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【vol.23】障害は人ではなく環境にある~ユニバーサルマナー検定受講記~つづき (2級)

前回に引き続き、”ユニバーサルマナー検定”の受講記です!

~本日は「2級」について~

※前回に引き続き、ミライロさんに倣い、「障害者」と表記することにします。

2級は3級よりさらに深い知識を学びつつ、実技もいろいろと体験しました。


まず、知識を身につけよう

まずはテキストを使いながらの知識の習得です。

●肢体不自由
●視覚障害
●聴覚言語障害
●内部障害
●精神障害
●知的障害
●高齢者

それぞれの特徴や対応について学びました。


☆それぞれの障害のある方とのコミュニケーションについて、特に印象に残ったポイント

◆肢体が不自由な方
例えば名前を書いてもらうときの対応。
紙を押さえたり道具を交換したりというサポートもあるが、こちらの憶測で提案するのではなく、「普段はどのようにされていますか?」と、相手が慣れていてやりやすい方法をまず聞くという声かけが大切。そして、相手が焦らずにすむように声かけをして見守る。

◆視覚障害の方
視覚障害には視力障害と視野障害、さらにその見え方にも様々な種類がある。
やはり一番困るのは「情報不足」であること。
例えば、道を歩いていて信号が渡れるかどうかを判断するとき、雨の日だったりすると音も聞こえにくく困ることがある。そこで「いま渡れますよ」という声かけがサポートになる。
また、椅子への案内をするとき、その椅子がどういう形状なのか、周りに人はいるのか、テーブルとどのぐらいの距離があるのか、など詳細に伝えながら、実際に椅子に触ってもらった上で着席できるようにサポートすることも配慮になる。

◆聴覚言語障害の方
手話ができたらベストではあるが、前回の記事にも書いたように、当事者の方も手話ができない方は相当数おられる。
そこで、ジェスチャーを用いながら口をはっきりと動かして(一文字ずつ区切るのではなく、意味で区切る)話す。また、筆談や空書きも効果的に使う。
大切なのは、伝え方にこだわりすぎず、伝えたい気持ちを行動に移すこと。

◆内部障害の方
内部障害は外見からでは気付きづらいことがある。サポートとしては、例えばオストメイト対応のトイレの場所を普段から意識して知っておくと、いざというときに案内できる。
「もし」「かも」の視点で想像することが最初の配慮。

◆精神障害の方
症状に波があることを前提として知っておく。接するときは自分も一緒に不安に思わずに、穏やかな表情で安心できる雰囲気づくりを。

◆知的障害の方
物事を考えたり社会生活への適応が難しいことがある。物事を訪ねるときはざっくりではなく具体的な聞き方をする、もし間違ったことをされていたら否定するのではなく、どうしたらよいか、次の行動を伝える。その際、「やさしく・わかりやすく・ていねいに」を心がける。

◆高齢の方
例えば、電車で席を譲るとき。「どうぞお掛けください」と押し付けるのではなく、「よろしければお掛けになりますか?」というように選択肢を与える。もし断られても、「わかりました。お掛けになるときはいつでも言ってください」と言える余裕を持つ。
何をするにおいても、こちらから無理強いするのではなく、まずは本人自身がされることを見守るというスタンスを取ることが大切。


このような形で、「相手の立場や気持ちを考えた対応の仕方」を学ぶことができました。

特に精神・知的障害者、そして高齢者には私が普段、司法書士として行っている「成年後見業務」や「相続手続き」などで関わる機会が多いため、改めて参考になり、これからさらに意識しながら実践していきたいと思えました。

また、この記事を書いていてふと思い出しましが、昔、視覚障害のある高齢の方から相続手続きのご依頼を受けたことがあります。

そのときは視覚障害に対する知識など全く無かったのですが、なるべく笑顔で明るく声かけをしながら、その方と接するようにしていました。すると、「私は目が見えないけど、あなたの明るい雰囲気が伝わるし、こっちも元気になるから一緒にいて心地良い」と言っていただいたことがあり、僕自身もとても嬉しく感じたことを思い出しました。

やはり、「知識がないから接し方がわからない、不安だ」という気持ちがあったとしても、それが相手に伝わると相手もますます不安になるでしょう。そこで、こちらは明るく接しながら、「相手が心地よく感じるために自分ができることは何か?」を考え、わからないことは正直にお尋ねしながらコミュニケーションを取ることが大切なんだな、ということを改めて思いました。


次に、実技を体験してみよう

さて、知識を習得した後はいよいよ「実技」です。
(座学だけでは実感できないことも多いので、これがやってみたかった!)

