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大人のなり方

また、やってしまった。


そんなひとり反省会を開いているのはクリスマスを昨日に終えた12月26日。
今日は朝から悲しい気持ちと 泣きたいのに泣けない気持ちと 苦しみで潰れそうになっている。


24のイヴと25のクリスマス当日、両方を彼と過ごした。
クリスマスマーケットに行き、イルミネーションを見て、お泊まりをして、おうちクリスマスまでして、大大満足だった。楽しかった。

けれど 『 寂しい 』 がまた、言えなかった。



彼の日常

彼はとあるボランティア団体に所属している。
子供たちを見守り、イベントの運営を行う地域の団体だ。
もちろん、ただ子供たちを見守るだけでは無い。
夏には大きいキャンプをして、冬には雪山へ行く。
その計画から運営、準備から何から何までを、社会人スタッフの元、学生スタッフが行う。

普段は月数回の土日、その活動に出かける彼。
大きなイベントごとの前になると毎週の土日、もしくは金土日と泊まりがけになることも多い。

子供たちに触れ、安全面を沢山考え、スケジュールを立て、業者に発注をし、活動以外でも夜中までミーティングを重ねる。

傍から見れば本当にお給料を頂いて仕事としてするべきことばかりである。

それに何より彼は 子どもが少し苦手。
それでも彼は 土日が潰れようと、モチベーションが下がろうと、どんなにしんどかろうが、その活動に参加している。

そんな彼を私は尊敬している。今もずっと。


ここからは、そんな彼の活動と、私の心のお話。




私の嫉妬と彼の頑張り

彼がそのボランティアに参加しはじめたのは、私と付き合う少し前だったと思う。なので付き合った当時から 沢山話を聞いていた。

同じような大学生スタッフが沢山いること、
子どもたちが言うことを聞いてくれなくて大変だということ、
それでも 活動に参加し続けるのは、
活動以外にも、その前日から大学生スタッフたちとお酒を飲んだり、夜中まで話したりすることが楽しいから、
だと。

この活動のことに限らず、その日1日、
『誰と、何を話して、どう思って、その後どうしたか』
を話すのが好きな彼。

私と会うか、バイトか、活動の予定で埋まっている彼は、会う度によく活動の話をしてくれた。
彼の仲のいいスタッフたちの名前を私が覚えるぐらいには。



でも、いつからだろうか。
その話に耳を塞ぎたくなったのは。


大前提、私は彼に活動に行って欲しくないわけではない。これは心から思っているし、応援もしている。
いつ別れが来るかも分からない恋人よりも、
未来の自分につながる本当にいい経験なのだから
私なんかよりも絶対に優先して欲しい。
これは私の心からの願い。 



だから、私よりも何倍も可愛い女の子や、スタイルの本当にいい女の子、すっぴんでもずっと居られるぐらいの女の子、もちろん女の子だけではなく男の子も沢山いるが、活動のためだから、毎回の泊まりにも何も思わなかった。

活動が終わり、夜にみんなでご飯買いに行き、銭湯へお風呂に入りに行き、スーパーでアイスを買ってだべる、遅くなった日は終電がない遠い組の子を家まで送っていき、朝方に帰ってくる。

仲のいい女の子を助手席に乗せ、恋愛相談を聞く。

その話を、彼は私にする。


それでも何も思わなかった。
いや、その思いに気づいてはいけないと思っていた。
気にしたらだめだと。


そのうちに彼は段々と プライベートでも遊ぶようになっていった。
楽しそうに、行ってくる!と。
旅行だって行くようになった。



だんだんと、私は機嫌が悪くなる瞬間を彼に隠せなくなっていった。


その度に「なんか、嫌な思いさせてる?」と優しく聞いてくれる彼に対して、私は何も言おうとしなかった。
私なりに絶対に言いたくない理由もあったからだ。



なぜなら、彼は優しいから。
私が彼の活動に何かもやもやした思いを持っていると知れば、彼は活動にもう行かないと言いかねない。
そんなこと、私がしていいわけがなかった。
彼の絶対的な経験値になることを、私が奪うことになる。

そんな事なら、我慢している方がマシだと。

それに彼は、私の話をその活動のみんなにしていた。
活動の中の人に「ずっと私の話をしている」と言われたこともある。

それだけで、十分だと思うべきだった。
思わなければいけなかった。



でも、でも。



やっと活動が一段落した、
私からしてみれば 久しぶりに彼に会える。
付き合ってもう一年半以上になるが、久しぶりに会えるとなると 前日からウキウキで、いつもより豪華なスキンケアからボディケア、メイクだっていつもより綺麗に、浮腫むのを気にして塩分は控えめに。
朝からのバイトの人に「テンション高いね」なんて言われるくらいには、浮かれて。


いざ彼に会えた時に

疲れきってぼろぼろでも、2泊3日ぐらいの泊まり込みの中で、日中ずっとその人たちと一緒にいて、食事もずっと一緒、お風呂も一緒にいって夜中は呑んで騒いで 疲れたけど、楽しかった!と、プライベートでもこんなんしてあんなんして、と その話を永遠に話す彼と

10日ぶりに会えて 話したいこと、聞いてほしいこと、
出来れば会えなかった分 抱きしめて欲しいこと、
沢山あるけど、その前に彼の逐一される報告を
必死に笑いながら、目を見て聞く私。


