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人生の「ムダ取り」について、山崎元氏の意見

経済評論家として幅広い視点でニュースや社会問題について解説されていた山崎元氏が亡くなった。晩年食道癌が再発して、残り『持ち時間』の見直しをされていたというから、山崎氏ほどの人が何を考えどのように整理されていたのか興味深い。

以下はトウシルのサイトに紹介されていた、山崎氏の文章。人生の「ムダ取り」について、山崎元氏が質問に答えるという形式で意見を述べている。
真髄を突いていると感じたのでここで紹介する(以下トウシルのサイトより引用)

病気が、必要なものとそうではないものの区別を見直すきっかけになるのは、よくあることのようです。

 私も昨年食道癌に罹って一連の治療を受けつつ考えることがありました。また、残念ながら今年になって癌が再発したので、自分の「持ち時間」との関連で、一層真剣に考える必要性に直面しています。

 さて、先ず、3項目に関する私の意見を述べます。

 投資にかける時間のムダは、多くの投資家に気づいて欲しい点の一つです。人は、投資が自分の趣味や仕事なのかについてもっと意識的であるべきでしょう。この時間の節約こそが、私に出来る投資家への最大の貢献かもしれないとも思っています。

 投資は、特に個別銘柄の株式投資について「いい趣味」であり得ると思いますが、投資が趣味でない人は、人生のもっと重要なことに関心を向けた方がいい。個人的には、特に他人が運用するアクティブファンドに関心を持つのはつまらないし、たいした価値の無いマネーアドバイスに右往左往してちまちまとポートフォリオをいじるのも、人間としてかなりつまらないことだと思っています。他人の考えで投資して、何が面白いの?

 銘柄を減らしてオルカンに切り替えて、お金が必要になる時までじっと、ほったらかして持つ方針に全面的に賛成します。

 ストレスを感じさせる人に近づかないことも、いいことではないでしょうか。病気で体力が落ちると、対人ストレスに対する耐性が低下するので、その分、誰とのどのような付き合いが自分のストレスになっているのかに、新たに気づくようになります。この気づきは大切にした方がいい。

 今から悲観する必要はありませんが、癌が再発して後から「持ち時間」が詰まってくるようなケースがあることを考えると、一通りの治療を終えて、ある程度の体力が残っている身体の状態は貴重です。

 ストレスを減らしつつ、時間を有効に使うことを考えるといいと思います。

 SNS減らしも賛成です。

 人によって関わり方は様々で、現在いい具合の人もいるはずですが、SNSは総じて登場初期ほど楽しい場所ではなくなっています。

 X(旧ツイッター)は主張の連呼と揚げ足とりが横行する殺伐とした空間になりました。「こんなところで力んでも仕方がないのに」と思うのですが、気楽な暇つぶしが出来る場所ではなくなりました。

 フェイスブックは、年寄りが同窓会で自慢話をしているような冴えない社交空間になりました。いい歳をした大人が、どこどこに行って、何のメシを頂きました、というような話をしているのを見ると、「こんな程度のことしか発信できない人間にはなりたくない」という情けない思いで、目を背けたくなります。

 何れも、連絡を取る用途にはまだ便利なのですが、そこに居て快適な空間ではなくなっています。

 しかも、同年代くらいの知り合いのSNSでの行動を見ると、「いいね」の刺激を求めてか、肥大化した自己承認欲求であちこちに投稿やコメントをしてさ迷う様子は、見苦しくて、痛々しい。反面教師にしたい行動です。

 私は、それでも相対的にツイッターをマシだと考えて、連絡・告知用に使って来ましたが「X(旧ツイッター)」と書かなければならない昨今の状況は、不安定で今後が心許ない感じです。

 直接会わなくても交流が出来るSNSの素晴らしさは認めつつも、精神の幸せのためには距離を取った方がいいと思うことが多い昨今です。

 さて、質問者には「本当に気の許せる友人」が数名いらっしゃるという。これは、なんとも心強い、理想に近い状態ではないでしょうか。

 これから友達作りの指南をしなくてもいい、という意味でも、素晴らしいご質問でした。

 自信を持って「ムダ取り」を進められたらいいと思います。

(トウシルのサイトより引用)





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