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佐川町立図書館「学び合いのサイクル」

佐川町立図書館は、コンセプトや基本計画をつくるためのリサーチや町民ワークショップなどを実施してきました<記事>。そこで出た様々な意見や想いが吟味され、5つの運営基本方針となりました。

① 一人ひとりが心地よく自由に情報・知識に触れられる環境を保証します
② 「学び合いのサイクル」の中心として、町内外におけるネットワークを広げていきます
③ 佐川ならではの地域資源を生かす蔵書と情報環境を実現します
④ 誰にでも開かれた場として、利用に困難のある方々の個々の事情に配慮します
⑤ 町民と協働して運営していく場とします

佐川町新文化拠点運営基本計画」より

このなかの「学び合いのサイクル」というコンセプト。これまで「学ぶ」という言葉からイメージされがちであった「教わる・教える」という一方的な関係性だけではなく、人との関わりによって育まれる双方向の「学び」から広がるネットワーク、その循環の中心を担えるような図書館を目指しています。とのこと。

佐川町周辺の文化資源は豊かで、一次情報にふれる機会がたくさんあります。そこでみつけたことを、すぐに図書館で調べてみたり、図書館で学んだことをフィールドに飛び出して体験してみたり。

そして周辺には様々な団体や機関があり、連携によって学びの機会を広げていくことができると思います。植物について詳しいのは牧野公園ボランティア「はなもりC-LOVE」や「高知県立牧野植物園」。歴史については「青山文庫」や佐川町の歴史文化を継承している「くろがねの会」。地球については「佐川地質館」や「横倉山自然の森博物館」。ものづくりなら「さかわ発明ラボ」。そして地域のことなら「集落活動センター」などなど。

デジタルツールの活用も含めた情報環境の整備があるというのも新図書館の大きな特徴です。佐川町にある文化資源をデジタル化(デジタルアーカイブ)していくプロジェクトも実施される予定です。デジタルアーカイブやデータベースなどのオンラインリソースを通じて、情報を検索したり研究したり共有したり。場所や時間を飛び越えて交流したりできるかもしれません。

「学び合いスタジオ」のイメージ図

学び方はさまざま。一人でじっくり学ぶ。本を通して学ぶ、人との対話から学ぶ、なにかをつくって学ぶ、町や自然の中から学ぶ。「さくと」にはそんな自己の「学びのサイクル」そして他者を通じての「学び合いのサイクル」が生み出される「学び合いスタジオ」というエリアがあります。町民によるワークショップを実施したり、みんなで町の未来について語り合ったり、地域学習を行ったり、様々な活動の拠点となるスタジオです。子ども大人関係なく、知識だけではなく、発見や楽しさを共有していける場所になったらいいなと。そのための企画や仕掛けをつくっていくのも地域プロジェクトマネージャー大道の挑戦です。

関係図。当たり前のことをコツコツと。

と、ここまで「学び」について書きましたが「学び」なんかなくても、「楽しさと居心地」が一番大事だよね。と個人的には思います。なんとなく来てみるとわくわくする場所。ひとりでも安心して過ごせる場所。自分の住んでいる町にそんな場所があったら。図書館がそんな場所になったら。大師匠、佐伯胖曰く「おもしろくなければ、つまらない!(出典不明)」のだ。


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