実技では、さまざまな障害の状態を体験できる機会がありましたので、特に印象に残ったものをご紹介します。

「高齢で身体が弱った状態を体験してみよう」
視界が狭くなるゴーグル、聴力が下がるヘッドフォンをつけ、さらに腰と足の辺りに重りを巻いて、杖をついて歩くということをしました。ほんの数歩、歩いただけでひどく疲れを感じましたし、特に階段の上り下りは本当に恐いと感じました。(手すりの大切さがわかった!)
障害がもしなくても、歳を取って体力が衰えるだけでこんなにも普段の生活や歩行が大変になるということを実感できました。

「耳が聞こえない状態を体験してみよう」
口の動きだけで相手の言っていることを読み取るのはなかなか困難でした。ただ、ジェスチャーを入れながらゆっくりと口を動かしてもらえると、主な内容は理解できました。
私が成年後見人をしている方も耳が聞こえにくい方が何名かおられるので、筆談なども交えながら注意して接していけたらと思います。

「車椅子を使ってみよう」
本格的に使ったのは初めてでした。(数年前に祖父と旅行に行った際に少し押したことがある程度です)
そもそもの開き方・閉じ方から始め、その後に実際に乗ってみました。教室を一周回ったのですが、ハンドリムを回す方向が反対になったりしてなかなかカーブがうまく回れなかったりしました。また、狭いスペースがあると「ここ通れるかな」と不安になり、それだけでストレスを感じました。
車椅子で移動する方の気持ちが(まだまだ少しだけですが)わかりましたし、余裕のあるスペースを確保しておかないと本当に不便である、ということに気付くことができました。

「目が見えない状態を体験してみよう」
ペアの腕をつかんで前を誘導してもらいながら、白い杖をついてコースを歩きました。
歩行誘導してもらっているとはいえ、行く先が全く見えないというのはやはり恐怖を感じました。ただ、誘導してもらう方の声かけで幾分か安心できる部分はありましたので、声かけの重要性に気付けました。また、杖を使って足元の少し前に障害物などがないかを探れること、これもどれだけ大切かということにも気付かせてもらいました。
普段はあまり意識することがなかったですが、点字ブロックの大切さにも気付けましたし、貴重な経験になりました。


最後に、全体のまとめ

障害のある方、高齢の方を目の前にすると、ついつい肩肘を張ってしまいがちです。

でも、「さりげない配慮」ができることがとても大切。押し付けではなく、「選択肢を与える」こと。

そして、相手に対して「これできますか?できませんか?」と相手のできるorできないを聞くのではなく、「何かお手伝いできることはありますか?」(これが大切なキーワード!!)と「自分自身に何かできることはないか?」を聞くことが大切。

もし、自分が生活している中で困っていそうな人を見かけたときに、どうしてもサポートをためらうことはあると思います。
でも、そこは迷わずに素直に行動すること。(こちらがためらって不安になっていると相手にもそれが伝わる!)

そしてその際、100点満点のサポートを目指さないこと。

また、もしサポートを断られたとしても、「少し離れて見守る」という心の広さを持つこと。


「できることを・できる範囲で・できるだけ」

心に刻んで、普段の仕事や生活に活かしていきたいと思います。

以上、”ユニバーサルマナー検定2級”のレポートでした!


あ、SDGsのことを最後に少しだけ。

一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会さんがこの検定を多くの人に受講してもらい、実現したいと考えられている社会は以下のような社会とのことです。

●自分とは違う誰かのことを考えられる社会
●困っている人がいたら行動し、助け合える社会
●皆が安心して、心から楽しく過ごせる社会

これってまさにSDGsの

誰ひとり取り残さない
●「自分さえ良ければそれでいい」とか「自分には関係ないをなくす」

こういった理念にも通ずるものだな~ と思いました。

まずは自分が実践することで、ミライロさんの引き続きの活動を応援させていただけたらな、と思います。


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