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【マンガ感想】知的好奇心をくすぐるマンガ【ヘテロゲニア リンギスティコ】

ヘテロゲニア リンギスティコを読んだので感想を書きます。

知ったきっかけはゆる言語学ラジオです。

こちらの20:10辺りからです。
(このチャンネルも面白いのでおすすめです。)

面白そうだったので買ってみました。
作品はこれです。一応既刊3巻すべて読みました。

怪我をした教授に代わり、魔界でモンスターとの言語的&非言語的コミュニケーションの調査を任されたハカバ君。ガイドのススキと共に魔界を旅をする、新人研究者の苦悩と日常を描いたモンスター研究コメディ!

kindle版商品ページより引用

ざっくり評価
ストーリー★★★☆☆
知的好奇心★★★★★
画力★★★☆☆
マンガ技術★★☆☆☆

かなり辛口ですね。
でも普通に面白かったし読んでいて楽しかったです。
普段と違って知的好奇心という軸を追加しました。
マンガそのものの上手さや凄さと違うところに魅力のある作品だと思ったからです。

ストーリー★★★☆☆

話自体はめちゃめちゃ面白いわけでもありません。
しかし、作品の特性を邪魔しないように事前に設定をしっかり練ってあるように感じました。

この作品では基本的に主人公の言葉は通じません
その時点でかなり異質ですね。

さらに相手の伝えたいことが割と分からないまま日々を過ごしていきます。
これはマンガとしてはかなり異質です。
読者も分からないモヤモヤを抱えることになるので、好みのわかれるところだと思います。
でも、どういったコミュニケーション体系があるのか推理するような描写も入れていて、モヤモヤは若干緩和されていると思います。

実際コミュニケーション体系の全く異なる相手と意思疎通を図ったらこうなりそう、という変なリアリティがあって面白いです。

また、けっこうな多種族が平和的な関係を築いていて、彼らが特に共通言語なく暮らしている感じも独特の世界観があって面白いです。

その世界観も作品の魅力になっていると思います。

知的好奇心★★★★★

知的好奇心をくすぐる良い作品だと思います。

種族によって発声方法が違うために、言語も全く違うモノになっていたりするのが良かったです。
例を挙げてみます。
リザードマン(二足歩行トカゲ)は息を吐くときに発声します。人間と同じですね。
しかし、ワーウルフ(二足歩行狼)は息を吸い込む時に発声します。
また、発声によってコミュニケーションできない種族であれば全く違う方法を取ったりもします。

この時点でどういう過程からそういう体系が生まれたのかとか考え始めるとワクワクしてきます。

さらに、上のストーリーでも触れたように複数の種族がろくにコミュニケーションを取れないままで共存していたりするので、色々と考えさせられます。

なかなか学問っぽく知的好奇心をくすぐるマンガは少ないので新鮮な気持ちで読めました。


画力★★★☆☆

これは可もなく不可もなしという感じです。
画力で魅せるマンガではありません。
そこに期待をしないで読むと良いでしょう。


マンガ技術★☆☆

これに関しては辛口になってしまいますが、4コママンガならぬ1ページマンガとして進んでいきます。
物語を紡いでいくというよりは、1ページずつ短いエピソードがつながっているイメージです。
本来のマンガが出来ることを制限してしまっているので、私はあまり好みではありません。

これだけなら星2くらいかなと思います。

でも仮に普通のスタイルでやってもめちゃめちゃ上手くやらないと、冗長で分からないモヤモヤが増長されそうです。
なのでこの方法もありかなと思いました。
ということで星3にしました。


まとめ

マンガ自体で見ればそこまで上手い・スゴイわけではないですけど、テーマ的な希少性から独自性がしっかりしていて良かったです。

その希少性を活かすようなストーリーで、マンガとしてもそこを消さないような方向性なので良いです。

実際設定を考えると現実の動物とはちょっと違う特性もあったりするんですけど、それも気にならないシッカリした異世界感が良かったです。

知的好奇心をくすぐられるマンガが読みたいときにおススメです。

これと似たマンガに「科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌」があります。
こちらはエッチなのでそういうのが大丈夫な方にお勧めです。
今回の「ヘテロゲニア リンギスティコ」よりもさらにギャグに寄せた作品になっていて、序盤の生態や発生もかなりこじつけ気味です。
でも科学的ななろうっぽい俺ツエ―もあって面白いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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