少しぐらい 心が苦しくなっても、許して欲しい。



 
何度、私なんかよりも可愛くて こんなにもめんどくさくなくて、楽しいという感情しか湧かない 女の子たちもいる泊まりがけの活動に行く彼に「いってらっしゃい!」を 泣きながら打っただろうか。

何度、楽しそうにキラキラした顔をしながら活動の話をする彼の横で、ポケットの中の手を 爪が食い込むぐらい、握りしめただろうか。

何度、くたくたで帰ってきて 会ってくれた彼に
「少し、寝たら?」と 眠る彼の寝顔を見ながら涙を流しただろうか。



彼に言えばいい。素直に、『少し寂しい』と。

友達には 「話聞きたくないからって言えば?」と言われた。
そんなこと、言えない。
話をするのが好きな彼にとって、
1番聞いて欲しいであろう恋人に話を聞いて貰えない、とわかったら もう傍に居てもらえないかもしれない。

耐えて 耐えて、
1人で我慢する事が間違っているとわかっていながら、
我慢してでも 傍に居たかった。



大きいイベント前は、私といても活動のことでのLINEは鳴り止まないし、電話だってかかってくる。
たとえそれが、記念日だったとしても。


けれど、行っていいと、むしろ頑張って行きな!と
応援してるのなら
私に不機嫌になる権利などない。


ましてや、帰り際に泣いて彼を困らすなど、もってのほかなのだ。

でも、時々そうなってしまうようにもなった。
その度に理由を話さない私に彼は、
「泣かせてばっかりやなあ、」と悲しそうな顔をして、
私の涙を拭う。

私は 彼の活動を100%応援の気持ちだけで送り出すことすら出来ないのに、彼にそんな顔までさせてしまうのか。


それに、私が気にしている女の子達は、誰1人別に彼を奪おうなんて思っている人はいない。いや、もしかしたらいるかもしれないが、本当にみんな性格がよくて、彼が私の話ばかりしてもみんな話を聞いてくれると、彼はよく言っている。やっぱり彼の周りにはいい人が集まるんだなあと、本当に思う。


私だけが、こんなにも醜い感情を持っている。

彼にとって、癒しのひとつにでもなるであろう私が
彼の負担になっている。



  
なんだかもう、全部分からない。


全部、わかってあげられない、
環境に慣れてあげられない、
大人になってあげられない、
余裕を持って接してあげられない、
どうしたのと 聞いてくれている時に 素直になれない、

私が悪い。





クリスマスぐらいは


そうして、クリスマス。

27日から、1年の中でいちばん大きいんじゃないかというイベントが控えている彼。

しかも、そのイベントのチーフリーダー。 

あんなに散々、「疲れるーしんどいー」なんて言いながらも 自らチーフリーダーに立候補者した時には、不意にも

こうゆうところも好きになったんよなあ、

と、そう思っていた。


そんな彼の携帯には クリスマスだろうが 私といようが、連絡のLINEは鳴り止まない。

仕方ない。だってもう3日前なのだから。

でも、12月はこの活動に引っ張りだこで、なかなか会える日も少なかった。


私がいるから 頑張れる と、彼はいつも言っていた。



なら、せめて一緒にいる時ぐらい、
手を繋いで歩いている瞬間だけでも
貴方の目に映るのは 私だけであってほしかった。


案の定、LINEを返している彼の横で少し不機嫌になっている私。
薄々、この活動関係で私が不機嫌になることは気づいてはいるだろうが、頑なに私が言わないからいつも
「こっち見て。なんかあった?」と聞いてくる。

私は不機嫌になると目を合わせなくなるらしい(無自覚)。


こっちを見てないのは、貴方でしょ。
貴方だって、12月会うの少なかったから、会いたいって言ってたくせに。


今年だって、27日から31日まで帰ってこない彼とは
25日にして もう  良いお年を になるのに。
 

今年は、「機嫌悪くなったり、察して なんて分からないからちゃんと言葉にしようね。伝えようね」

お互いにそう、約束したのに。



ああ、私だけが また出来てない。
苦しい。わからない。
彼が大学を卒業して この活動に行かなくなるまで
この私のぐるぐるは 果てしなく続いていくのか

先が見えない。
私は、彼に依存しすぎてる。

彼中心ではなく、自分を持って、しっかり生きなければいけないのに


その感情に、飲み込まれていってしまう。






でも本当は、わかってる。ちゃんと、全部。

彼を、彼の周りにいる人を、活動を

恨みたいんじゃない。責めたいわけでもない。

本心を話すことで、簡単にこの関係が壊れるとも思っていない。



ただ、心から『頑張れ』って その気持ちだけで応援してあげることすら出来ない自分が本当に嫌いなだけ。




こんなのが続くようでは、いつか

大好きな貴方の隣にいられなくなる。


それが、怖いだけ。





それでも、明日の自分はきっと

「気をつけて」
「こんなに頑張ってきたから、あとちょっと頑張れ」
「楽しんで、行っといでね」って

そう、伝えて


怪我だけ、しませんように
無事に帰ってきますように
楽しかった!って報告、聞けますようにって

想って 願うんだろうなあ と 思う。


私のこの思いは たぶん、これからも続く。
何度もまた 苦しくなると思う。
素直になれば 少しは楽になるとわかっていても
彼が活動に行かなくなるまでは、
本当の思いは全部言えないと思う。というか
言うつもりは無い。





だから、誰か


私に大人のなり方を、教えてください。







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