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理科の修学旅行 ~房総半島の化石探検隊~ 参加者募集

2023年7月 天然の化石を探しに房総半島へ

手作り科学館 Exedra では、毎月2回、子ども達自身が実験などに取り組みながら、自分自身で問いを立てて研究に取り組めるようになることを目指す『研究部』の活動をおこなっています。1年目には トレーニングコース で実験・観察などを通じて研究に必要なスキルやマインドを身につけます。2年目には ステップアップコース で、スタッフが与えた研究テーマに取り組みながら、研究者への道を歩みます。
このステップアップコースで、化石作りに取り組んでいることにちなんで、2023年の理科の修学旅行は、房総半島の 天然の化石 を観察するツアーを実施いたします。

理科の修学旅行とは

理科の修学旅行は、自然体験活動を通じて理科に触れるスタディツアーです。2010年から実施し、これまでに17回、季節を問わずに開催しました。自然を通して身の回りには不思議な現象が多数潜んでいることを理解し、自然科学のエッセンスを学ぶことを目的としています。単なる自然体験活動ではなく、科学的な視点から理解するための観察・学習を東京大学の大学院生や研究者と共に行います。
各地から参加者が集まりますので、初めて会う小中学生同士の交流も促され、コミュニケーション能力や社会性も育まれます。

2019年に千葉県勝浦市を訪れて実施した理科の修学旅行の様子は、動画でご覧ください。

2015年 トム・ソーヤースクール企画コンテスト 優秀賞
2018年 千葉県知事賞
2019年 日本自然保護大賞(入選)
2019年 生物多様性アクション大賞(入賞)

2023年7月開催回に体験・学習できること

これまでは、拠点を1か所決め、その周辺の環境を利用して体験・学習をおこなってまいりました。
今回は新たな挑戦として、過去に実施したプログラムの中で特に人気の高かった体験を中心に集めました。房総半島南部に点在する注目のスポットを貸し切りバスで周遊します。
※ 天候をはじめとする様々な事情によって、近づけなくなるスポットもあるため、当日に現場の判断で行程が変更になる場合や、見学が中止になる可能性もございます。予め、ご了承ください。

周遊ルート

チバニアンにタイムトラベル 養老渓谷で化石探し

チバニアンという時代区分の基準地となった地磁気逆転地層(千葉セクション)を訪れます。地球史に名を刻んだ日本唯一の地層を観察しながら、13~80万年前の千葉県へ想いを馳せてみましょう。途中に通りがかる養老渓谷の川底には、様々な化石が露出しています。水中にあるために見つけづらいことも多いですが、天然の化石を探してみましょう。生き物の体の一部だった体化石も、生物が生きていた痕跡である生痕化石も、ともに見つけることができるでしょうか?!

チバニアンの基準地前にて(2020年3月撮影)
養老渓谷で川底の化石を探しているところ(2020年3月撮影)

宇宙に想いを馳せる

勝浦市には、JAXA宇宙航空研究開発機構の勝浦宇宙通信所があり、4台の巨大なパラボラアンテナを使って、人工衛星の追跡と管制をおこなっています。宿泊先を訪れる途中で勝浦宇宙通信所へ立ち寄り、わたしたちの生活と人工衛星のかかわりや、宇宙探査ミッションについて学びます。また、夜に予定している天体観望会で用いる望遠鏡と、電波を集めるパラボラアンテナの構造の違いや共通点についても考えます。手作り科学館 Exedraがサポートしている超小型衛星も、打ちあがったらこのアンテナと通信するのでしょうか?!

