、そうなると依頼しようとする人やチームがどこまでの技術力と理解度なのかを把握する必要があります。

把握するのが面倒なら自分がやって、やり方を手順化し、次回以降はほかに依頼するというやり方もありますが、畑が違うとそれも難しいので、ある程度どこの誰がなにをできるかは把握しておきたいところです。

それは営業や管理職の仕事じゃないの?って思うのもごもっともですが、”自分で営業できる”というのは、よっぽどの大手じゃなければ普通に求められるスキルです。

できるだけ「セルフ営業」できるように、会話力を身に着けておくことが「プロ」への近道なのだと思います。


「プロ」は結局意識の問題か

話は戻りますが、「プロなのだから」と怒るのは、仕事に対して中途半端なことをして失敗した人に対して多いように感じます。

つまり、怒る側が言いたいことは「その仕事を全うしたのかお前は」ということで、「ミスをしない様に立ち回ろうとしたか」、「最善の行動をとれたのか」という意味も含みます。

なのでまとめると、「プロなのだから」と怒る人が本当に言いたいことは、「自分はプロフェッショナルなのだという意識を持ち、責任感を持ってきちんと仕事しろ」ということなのだと思います。

こう考えると客が考える「プロ」、自分が考える「プロ」、人に言われる「プロ」の認識がすべて違ってきます。

●「プロ」の認識
客  ⇒ こっちの要望に応えてくれる人
自分 ⇒ 客との調整ができる技術と理解が深い人
他人 ⇒ 責任感を持って仕事できる人

こうなると一概に「プロでしょ」と言われても、困惑します。
なので、もっと「プロ」をわかりやすく考えてみます。


「プロ」と名乗れば「プロ」

結局は、「プロ」と名乗れば「プロ」ということなんだと思います。
これも「名乗ったもん勝ちだから名乗っておけ」ではなく、「名乗れるだけの自信を持て」ということです。

あとは自信をつける為にはどうするかを考えていけば、最短で「プロ」になれるはず。

そう考えるとすごく簡単ですね。

日々「プロ」を名乗るために仕事をこなせばいい。やることが一気にスマートになりました。
これなら世代が違う新社会人や後輩育成時にも伝えやすいです。

いつから「プロ」になれるのかで悩んでいるなら、どうすれば自信がつくかを考えてみるといいかもしれません。

以上。すごくいい事を言ってる風な話でした。

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