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UIとはコストである?

よもやま話から。

先日、新横浜駅で新幹線ホームに居たら、ドクターイエローがやって来ました。

ドクターイエローの正式名称は「新幹線電気軌道総合試験車」といい、「見ると幸せになれる」という都市伝説もあるそうです。

そんなことで幸せになるのか、そもそも幸せって何、とか突っ込む方も居ると思いますが、縁起物とはそういうものだし、珍しいものを見ると単純に嬉しいものです。

Chat-GPTにドクターイエローについて尋ねると、通常の運行速度を大幅に上回る速度で走行することができるとの記述があります。
これは本当でしょうか?

通常より速度を上げることで得られるデータがあり、試験には有用なことはあるかも知れませんね。

その後、仕事で六本木ヒルズに行ったら、ドラえもんがたくさん居ました。

テレビ朝日がやっているイベントのようですが、幸せになるとは、このことだったんだ…
はい、ドラえもんがたくさん見られて、嬉しいです。

それにしても、新幹線とドラえもんは偉大ですね。これは間違いない。


「UIとはコストである?」

前回のブログで、旅行というUXのための手段として列車というUIがあると述べました。

列車等の交通機関を利用する時には、運賃を支払います。
駅まで移動するという労力が発生します。
お金も労力もコストです。

UXというベネフィットを得るためのコストが、必ずUIで発生するということを認識しておく必要があります。
これはUXとUIを考える上で、とても重要な概念です。

スマホを手にして、画面をタッチしたり、スワイプすることも労力であり、コストが発生しているのです。

あまり意識しないかも知れませんが、脳も使っています。
ここで明確に意識する状態…やたらと多くの操作が必要でイライラする、わかりづらくていろいろ考えてイライラする、とかになると、かなりの高コストだと言えます。

スマホを手にする労力、指を動かす労力は、無視して良いかと思います。
脳への負担が大きなコストであり、このコストをいかに少なくするかがポイントになります。

人間は、直感的に考える場合は脳への負荷が少なく、低コストとなります。
しかし、じっくり考えることは脳への負荷が大きくなり、脳が疲れるため、高コストとなります。
そもそも人間は、じっくり考えることを嫌がり、直感的に考えて解を出したがるのです。

…なんて話していますが、これは行動経済学の根底になる理論であり、僕は「ファスト&スロー(ダニエル・カーネマン著)」という本を、ずいぶん前ですが、読んで知りました。

行動経済学には、認知バイアスをはじめいくつかの概念が出てきますが、脳には直感的に早く処理するシステムと、論理的にゆっくり処理するシステムがあり、論理的に処理するのは疲れるので、ついつい直感的に処理をしてエラーが起こるという理論が、ベースにあります。

ここで大事なのは、論理的にゆっくり考えれば分かることであっても疲れるので、人は嫌がるものだということです。
考えさせることが高コストになるということです。

やたらと操作が多いとか、どうすれば良いか分かりにくいとか、要するに脳を使うことになるUI、じっくり考えなければならないUIは高コストだということです。

UXは主観ですから、UIで脳を使い、精神的に苦痛であるという高いコストを払えば、UXが悪くなることは必然です。

脳への負荷を極力減らすようにUIを考えてくださいと言いたいのであって、行動経済学を学んでくださいとは言いませんが、行動経済学はデザインにおいて重要な概念であり、UXとUIを仕事として取り扱う方は、学んでおいた方が良いかと思います。

UXというベネフィットを得るためのコストが、UIで発生すると述べましたが、UXがベネフィットで、UIがコストですから、コストに見合った価値、コストを上回る価値を得られれば、ユーザーは満足します。

ベネフィット > コスト = Good UX
ベネフィット < コスト = Bad UX

UIのコストを小さくするほど、ベネフィットの方が大きくなるので、少しでもUIのコストを下げることが、良いUIになると考えてください。

電車に乗ることを例にすると、昔は路線図を見て、金額を確認して、発券機で切符を買って、電車に乗っていました。
まあまあ脳を使っていますよね。

現在は、交通系ICカードやスマホをかざすだけ、脳の労力は減り、かつ、お金をリアルに使っている感じも少ない、うまく設計されたUIであり、良いUXですよね。
あっ、お金を使っている感じがしないのは、危ないUIかも知れません(笑)。

あと、デザインとは別に、人をイライラさせる要素があります。

システムのパフォーマンスが悪い時です。
操作してすぐに反応がない、待たされるようだとイライラしますよね。
システムの品質が悪くて固まってしまったら話になりません。
このあたりのUIのコストは主にエンジニアの管轄です。

さて、前回のブログで、UXとは何か、UIとUXの関係について話をしました。
そして、今回、UIはコストであるという話をしました。

とは言っても、僕はエンジニアなので、UXやデザインについては、いろんなデザイナと話をしてインプットされたことがベースとなって形成された考えです。デザイナの域には程遠いスキルです。

でも、デザインがいかに大事かということは早い段階で分かりました。
なので、デザイナと組まないといけないと思ったのです。

デザイナを探し、デザイン会社を探して訪ねてみたりしながら、今のようなデザインエンジニアリングの形になっていった過程について、次回、話をしたいと思います。


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