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《5》建設業界の事例(三承工業)

今回は、「建設業界」の事例をお伝えします。

今回ご紹介するのは岐阜県岐阜市に本社を置く三承工業株式会社という従業員約50名(2019年10月現在)の中小企業です。

前回ご紹介した株式会社大川印刷と同様、第2回ジャパンSDGsアワードの「SDGsパートナーシップ賞」を受賞されています。


同社は経営理念に「全ての皆様に感謝の心で愛情と想いやりのある人・物創り」を掲げ、新築注文住宅を提供する建築事業を中心に、外構事業、メンテナンス事業など多角化を図られています。

SDGsへの取り組みに向けては、「あらゆるパートナーと連携して社会課題を解決し、新たな価値を生み出す」というビジネスモデルを展開。

例えば、外国籍、母子家庭、低所得者、高齢者などの家を買うことをあきらめ、自己肯定感が低下している人たちが多いという地域の課題がある中で、各種企業、デザイナー、行政などあらゆるパートナーと連携し、780万円で住宅が買える「SUNSHOW夢ハウス」というブランドを立ち上げられました。

その結果、マイホームを手に入れ、自己肯定感が高まる人が地域に増え、特に外国籍の方からの満足度が大変高まっているようです。さらに、これまでの家賃よりも住宅ローンの支払いが抑えられることで、その差額を子どもの教育やスポーツ、家族での幸せな時間に使うことができるようになり、未来に希望が持てる人の増加にも寄与されています。

また、女性活躍の機会の創出のために、「クレドホーム」という女性だけの工務店の展開をはじめとする積極的な女性管理職の採用、子育てママの採用などを行い、グループ全体の女性比率は建設業界の平均である13%を大きく上回る50%を達成されています。

さらに興味深いのはSDGsを取り入れるまでの歴史です。

2013年から「風土改革」としてノー残業デーやカンガルー出勤(子連れ出社)の導入を開始。そして、2015年からは「働き方改革」として就業規則の見直し、インターンシップの開始、「チーム夢子(※)」の結成。

このように、いきなり社外に向けて発信を行うのではなく、まずは社内を見つめ直し、土台をしっかりと築かれてきたことが2018年からのSDGs導入をスムーズに進め、現在も幅広く展開を続けられている要因でしょう。

※チーム夢子
女性スタッフ・男性スタッフの奥さん・取引先の奥さんなど、女性だけで構成されるチーム。女性独自の視点で社内の設備や制度を見直し、次々と改革を進めていった。


社会課題を解決することはビジネスにもなるし、人の役にも立つし、地域のためにもなるし、まさに『三方よし』になっています」。

2019年4月に私が同社の社長にインタビューした際、このように話されていたのが大変印象的でした。


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