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小さな背中に、大きな憧れを

何だか、何も身に入らない。

考えていることがあまりにも多すぎると、時たまこういった事が起こる。

働くことが大好きなのに、行く事を酷く拒んだり
人に会うのさえ、面倒臭いと思ってしまう。

疲れているんだなあ、と 他人事のように自分の体に労いをかける。

いつも1ヶ月もすれば ある日を境にこの気持ちは消える。

それまでの辛抱なのだ。



こういった時、頑張れない自分を責めて生きてきた。

" 頑張る事しか取り柄がないのに、それすらも出来ないの? " と。


頑張る事が得意な事だと思っている自分にとって
頑張れていない期間は、何よりも辛い。


昔はただただ、こうなってしまう自分が嫌で
時間が進めばこの気持ちも収まるとわかっていながらも
どうしてもしんどい気持ちに立ち向かうことが出来ずにいた。


けれども、ある人に出会ったことで
このしんどい期間に飲み込まれている自分自身を
客観的に見る事ができるようになった。



私の憧れの人


そのある人、とは 私の過去の記事にも出てくる
彼の友達カップルの彼女ちゃんの事である。

彼女の事はここでは夏さん、と名付けることにする。




夏さんは、私の彼の友達の彼女さん。

私より1つ歳上で、小柄で、明るくて愛嬌たっぷりの
可愛らしい女性。



私が夏さんと出会ったのは2021年の夏。


私と彼、夏さんとその彼氏くんの4人で初めて会った日。

2人と初対面の日、私は
「どんな人なんだろう 」
「 優しければいいな、いい人だといいな 」
なんて期待を沢山膨らませながら遊園地に遊びに行った。



結論から言うと、とんでもなく気が合う人だった。



初めはどこかぎこちない感じもあったが
夏さんと2人きりになる場面になった時、
もう開いた口が止まらなかった。


出会って数時間後の、たった30分ほど。
初めて夏さんとふたりで話した時に
お互いの彼のことや、自分のこと、
とても話しているのが遊園地だと思えないぐらいには
深く話し込み、最後には 「出会えて幸せやね」と

私たちの周りになにかふわふわしたものが浮いているのではないか、と疑ってしまうほど優しい空間に包まれた。




女子の会話は、彼氏の愚痴や嫌なところなどで盛り上がることが多い。そこにはイライラしている自分たちが求めている " 共感 "が生まれるからだ。

その中で 自分は愚痴がない、と言ったり
彼氏がいない子に 恋愛のことは長々と話すことも出来ず
ましてや惚気などを放った時には最後、
その場の雰囲気は最悪である。


女子の会話ならではの特性であると思う。
これはこれで時にはストレスの発散にもなるし、
大事なことだとも思う。



けれども、夏さんとの会話は違う。

彼たちの話をして

この間こうゆうことがあって、
あんなところが好きで、
こんな所を尊敬してて、
やっぱりいい人の周りにはいい人が集まるね、
出会えて幸せだね、嬉しいね、

毎度毎度このような話に着地する。


お世辞でも無理をしている訳でもなんでもない。

別に、ファーストコンタクトの際に気が合わなければ
この先、無理に友達でいる必要も無い位置に居るにも関わらず


「いつも邪魔者扱いして!」

と彼たちに怒られるぐらいには無理矢理にでも2人で
会いたい、と思うくらい 私にとって大切な人であり、大切な出会いだった。



夏さんだけが遠くに住んでいるため、
彼たちも含めて会えるのは年に数回ほど。

その前後に先に女子2人で会ったり、
会えない期間に何かあれば電話したり。



そんな夏さんは、酔うと人の幸せを泣きながら願う。

1文だけ見ると何とも言い難い、
酔い癖だと思うかもしれないが


ひたすらみんなが幸せになることを願い、
ひたすら呑んで、ひたすら笑って、泣いている。


この間会えた時も、
私の成人式の 振袖姿の私と彼で写っている写真を見て
素敵だ、と言いながら涙を流していた。


自分の事をネガティブなところがあると言いながらも、
自分のダメなところを 落ちるだけで終わらず、
しっかり見つめて
内側から自分を磨く事を欠かさない。

人の優しさに誰よりも気づいて、
人の幸せを何よりも願う。


こんな素敵な人、ほかにいるだろうか。

私は夏さんと出会って、こんなに素敵な人がこの世に本当に居るのだろうかと何度も思った。



そして案の条、私はこんな素敵な人にはなれないと
夏さんに出会って半年ほどは思い悩んでいた。


夏さんは夏さん、私は私。


彼女のようになる必要なんかないことぐらい分かっている。

だが こんな素敵な人 憧れずにはいられない。



けれども、そんな私の事を夏さんは

「私も海ちゃんみたいな人になりたい」

と言ってくれるのだ。



私自身がこんなに、こんなに嫌いな自分の事を

大好きで憧れの人が そう言ってくれる。


そんなこと、信じられるだろうか。


けれど、彼女の強い目で


「頑張ってて偉いね、凄いね」 と

「今はまだしんどい所にいても
いつか、その自分の苦しくて抜けたい所から
ちゃんと抜けられるようになるからね」

そう、伝えてくれる度に  

私のことをこんなに、認めて、褒めて、肯定してくれて

不意にも、

" こんな自分でも、褒めて生きていいんだなあ " と

思うことが増えて、
自分の頑張りを、少しずつ頑張れてる、と
思えるようにもなった。




年上の人ながら、テンションが上がった時や
お酒を呑んだ時は おてんばなお姉ちゃんになるが

私が弱っている時は
誰よりも味方になってくれて
強く強く、守ってくれる。


「海ちゃんは、うちが守るけんね!」


と、愛らしい方言でいつも伝えてくれる。


その強さに、何度助けられてきただろうか。




そんな夏さんの隣に居る、彼氏くんもまた
素敵すぎて頭が上がらない人。

そんな彼氏くんと友達になって、こんな素敵な繋がりを
私の人生に与えてくれた、私の彼。


大人になるにつれて 世界が広がると
良くも悪くも色んな人と出会うけれど

自分たちの周りにいる人たちがいい人すぎて
そこから派生している縁にはやっぱり
いい人達が寄ってくるんだな と

本当に生きてて大切な事を教わった気がする。



夏さんとは、
本当に中身のない事も
どうでもいいことでツボって死にそうになる事も
友達の事も
時には、真剣な将来の事も
悩んでいる事も


沢山の話をするが、決まって最後は


「いい人の周りには、いい人しか集まってこんのやね」と


彼たちが出会ってくれた事への感謝と

自分たちがこうやって惚気け倒して、
お互いの事も好き好き言い合って、
笑っていられることに幸せを噛み締めて終わる。


生きててこんなに幸せなこと、ないの。



本当に、本当に大好きな人。

私の語彙力のなさのお陰で、夏さんの魅力は1ミリ程しか伝わっていないのが本当に悔しいのだが




いつも私の生き方に 素敵な考えと、大きな影響を
与えてくれる人。

いつまでも敵わなくて、憧れ続けて、こうなりたいと
心から思う人。




大好きな夏さんが肯定してくれる、自分の部分を
大切にしながら

貴方のようになりたい、とその背中を今日も追いかけ続けている。



次会えるまでまた頑張ろうね、とこの間バイバイしたところ。



次会えるまで、貴方に少しでも近づけるように

頑張って自分を、生きようと思います。










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