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英検準1級の受験を控えた子どもに英作文で助言したこと

今週末に英検準1級を受ける高校生の子どもが、最近2回英作文を見てくれと持ってきた。夜10時半、仕事と食事を終えて私が「さあ自分の学びに入ろうか」というタイミングだ。

子どもは、親の時間などまったく気にしないのが面白い。ナチュラルに「自分は寝るけど見といてね」という態度でやって来る。

それでいい。「遅い時間に忙しい中悪いんだけど、英文のチェックをしてもらえないかな」とか言われたらかえって気味が悪い。

ただ、英作文の確認は単純な丸バツではない。仕上げる方は模擬試験時間の枠内で30分かもしれないが、ちゃんと見ようとすると倍の時間がかかる。だから今週は2回寝不足になった。

英検準1級の英作文は、テーマに加えてポイントとなる単語・フレーズが5個ぐらい提示される。そのうち2個を使って120〜150語で書きなさいというスタイルのようだ(子どもから聞いただけなので、もしかすると他に何か条件があったりするのかもしれない)。

私は先日英検1級の過去問を解いてみて「作文は準備しておかないと対応できないな」と感じた。でも準1級なら子どもに助言できそうだ。

とはいえ、人が書いた文章を生かしつつ「ここはこうしたらよくなる」というのはなかなか難しい。特に直したい箇所がいくつもある場合は。

うちの子は海外にはとても興味を持っているが、英語はまだまだ学び途中である。私が高校生だったときは英検3級も持っていなかったので、受験を見据えてという面はあるにしろ自ら準1級を受けようとするのは大したもんだと思う。

それでもやはり英作文は難しいらしく、文法や単語、説明の仕方などで「これは違うぞ」というところがいくつも出てきた。単純に赤ペンを入れるだけでは直しきれない。

多分こんなことが書きたかったんだろうという英文を、ひとまず作ることにした。本人はもう寝ているので、うまくつながらないところは想像で補いながら進めるしかない。

その上で、もう試験が間近だからポイントを絞ったアドバイスを考えた。これから数日で英文を書く力が大きく伸びることはない。本番の試験で少しでもいい作文をするための半ば応急措置的な助言だ。

まず、テーマの主語をはっきり意識すること。お題が「若者は◯◯すべきということに賛成か、反対か」なら、主語を最後まで「若者」とした英文を作らないといけない。子どもが書いてきたものは、最後の方で「若者以外も◯◯すべきだ」と内容が脇にずれていた。それは意見としては間違ってないが、120-150語という制約がある中では書かなくていいことだ。

次に、英作文を始める前の日本語の構成案をもっときめ細かく考えるようにと伝えた。私もそうだが、ずっと日本語環境で育った多くの人は、英作文するときにまず日本語でキーワードや構成を考えてそれを英語にしていく。だから元となる日本語の作りがしっかりしていないと、英訳したときにおかしなものができてしまう。子どもの英文を見て、これは英語に訳す部分だけでなく、その前の日本語で構成を作るところをより明確にするべきだと感じた。

日本語でしっかり文を作る必要は全くなくて、ポイントの箇条書きで十分だ。このときに大事なのは、日本語を書くときに英語に訳しやすい単語やフレーズを意識して使うことだろう。たとえば、「経済が停滞している」だと訳しにくくても、「経済が成長していない」だったらgrowを否定形にすればいいと浮かびやすい、というように。こういう風にすると、英訳がしやすくなる。

こうした点を踏まえて、子どもには「もう日にちがないから、英作文は英訳の練習よりも沢山の例題を読み、そこから英訳しやすい形で日本語のポイントをまとめる練習をしてはどうか」と伝えた。

英作文の練習なのに日本語の練習するの?と子どもはいぶかしげな顔をしていた。それもわかるが、この方法は奇手奇策ではない。逆説的に見えても、時間が迫った中でいちばん本番の英作文のレベルを上げる近道になるだろうと考えた上での助言だ。

この提案を子どもが受け入れたかどうかは分からない。でも、今回の試験の結果に関わらず、日本語を英訳していく上では有効な方法だと思う。

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