JAXA(宇宙航空研究開発機構)勝浦通信所のパラボラアンテナ(2019年11月撮影)

宿泊先|至楽荘

勝浦市は避暑地として知られています。海からの風の通り道になっているため、心地よく過ごしやすい環境です。東京の都心が猛暑日になる日でも最高気温が25℃程度のこともあり、クーラーがなくても快適に過ごすことができるスポットのひとつです。
宿泊先は、鵜原湾を目の前に臨む学び舎 至楽荘 です。バスを降りて少し歩きますが、大通りから離れているため静かで過ごしやすく、車通りもほとんどありません。少し小高い場所に位置しているため、海が見下ろせます。

至楽荘の門から玄関へ登る私道(2023年6月撮影)

夜にもアクティビティ

晴れれば天体観望会をおこないます。眼前は海で、街明かりも非常に届きづらい地形なので、スッキリ晴れれば、都市部で見上げるのとは全く異なる星空が望めることでしょう。望遠鏡を使って二重星アルビレオや金星・火星をのぞいたり、春の大曲線や夏の大三角を探しても良いでしょう。月明かりがないため、天の川も見られるかもしれませんよ?! 20:40頃には、北西の低空に、国際宇宙ステーションが見えるかもしれません。 #きぼうをみよう
曇りや小雨の場合には砂浜でナイトハイクをおこないます。夜の海岸では、どんな出会いが待っているでしょう?! 

ナイトハイクでカニを見つけ、観察中の様子(2019年7月撮影)

鴨川で磯の生き物探し

2日目は鴨川に移動し、潮だまりに生き物を探します。潮だまりは海の生き物の多様性を観察するのに最適なスポット!! 理科の修学旅行でこれまでに訪れた海岸やスタッフが視察に訪れた磯は千葉県内だけでも20か所以上にのぼります。その中で特に生物多様性の高く、安全で広いスポットを選出しました。過去には、数種類のウニやヒトデの仲間、カニやヤドカリはもちろん、タコやイカやナマコや、時には打ち上げられたウツボに遭遇したことも。

鴨川で潮だまりの生き物を調査中(2016年7月撮影)
潮の満ち引きが体感できます(2016年4月撮影)

ウンチの化石 見つかるかな?!

手作り科学館 Exedraの館内には、ユムシの糞の化石を展示しています。これを収集したスポットを訪れ、岩肌に露出した様子を観察します。目が慣れるまでは見分けがつきませんが、一度、認識できるようになると、踏まずに歩くのが難しいくらいたくさん見つかります。顕微鏡で内部を観察すると、約350万年前のプランクトンが見つかることも。周りはどんな岩なんだろう?! どうすれば化石ができるんだろう?! 果たして研究のヒントは見つかるのでしょうか?!

岩肌に露出した糞化石(2015年9月撮影)
思い思いに糞化石を観察(2015年9月撮影)

大規模海底地すべりの露頭観察

柏へ帰る前に、200万年前の大地震の痕跡を観察します。道路工事の際に発見され、地質遺産に認定されています。露頭を観察すると、層状に堆積してはおらず、地層が分断・回転されていることがわかります。液状化した砂層の中で、地層の上下が逆転したブロックも発見されており、この露頭が形成時に激しく撹拌された様子がうかがえます。

過去の大規模な海底地すべりの痕跡が露出した露頭(2023年6月撮影)
触れて歴史を感じることも(2015年9月撮影)

お申し込みはこちら

今回のツアーでは、房総半島南部の地質学的に注目すべきポイントをめぐって、我々が暮らす大地の歴史を体感するとともに、そこに見える化石に触れます。そして、いずれ化石になるかもしれない現生の生き物を観察し、また大地と同じかそれ以上の時間スケールを持つ宇宙を感じます。ガイドブック片手に訪れても気づけないポイントに目を向け、知られざる観察の名所を巡るツアーです。奮ってご参加ください。

ツアー概要

  • 日   時 7月15日(土)8:00~16日(日)17:00 1泊2日
    ※ 道路状況により、解散時刻は前後する可能性がございます。早く到着した場合は、手作り科学館 Exedraにてお迎えをお待ちします。

  • 集合・解散 千葉県柏市 クレストホテル前(柏駅徒歩3分)

  • 宿   泊 至楽荘(千葉県勝浦市鵜原920)

