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浅黄幻影、公開中の小説

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noteで公開している小説のマガジンです。 文藝マガジン文戯、てきすとぽい、BFCなどで書いたものをおいています。全年齢、幅広い人を対象にした作品群です。
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#短編小説

INDEX:浅黄幻影、公開中の作品

マガジン「浅黄幻影、公開中の作品」のINDEXです。 マガジン本体からも辿れます。 SS いろ…

浅黄幻影
1年前
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短編小説「となりの地球は青く見えた」上

荒廃した母星を捨てて新天地「地球」を目指すコペルの旅物語。 ナイフと銃と空間列車。コペル…

浅黄幻影
1年前
7

短編小説「となりの地球は青く見えた」中

荒廃した母星を捨てて新天地「地球」を目指すコペルの旅物語。 ナイフと銃と空間列車。コペル…

浅黄幻影
1年前
3

短編小説「となりの地球は青く見えた」下

荒廃した母星を捨てて新天地「地球」を目指すコペルの旅物語。ナイフと銃と空間列車。コペルは…

浅黄幻影
1年前
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短編小説|最後に勝つのはおばあちゃん

 ゲームをテーマにしたごく短い短編小説。2400字ほど。  まだ七才かそこらの頃、私はどうし…

浅黄幻影
1年前
9

短編小説「船を下りる」上

 テーブルにトロピカルドリンクをおいて、デッキチェアに寝そべる。  目の前に広がるのは青…

浅黄幻影
1年前
3

短編小説「船を下りる」下

 客船はゆっくりと九州の西から中国・韓国を周り、再び日本で青森に寄ったあと、また九州の東側に着く。その後は本格的に海を渡って東南アジアまで向かう。韓国と国内を回るだけでは、正直楽しくはない。やっと南の島か、と私でもいくらか期待してしまう。  日本で最後に寄港する街で、私は少しばかり散策をするつもりでいた。出航時間は午後五時。まだ十一時だからずいぶん余裕のある寄港だ。妻はカルチャー講座に熱心になってビーズを糸に通しているし、娘はボーイフレンドと広くてまだまだ道のエリアがある船

短編小説「あの日のコーヒーに口づけを」上

「ねえ、ママ」  二人だけしかいないコーヒーショップで、店主のママに話しかけた。静かな店…

浅黄幻影
2年前
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短編小説「あの日のコーヒーに口づけを」下

 三人目(妻・義姉に次ぐ)の女に出会ったのは、それからさほど経たない日だった。会社が主催…

浅黄幻影
1年前
6

短編小説「仮面の道化師」上

――朝起きて、パジャマのままで歯を磨く。まだまだ冷たい廊下は着替えるより、このままの方が…

浅黄幻影
2年前
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短編小説「仮面の道化師」下

 <上>はこちら  周囲の人たちはどんどん入れ替わっていく。見物人の数には波があって、人が…

浅黄幻影
2年前
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小説|敬虔な共有と吐き出される共感

 口で言うほどには、感動を共有することは簡単ではない。人が同じ小説、映画、音楽、自然の絶…

浅黄幻影
2年前
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【短編小説】利休の器

 私が目覚めたのは、十年ばかり前のことだ。主の先生が都の古市で眠っていた私を見つけてくだ…

浅黄幻影
3年前
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【短編小説】日、没するエデン

 プロジェクト・エデンが世界会議において承認された。  このプロジェクトが本当に実現するなど、世界のほとんどの人が信じていなかった。だから予想外の世界の英断に喜ぶ人の多い一方、懐疑的な人々も少なくなかった。なにせ今まで数千年もかけて争い血を流していた人類が、再び楽園を手に入れようという計画だったのだから。ただこの表現には誤謬があった。プロジェクト・エデンは懐古的思想によるエデンへの帰還ではなく、科学によって新しいエデンを手に入れようというものだった。  人類の叡智が集結して、