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子どもに鍵を渡すストーリーテラー

Scuola dei BambiniのAsakaです
9月から国際モンテッソーリ教会(AMI)6−12歳のディプロマ取得に向けて、オランダのデルフトにてトレーニングコースに通っています。
今日は4ヶ月間の学びの感想をまとめてみました。

4ヶ月の感想を一言で表すなら
「想像以上」でした。

この想像以上は、いろんな解釈ができますが、
ポジティブな想像以上です。

知識を学ぶ以上のマインド、「大人のあり方」を
トレーナー、クラスメイトから、一番年下で一番理解できていなさそうな日本人がオランダで学ばせてもらっています。

何が想像以上だったか。
英語で学ぶことの大変さはさておき、

①新しい学びと発見は、自分がまるで子どもの頃に戻ったように面白いし、ワクワクします。

②ウクライナ、アフリカをはじめ、世界中から集まった仲間たちと学び合い、語り合える日々は、それぞれの小学校の学びを垣間見れてとても面白いです。

③一方で、24年間で作られた知識と経験は、無駄じゃない一方で頑固なものでした。

英語の単語を日本語に変換してみると、
え、、、こんなの小学校で習ったっけ? の連続。

「なんでそうなるんだろう?」という疑問に対して、
一度テクニックを覚えてしまった私は、
・暗記
・テクニック

の二つから抜け出せない脳みそになってました。笑

この脳みそのまま、学んだプレゼンテーション(提示)を自分の教科書代わりに書き上げようとして起こった現象が、

「トレーナーが言った言葉は私は全部理解してないとダメだ。」

その結果、幸いなことに録画されていたレッスンの動画を食い入るように見てました。
文字起こしレベルです。笑
時間もかかる上に、膨大な枚数のレポートが。。。


なんとか期限に間に合わせて提出するものの、
今度襲いかかってくるのは、
「このレポートで果たして大丈夫なのだろうか?」
と正解が気になる病。(The日本人)


そんな気持ちで負けてられないと思いながら2ヶ月経過。

11月にトレーナーと1 on 1の時間での出来事。
「相談する」ということがこの上なく苦手な私に、トレーナーは

「アルバムの内容は問題ないけど、困っているなら私があなたの助けになるために何ができる?」

聞いてくれました。
(一切の否定が無い本当に優しくて、パワフルでこんな大人になりたいと思わせてくれるトレーナーです)

思い切って、
「アルバムを書くのにいつも困ってる。何をどれだけ書いたらいいかわからない」
と質問してみました。

彼女の答えは、頭の中ではわかっていたつもりでも、
レポートを完璧に仕上げなきゃいけないというマインドになっていた私には、抜けていたところでした。

第一に、

・マリアモンテッソーリ自身が世界中で講義をしていた時は、ほとんど教具のプレゼンのレッスンはなかったこと。
・たまにプレゼンレッスンをしても、2度と同じものは見れないこと。

当時の講義期間は今よりも短く、理論が中心だったようです。
そして、モンテッソーリのトレーニングは教科書が一切ないため、これまでずっと伝言リレーのように語り継がれています。

その上で、

「ここには様々なエリア(教科)のたくさんの教具があって、これらの教具を使いながら私たちはプレゼンテーションをするし、子どもたちは自分たちで学んでいく。
想像力がある小学生の子どもたちにとって知識を得ていくにはとても良い時期だし、そのためには私たち大人はたくさんの知識を理解していないといけない。その知識を使って、子どもたちのストーリーテラーとなるの

家に帰って、お母さんが子どもに対して   
「今日は何をしたの?」と聞くとするじゃない。
子どもが学んだことを答えて、  
「どうやって学んだの?〇〇先生?」と聞いた時に、  
「違うよ、自分で発見したんだよ」
って子どもが自信を持って言えたら嬉しいことだよね。
実際は、大人がプレゼンをしたのがきっかけかもしれないけど、大事なのは、子どもがもっと知りたい、学びたいという欲求を持って学んでいくこと、それによって自信をつけていくことなの。

だから、全部教えなくていい。
ただ、子どもをよく観察して、彼らが何に興味をもってるかな。集中できないのはなぜだろうと客観的に考察するの。
そして、ストーリーテリングを通じて鍵を渡すの。」


トレーナーから熱量マックスのプレゼンでこの話を聞いたら、
アルバムを作る以前に、私がどうあるべきかを問われているような気分でした。


大人は子どもよりも過ごしている時間は長いから、何でも知っていなきゃいけない。
よりも、
子ども自身が何に興味を持っているかなんて、目の前の子どもと向き合わない限りわからないんだから、
子どもをよく観察して、
開けたくなる扉を目の前に用意したら、後は鍵を渡すだけ。


だから、アルバムに正解なんてなかったんです。
一つ言えるとしたら、一つ一つの目的が抑えられているかくらいで。

さらに、私がこの世の全てを知ることは不可能だし、多分子どもと同様に興味関心だって分かれる。
扉を開いた先に、自由に探究することができる人、環境、社会こそが
お金では買えないけど、何よりも重要なものなんだと改めて実感しました。

今ではアルバム作りでわからないことがあった時には、たくさんのことを教えてくれる日本中の皆さんに本当に感謝です

4か月の備忘録が長くなりましたが、

だからこそ、今回のクラウドファンディングは、
設立メンバーだけでは狭すぎる社会を広げるべく
目標300通り以上の人生が、無限の可能性を持っている子どもたちの成長をサポートしている。
きっと、子どもたちにとっては安心できる環境の中で想像力を使い、存分に探究できる社会になっていくと信じています。






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