  • 食   事 朝・昼・夕食それぞれ1回

  • 対   象 小学3年生~中学生

  • 定   員 40名(先着順)

  • 参 加 費 (研究部員)35,200円 (一般)47,200円(税込)
          ※ きょうだい割引 2人目以降1人あたり2,000円引き

添乗員は同行しませんがスタッフがサポートします。朝・昼・夕食それぞれ1回の食費、宿泊費、交通費、保険料、教材費実験材料費等を含みます。参加費の振込手数料は参加者負担となります。

お申込みフォーム

企画・実施:株式会社アクタス(細田観光)〒277-0871 千葉県柏市若柴69-1 柏市公設市場内(千葉県知事登録旅行業第2-853号 総合旅行業務取扱管理者 細田啓介)
運営・講師:一般社団法人サイエンスエデュケーションラボ

旅行条件書はこちら

よくある質問

Q1. 最少催行人数はありますか?
A1. ありません。1人でもお申し込みがあれば実施する予定です。

Q2. 事前学習会はありますか?
A2. スケジュールの都合上、誠に申し訳ございませんが、例年実施していた事前学習会は、今年はありません。

Q3. 現地の様子を保護者に適宜お知らせいただけますか?
A3. 子ども達とスタッフの安全の確保、指導の充実、ツアーの円滑な運営に注力いたします。現場に余力があれば、現地の様子をご紹介できる可能性もありますが、必ずしもレポートをお約束できるものではありませんこと、ご承知おきください。

Q4. 雨天等で一部の工程が変更または中止になった場合、返金はありますか?
A4. ツアー実施前に支払いは完了しているため、返金はありません。

Q5. 採取したものは持ち帰ることができますか?
A5. 原則として、持ち帰ることはできません。

Q6. 過去に開催された理科の修学旅行よりも参加費が高額なのはなぜですか?
A6. バス代、宿泊費が(過去の開催時に比べて)高額なこと、過去の開催時には助成金の支援が得られて参加費を低く抑えられたことなどが主な理由です。

Q7. 小学2年生以下は参加できませんか?
A7. 小学校で理科の始まる3年生以上を対象としていますので、2年生以下のお子さんはご参加いただけません。来年以降の開催をお待ちください。

Q8. 保護者が自家用車で同伴しても良いですか?
A8. ご遠慮ください。お子さんのみでご参加ください。家族連れでのご参加をご希望の方には、8月5日~6日に山梨県富士川町にて別の企画をご用意しておりますので、そちらへのご参加をご検討ください。

Q9. 食物アレルギーがあります。対応していただけますか。
A9. 宿泊施設の調理担当の方へ相談します。まずはご相談ください(連絡先 info@exedra.org)

Q10. おやつやおこづかいは持たせても良いですか?
A10. ご家庭でご判断ください。ただし、宿の宿泊室でお菓子を食べるのは禁止です。また、スナック菓子などでバスが汚れないようにご配慮ください。

Q11. 参加者多数の場合、抽選や選抜が行われますか?
A11. 今回は先着順で受け付けるため、抽選や選抜はおこないません。

Q12. スタッフは何名参加しますか。
A12. 4~6名程度を予定しております。手作り科学館 Exedraのスタッフの他、東京大学の大学院生や卒業生、近隣の江戸川大学の学生などから構成されています。

お申込みにあたってのお願い

例年、『保護者は参加させたいが、子ども本人は乗り気でない』『合宿に参加したい/自然体験をさせたいが、理科に興味があるわけではない』という方の応募が多くございます。合宿中は、理科的な発想で取り組む活動が多いため、乗り気でなかったり、理科の興味がなかったりすると、本人もツラいですし、周りの熱心なお子さんの足を引っ張ることにもなります。安全管理上もリスクが高くなってしまいますので、お子さんご本人が理科について学びたいという熱意をお持ちでない場合には、別の企画へのご参加をご検討ください。恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いします。