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Vol.43 「あの人の 為に世界が 滅んでも いいと誓った 君に惹かれて」

「おおっ、今回は冒頭から短歌っぽい」…という伝わりにくいボケ!?はさておき、映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」を観てきた…というお話です。
※ちなみに「~前章」については、この連載で以前(Vol.34)取り上げたことがあります。

ざっとしたあらすじは…
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
突如として東京上空に現れた謎の大型宇宙船に、攻撃を加える米軍…
…そして三年後、頭上に宇宙船が浮かんだままの東京では、高校三年生のおとなしい性格な小山門出と、中二病気質全開の中川鳳蘭が友達たちと学校生活を満喫しているのだが…

※下記、『前章』の予告編(30秒)↓

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』
高校を卒業し、友人たちと同じ駿米大学に通い始めた小山門出と中川鳳蘭。そんな彼女たちの前に、 ” 8.31 ” こと大型宇宙船襲来時、事故の巻き添えで死亡したアイドル ” 大場圭太 ” そっくりの青年が姿を現す。
そんな一方、東京上空の大型宇宙船からは、大きな煙が吹きあがる様になり…

※下記、『後章』の予告編(30秒)↓

先に、残念に感じた点を挙げると「~前章」では『活き活きとしたキャラクター達が、お話を転がしていく』という印象を受けたのに、「~後章」では『お話を転がすために、キャラクターが消費される』という印象を受けたことです。
キャラクターによっては必要な役割を終えた途端、割と雑な退場を強いられた様にも感じ、まるで語り手の都合が透けて見える様で、もったいなく思いました。

更に言えば「~前章」では、劇中劇ならぬ劇中コミック( ” ドラえもん ” のパロディ)「イソベやん」と、物語の本筋との ” 共鳴 ” が見られたのに対して、「~後章」では、そういった描写が全くといっていいほど見受けられず、そこも残念に思いました。

更に、更に言えば、語るべき要素が多すぎたのか、「~後章」だけを見た場合 かなり駆け足的な印象も受けました。
私の友人(注1)などは「2部作ではなく3部作にして、キャラクターの掘り下げ、内面の描きこみをすれば」…と語っていましたし、逆に言えば「もう少し語る要素を絞り込む」という選択肢が、あったのかもしれません。

しかし、全編通じて描こうとしている「この人を救う為なら、例え世界が…」的な ” お話の本筋 ” は熱くて良かったですし、「救った側が ” 原罪 ” を背負ってまで ” 救うという行為 ” に及んだ事実」を知らずにいる、 ” 救われた側 ” が返すセリフも良かったです。
また「 ” 原罪 ” を背負ってまで行った選択」が、他の ” とあるキャラクター ” の関心を誘い 心惹かれた事で訪れる「ほろ苦さを伴った、予想外の着地」という結末も良かったです。

まぁ、なんだかんだ不満点も書き散らかしましたが、一見の価値や魅力がある作品ですので「~前章」「~後章」併せての鑑賞をおすすめ致します!!

では、今週も締めの吃音短歌(注3)を…

こわばって 喋れず焦って 目が覚めて 「なんだ、夢でも 同じじゃないか!」

※せめて夢の中ぐらいスラスラ喋ってみたいものです(笑)

【注釈】

注1)私の友人

TBSラジオ「アフター6ジャンクション2(注2)」の ” 名物リスナー ” の一人、 ” 紙○○○○○○○さん ” の事だとは言ってませんよ(笑)

注2)アフター6ジャンクション2

TBSラジオで月~木曜日の22時~23時55分に放送されている「カルチャー・キュレーション番組」略称は「アトロク2」。

注3)吃音短歌

筆者のハンディキャップでもある、吃音{きつおん}(注4)を題材にして詠んだ短歌。
この中では『「吃音」「どもり」の単語は使用しない』という自分ルールを適用中。

注4)吃音(きつおん)

かつては「吃り(どもり)」とも呼ばれた発話障害の一種。症状としては連発、伸発、難発があり、日本国内では人口の1%程度が吃音とのこと。

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