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世界観がステキな赤坂の本屋さんと、国立新美術館のセットで満喫!

本屋さん紹介5店目は、赤坂の「双子のライオン堂」

赤坂というおしゃれな街にある本屋さんってどんな感じなんだろうとわくわくしながら行ってきました。

余談ですが、港区に行くときは外見に気合入れていきますね…
家の近くをうろつく服装でいったら、キラキラの世界にメンタルがやられそう。

「双子のライオン座」のHPを見ると、これまたたくさん収穫がありそうです。
なのでエコバック完備+軽めの荷物で行きました。
帰りが大荷物になっても良いように、です。

しかし、この本屋さんで注意がひとつ。
水~土15:00~20:00の営業なのです。
つまり無計画で行くと、閉まっていたり、他の予定と重なってしまうという事態に。

なので、私は午前中に六本木の国立新美術館に行ってきました!
六本木から赤坂は、ちいばすが通っているので、歩きが大変な時はバスを使うのも一つの手。

現在、国立新美術館では「ルーブル美術館展 愛を描く」をやっています(~6/12)。
以前行った時は、メトロポリタン美術館展のとき。

美術館といっても現代美術館の雰囲気で、ミュージアムショップや空間設計に力を入れていると感じるところです。

今回は無料配布物にも力を入れていて、わかりやすい言葉で有名絵画を解説していました。
こういう取り組みが増えると、美術館って敷居が高い…と遠慮してしまっていた方も入りやすいかもしれないですね。

冊子を交互に眺めながら、ルーブル美術館で愛をテーマにしている絵画がずらっと並んでいるのを見ると壮観です。

ギリシャのエロス、アモレから、キリスト教の自己犠牲による愛、家族愛に変遷。
ルネサンスを経て日常風景にフォーカスされるようになり、ロマン主義でエロティズムになっていく。

ひとつのテーマだけでもこれだけ変化があるのが面白いと思いました。

特に気に入った絵画は以下の2つ。

フランソワ・ブージェ《アモルの標的》1758年
アモルを表す羽や矢、月桂冠、心臓などモチーフをこれでもかと散りばめられていて、アモルってどんな存在?というのを端的に示していると感じました。

アリ・ジェフェール《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》1855年
ダンテの『神曲』地獄編第5歌にある場面です。
実際に手元にあったので読んでみたのですが、空に登るなどの描写はなかったので、画家の想像で奥行きを出しているのでしょうか。
愛のテーマの通り、この場面も愛が多く出てきます。


ポストカードも4枚購入して、ミュージアムショップへ!
美術館のミュージアムショップは、展覧会のテーマに関する本も並べられていて、本屋さんにはなかなかないレアな本も多いです。

国立新美術館も例にもれず…というか、もう初めて見る本もたくさん!
選書にも力を入れていると感じます。

その気合に引っ張られて、1冊購入。
なぜか西洋美術関連ではなく、書に関する本にしました。
(美術関連はよく見る本が多くて、大体似たようなもの持ってるから…)

国立新美術館のB1Fには、またミュージアムショップと併設カフェがあります。
ここはアーティストのグッズも多くて、1点ものを買いたいときにぴったり。


そうこうしているうちに、15時が近づいてきました。
六本木ですが、赤坂方面に行くには乃木坂を通っていく必要があります。

乃木坂駅の地下を通り、迷いながらなんとかちいばすのバス停へ。
待ち時間では読書をしていました。
いい天気で太陽光も強くないので、外での読書が気持ちいい時期になりましたね。

そのまま赤坂六丁目まで行って、5分ほど歩きます。

「双子のライオン堂」は普通のアパートの1階にあって、入り口が変わっています。

なんと青い扉!本をイメージしているとのこと。
取っ手がないので本を開くように入ります。

中は所せましと本がびっしり並んでいて、人ひとりがようやく通れるぐらいの通路。

スリッパに履き替えるタイプの本屋さんでしたので、脱ぎやすい靴がおすすめです(ブーツで行ってしまった人…)。

所せましと言っても古本屋さんみたいな暗さではなくて、陽だまりのような光です。

ジャンルで分けるというよりは著者で分けている印象。
哲学、文学、海外小説、図書館や書物、本のエッセイ…が多かったです。

デザインや美術系は少なめでしたが、哲学やエッセイが好きな方はわくわくすると思います。

私は図書館や書物がテーマになっている本に惹かれて、1冊購入。
最近このテーマにハマっているので、ちょくちょく集めています。

アパートの1室ぐらいの広さだったのに、1時間は居座りました。
さすが100年先も残せる本、を選書基準にされている本屋さん。


【今回の戦利品】

古賀弘幸『文字と書の消息ー落書きから漢字までの文化誌』2017年 工作舎(国立新美術館)
同時期に書道展も開かれていて、筆や墨とともに書に関する本が置かれていました。
その中で一番気になった本です。
表紙もあえて染みを入れていたり、こだわりが見えました。
今までに読んだことのない内容っぽいので楽しみです。

八木福次郎『古本屋の手帖』平凡社 2008年(「双子のライオン堂」)
古本屋の街、神保町の歴史を見てきた八木さんの本です。
神保町での人と本のかかわりを知りたいなと思って買いました。

【おまけ】
バスの中でお世話になった本

・高宮利幸『西洋書物史への扉』2023年 岩波書店
高宮さんは書物史に関する本で時々見かけていたのですが、単行本ばかりで高くて手が出せていませんでした。
そんな方が岩波書店で入門書を書かれたということで、行きつけの本屋さんで即購入。
権威ならではの経験談も含まれていて、一気読みしました。
(最後がちょっととっつきにくさはあったけど、最初はわくわくしました)


港区というと、おいしいお店やおしゃれなファッションを楽しむところというイメージが強いかもしれません。
だけどこんな楽しみ方があるんだと感じていただけると嬉しいです!