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《16》ユーグレナの事例

業界別のSDGs事例紹介。

今回はミドリムシで世界を変えるチャレンジをされている「㈱ユーグレナ」の事例をお伝えします。

https://www.euglena.jp/

 
 代表の出雲充氏は、大学時代にアジア最貧国の一つであるバングラデシュを訪れ、栄養失調で苦しむ子供たちを目の当たりにし、栄養豊富な食材の存在を求め、生物学を学びました。

 そして見つけたミドリムシ(栄養豊富な藻類であるユーグレナ)の研究に関わり、食品化、大規模培養プラントの建設による二酸化炭素固定及びバイオ燃料等の製造を通して問題解決の一助を担いたいという思いで2005年に創業しました。

 事業の柱としては、ヘルスケア、環境・エネルギー、ソーシャルビジネスなどがあります。

 ヘルスケア事業では、ユーグレナやクロレラ、カラハリスイカなどを使用した食品、化粧品の製造、販売を行い、主にゴール3の健康増進に貢献されています。
環境・エネルギー事業では、バイオ燃料(※)技術開発、環境関連技術開発を行い、自動車・バス、船、更には航空機までバイオ燃料を導入し、ゴール7、13を軸としたカーボンニュートラルな社会への貢献を宣言されています。
ソーシャルビジネスでは、14年から売り上げの一部を使い、豊富な栄養素を持つユーグレナ入りクッキーをバングラデシュの子どもたちに無償で配布。配布する1食分のクッキー6枚で子どもたちに特に不足している栄養素1日分を提供し、貧困・飢餓をなくすゴール1、2に貢献されています。
 
 更に、会社経営を行う中で「未来を生きる当事者たちが議論に参加していないのはおかしい」という思いから、CFO(最高未来責任者)という18
歳以下の新たな役職への人材を公募して経営に参画してもらう
という前代未聞のプロジェクトが始動しました。
選考時点では年齢も性別も名前も住所も見ず、SDGsを題材とした地球の未来への思いとそのために起こしたいと考えているアクションの内容だけを見て判断し、初代CFOには高校2年生の女性が就任。同じく18歳以下のメンバーで構成されるユーグレナフューチャーサミットのメンバーと共に議論を重ねた結果、「21年までに商品に使用される石油由来プラスチック使用量の50%削減に挑戦する」という目標に合意し、既存ペットボトル商品の全廃と、一部商品におけるプラスチックストローの有無を消費者が選択できるようにする施策の実行を決定しました。
 
 「サステナビリティ・ファースト」をフィロソフィー(哲学)として掲げ、先進的な事例を次々と繰り出すユーグレナ社の挑戦はこれからも続いていきます。
 
 (※注釈)バイオ燃料・・・再生可能な生物資源(バイオマス)を原料にした代替燃料のこと。


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