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国連事務次長・中満泉さんと考える私たちの暮らしがつくる「平和な世界」

先日、国連事務次長・中満泉さんと考える「私たちの暮らしがつくる『平和な世界』」に参加しました。中満氏は、軍縮問題担当上級代表で軍縮部門のトップを務めておられます。オンラインセッションでは主に、核軍縮について述べられ、様々な大学生の疑問に答えられました。
以下、オンラインセッションの内容をQ&A方式で引用させていただきます。

Q核を減らす意義とはなにか?
核兵器は小さなもの一つ使われるだけで、反撃のためにまた核兵器が使われ、核は環境破壊や人類の生存を脅かしてしまいます。
軍備を増強することに、安全保障を守る力がないことは歴史を見れば明らかであり、核兵器を減らし、「信頼」による安全、安心を広げていくことこそ、安全保障にいい影響があるということを共通認識にしていくことであると説明しました。

Q核兵器禁止条約の日本の批准に関して
核兵器禁止条約に入ることが目標ではなく、核を廃絶するために必要なことは何かを考えていくことが大切であると述べました。日本には何ができるのかを市民レベルで議論し、考えていくことが、世論形成につながると言及しました。

Qすべての国が核兵器を手放すのは無理ではないのかという感覚があるがこれについてどう思うか
「核の数は着実に減ってきている。できないことではない。人権問題、気候変動と同じく、努力して常にモチベーションを保ちながら、諦めないことが大切である、と答えました。また、最近の日本の若者は何をやっても世の中は変わらないと諦める傾向があることに言及し、「なんでもいいから、何か興味を持っていることを自分の問題として捉え、行動していくこと。そうすることで世の中は変わっていく。今までもそういうふうに変わってきた」と語りました。

Q新型コロナに関連する問題について
「感染症は皆の安全が確保されて初めて自分の安全があり、全ての国民がワクチンにアクセスできる状態でないと収束しない。残念ながらそうはなっておらず、ワクチンナショナリズム(ワクチンの開発競争{安全性への問題が懸念}や世界的な争奪戦)のような考えができてきている。」とし、自らの利益を守るために『国際協力』が必要であると述べました。

Q日本でのジェンダー差別に関して
差別と言われなければ差別と気付けない現状に対する対策について聞かれ、会議の参加者の90%が男性を占め、書類を持ってくるのは女性であるという、日本でよくある日常は、(海外に居住する者としては)かなり異常であり、ジェンダー問題に限らず、差別に気づいたなら声をあげていくことが大切であると語りました。最近では、ヘイトスピーチなどの差別、ジェンダー、LGBTなどの差別は日本の社会でも、問題視されるようになってきました。これに対し、「争いの火種を小さいうちに摘み取ることが大切。社会に対する怒りがホロコーストのような残虐的な行為を生み出す」として、危機感を示しました。

Qマジョリティーのための民主主義になってしまっている日本に必要なこと
身近な問題に気づいたのであれば必ず声を上げていくことであり、その声を拾い上げられるように、政府の中にも多様なバックグランドを持っている人が入っていくことが必要であると述べました。自分にとって一番身近な問題な問題に目を向け、行動を起こしていくことで、大きな問題の解決につながると語りました。
また、持続的な平和をつくるために必要なことの一つとして、様々な問題に対しての政治家の立場を知り、自分に近い意見を持っている人は誰なのかを明確にした上で投票することが大切だと述べました。

【感想】
軍縮の最前線で活躍されている中満さん。決して諦めずに様々な困難を乗り越えながら、問題に立ち向かう姿にとても鼓舞されました。軍縮というと、とても大きな問題のように感じてしまいますが、周りの人と議論し、相反する意見を持つ人に対しても耳を傾け、理解することが対立の緩和につながるとおっしゃっていて、私も価値的な対話をするように心がけようと思いました。選挙に関しても、もう少し党の諸問題についての立場を知ったうえで選挙活動に参加していこうと思いました。

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