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【マンガ感想】漢の作画が凝っているえっちなマンガ【王国へ続く道 奴隷剣士の成り上がり英雄譚 6】

なんだかんだ買っている本作6巻のレビューです。

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継承者争い戦、決着! 元奴隷からついに貴族に成り上がった『漢』のロマン譚。コミカライズ第6巻!

kindle版製品ページより引用

ざっくり評価
ストーリー★★★★☆
画力★★★★★
マンガ技術★★★★★

ストーリー★★★★☆

王の御前~総攻撃まで。

第二王子エルディオに加担するエイギルは、大活躍で動乱を終えます。
新しい王の元で爵位を与えれられます。

細かく気になるところはありましたけど、エイギルや新王の自信と信念が分かりやすく描写されていて良かったです。
酒池肉林もエイギルらしくって良いですね。

そこから報奨金で家や家具、その他一式を購入します。

傭兵から貴族になるなら、大きな変化で色々入用になるのは想像できるので、出し惜しみせずに買うのも自然です。
それをノンナに任せるのもエイギルらしいし、信頼感を感じたので良かったです。
女性キャラもポンポンと増えていきましたけど、一応それぞれのキャラクタで役割があって上手く回せていると思います。
使用人も雇って準備完了というところでしょうか。

ブルーノもレンスターの姓と爵位をもらいました。
エイリヒも中央軍の司令官に任命されました。
次への準備が始まります。

ブルーノのシーンがあるのは、客人を招くくらいには屋敷への準備が終わったという描写でしょう。
引っ越しをされた事がある方なら分かるのでは。

御前会議での王の指名からのエイリヒの指摘は格好良かったです。
でも、ちょっと貴族連中が不甲斐なさ過ぎて物足りなかったです。

王宮の使いにエイギルを褒めさせるのは凄く良い。

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著者 伊藤 寿規, 原作 湯水 快「王国へ続く道 奴隷剣士の成り上がり英雄譚 6」(ヒューコミックス, 2021年)108項。

ノンナのお金の使い方を他のキャラクタに突っ込ませたままだったので、それが正しいですよという評価を第三者から示すことで一気に納得感が高まりました。
ウィンザー効果というヤツに似ている効果があったと思います。

エイギルは第一騎兵中隊の隊長を打診されます。
隊長を補佐する人間を探す必要が出来たところにアゴールに出会います。
そして3,000人の中央軍が結成されます。
そこに都合よくアルノード辺境伯謀反!

隊長打診からアゴールはあっさり済ませました。
そして訓練をしっかり1か月やったところで都合よく謀反です。
どうやらロランド伯爵(おじいちゃんの方)が裏で通じているようですね。都合が良い理由をちゃんと考えていそうなので好印象です。

実際の会敵のシーンでも弓兵戦から突撃までの流れも理解しやすく描写されました。
どうして圧倒しているのか納得できるので中々渾身の戦争だったように思います。
描写しているページ数自体も短く弓兵の話だけのエピソードだったのでまだ分かりませんが、軍vs軍の戦いが上手な先生だと感じました

さいごにゴルドニアのレオポルトなる人物が描写されて終了です。
この人以前に登場したことありましたっけ?
割と流し読みしているシリーズなので覚えてません…。
これから出てくるでしょうからその時まで楽しみにしておきます。

ストーリーをなぞっていきましたけど、不自然な点もあまりなくストーリーは非常に良いと思います。
ストーリーとして何に力を入れて描写するかだけでなく、貴族になったらどうだろうとか訓練の成果を示す敵を出すにはどういう展開にすれば都合が良いかなど以外に細かい点にも注意が払われています。

今回は予想を超えてくる展開が無かったので星4にしました。
特に敵に予想を超えてきてほしいのです。
それを見て動揺する主人公たちを見てみたいです。
最後にはさらに上回る主人公たちでカタルシスを感じたいです。


画力★★★★★

なろう系コミカライズではかなり上手な先生です。

特に男性の顔がぶっちぎりで格好良いです。

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著者 伊藤 寿規, 原作 湯水 快「王国へ続く道 奴隷剣士の成り上がり英雄譚 6」(ヒューコミックス, 2021年)13項。

この作品の一番の良い点だと思います。
腕の太さも瞳もたまりませんね。

は描く頻度のわりに難しくて気になる事の多いポイントですが、かなり自然に描けていると思います。
少なくとも魅せゴマで顔と並んでも気にならないくらい描けています。
他のコマでも指は上手だと思います。

ブルーノのキャラデザもすごく格好良いです。
ダンディな感じもあって好きです。

あと新王となったアレクサンドロ一世や敵のリーダー格、貴族に至るまでしっかりと色々な顔を使っています。
この男性の顔のバリエーションは素晴らしいです。
骨格から違う顔を描ける先生は少ないですよね。

例えばおじいちゃんはどうか見てみましょう。

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著者 伊藤 寿規, 原作 湯水 快「王国へ続く道 奴隷剣士の成り上がり英雄譚 6」(ヒューコミックス, 2021年)150項。

たまりませんね。
ページの3割くらいの大きめのコマです。
この大きさでこれだけのクオリティのおじいちゃんが描ければ画力としては申し分ないですね。

あと、馬の作画もめっちゃ上手いです。


対して女性の作画は実はあまり上手ではありません。
お色気シーンの多い本作では残念な点ではあります。

線が太い先生なのでこの辺は致し方なしと今回は寛容に読みました。
ちなみに子供の作画は上手です。

それでも気になったのは下のコマです。

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著者 伊藤 寿規, 原作 湯水 快「王国へ続く道 奴隷剣士の成り上がり英雄譚 6」(ヒューコミックス, 2021年)83項。

驚いている表情が描けないんでしょうかね?
これは残念でした。

とは言え全体として非常に高いクオリティを保っているので星5です。


マンガ技術★★★★★

基本的に水平垂直のコマ割りです。
ですが構図キャラのレイアウトが上手で、コマの中にキャラを配置するのが上手です。
なのでコマ割りは気にならないです。

そして、配置したキャラ達にパースをかけて遠近感を出すのも上手です。
結果的に画力を活かすコマ割りや構図になっていて技術がマッチしています。

素晴らしいので目を皿にして粗探ししてみました。
見つけたのは以下の点です。

エイリヒから隊長を打診されるシーンの4ページ(109~112項)は、色々な角度からエイリヒを描きたいというのが伝わってきました。
二人で話しているだけなので、絵的に同じコマが続いてしまう事を避けたかったんだと思います。
でも、ちょっとエイリヒさんクルクル回りすぎじゃないですかねw
4ページで一周半してますw
意識して読んでみると面白いですよ。
意識しなければ分からない範囲なので問題ないと思います。

あと、画力と関連した話にはなりますが、人物と背景の馴染み方がなかなか凄いです。
中世ヨーロッパのような建物の背景とマンガのキャラクタが並んでも違和感なく読めます。(特に男性キャラクタ)

キャラクタの顔だけ上手な作家には無い凄さだと思います。


さいごに

今回も重箱の隅を突いてやろうと思って筆をとりました。
しかし、読み込んでみると出るわ出るわ、良い点凄い点。
本当に上手な先生だと思います。

主人公のエイギルが女好きなのも隠さず、「女は護るもの」という信念を徹底していて、相手からも信頼されているのでそこも上手だと思います。

男性キャラの作画がしっかりしたマンガを読みたい方にお勧めです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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