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鳥取の境港で鬼太郎に浸る-2 スタンプラリーで街を走る

1泊2日の境港訪問で偶然見かけた、鬼太郎とビックリマンのコラボ企画(3月末で終了)。子どものころ鬼太郎が好きで、ど真ん中のビックリマン世代でもある私には思い切り刺さるものだった。正味1日弱で、予定も済ませながらお題をクリアできるか。突然の挑戦が始まった。

(前回の記事)

お題は3つあり、それぞれ別の「特製シール(非売品)」をゲットできる。一番易しいのは、境港駅に隣接した観光案内所で「妖怪ガイドブック」という500円の本を買うこと。この本は水木しげるロードに点在するスタンプを押しながら集めるという別のスタンプラリーの台紙にもなっている。子どもと一緒に境港を訪れた際の王道の楽しみ方だ。ただ、今回の記事のテーマからは外れるのでこれ以上は書かない。

二つ目のお題は、水木しげるロードやほかの場所にあるキャンペーン参加店で1000円以上の土産物を買い、1000円以上の飲食をすること。店を選ばなければ境港駅からなるべく近い参加店に行けばいいが、せっかくなら多少は街巡りをして魅力を感じたものを買ったり食べたりしたい。まあこれも時間的にはどうにかなると思われた。

そしてもうひとつのお題が、それなりに広い範囲でいくつか指定された場所のうち3ヶ所に行ってスタンプを押すというもの。これが一番移動範囲が大きい。

このスタンプラリーはなかなか上手く設計されていて、スタンプを押せる場所のひとつが米子空港なのだが、そこには「台紙」が用意されていない。だからまず、台紙を入手するために境港駅隣の観光案内所へ行かなければならない。

スタンプを集めた後のシール引き換えも観光案内所でしか行えないから、スタンプのためだけに空港へ戻るのは気乗りしない。そうすると、行けそうなのは観光案内所から2キロぐらい離れた「海とくらしの史料館」、そして5キロ以上ある「みなとタワー」「さかなセンター」だった。

2日目の午前中に全て回るのは時間的に厳しい。初日にひとつはスタンプを押しておきたかった。唯一、時間的にギリギリ行けるかもと思ったのが「海とくらしの史料館」。そこで、観光案内所で台紙をもらってから史料館まで走ることにした。

境港駅前

いい歳して何やってんだ、とも思った。でも走る格好も準備も全然してない中で突然覚悟を決めて知らない街を走っていると、途中から楽しくなってきた。観光客向けの店が並ぶエリアを少し外れると、地元の人が来るんだろうなという店があったり、昔からの街の雰囲気を感じられたりする。走ったことで、境港への親しみがぐんと増した。

途中から雨が降ってきたりしてなかなか苦戦したが、史料館で無事にスタンプを押すことができた。何年も続けているジョギングのようなラン習慣が、こんなところで役立った。

海とくらしの史料館。中も見たかった

そして次の日は開館時間に合わせてみなとタワーとおさかなセンターに行き、無事にスタンプ押印。こちらも宿から歩いて行ったのだが、みなとタワーとかがある一帯は広大な埋立地になっていてなかなか目的地に着かない。徒歩で移動していたのは自分たちぐらいだった。

おさかなセンター

ということで、1日弱の滞在で境港を相当歩き、走りもした。土産物と飲食も無事にクリアした。パイ生地の芋あんが入ったたい焼きがおいしかった。

そして念願の鬼太郎xビックリマンコラボシール。聖フェニックス(ヘッドロココの前身)とかスーパーデビルとか、何とも懐かしい。このシールのキラキラ感も。

無事ゲット

このコラボキャンペーン、境港市と水木しげるプロダクションとロッテ(ビックリマンの販売元)が中心の企画だろうか。実現までの調整とかは色々大変なこともあったんだろうが、参加者としてすごく楽しませてもらった。

スタンプを押す台はほんと簡素なもので、そういう部分に無駄なお金をかけてないところもいいなと思った。

長机がスタンプ台

境港駅近くの水木しげるロードには土産物屋や飲食店がずらりと並んでいるが、特に飲食については、キャンペーンに参加している店がかなり少ない印象だった。他のエリアでの参加店もあったが、そちらは滞在期間が限られ土地勘もない旅行者には探すハードルが高い。

実際のところは知らないが、「一定額の参加料を納めると対象店舗としてパンフレットに載ったりポスターを貼ったりできますよ」というのがお店側への案内だったんだろうか。もしそうだとしたら、このキャンペーンに参加した水木しげるロード近辺の飲食店は、コラボ企画で境港を巡る人々から相当の売り上げを得たんじゃないかという気がする。私たちと入れ替わりで観光案内所の窓口にスタンプを提出しにくる人が何組もいた。

鬼太郎とビックリマンのコラボは、「鬼太郎好き、ビックリマン好き、両方好き」な人の心を強くつかんだはずだ。メルカリとかでこのコラボ特製シールがかなりの値段で出品・購入されていることからもそれがうかがえる(観光案内所では転売防止策が取られていたようだが)。

ただ、そう推測できるのはあくまでキャンペーンが始まってからのことだ。境港のお店側では、キャンペーンが始まる前に「参加するかどうか」を決めないといけない。普段のお店の営業をしながら、そのあたりの「今回の機会に乗るかどうか」という目利きも自分で判断するんだと考えたら、自営業って難しいけど楽しそうだなと感じてきた。

(もうひとつ続く)


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