【短編小説】いつもが終わるバス通学
ぼくと彼女は、大きなターミナルより前、町の隅っこにある停留所からバスに乗る。時刻はまだ五時半。線路の通っていない町から市に行くには、この時間になってしまう。でないと、一時間目の授業にさえ間に合わないのだ。七月の上旬、今年はもうすっかり茹だるほどに暑くなっていたけれど、朝のこの時間はまだ涼しい。朝日がまだ家々の陰に隠れているおかげもあって、少し風がながれた程度で心地よさを感じる。
彼女……つまり、大学生のお姉さんもこの時間にこの停留所で待っている。ぼくが高校生になってから毎