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話せばわかる。

作業中のパソコンが急に再起動したときは、まじか...と呟くのをこらえ、1秒でも早く終わることを心から祈るしかない。

どうしたら早く終わるのかわからないので、キーボードをなでながら、「がんばれ、がんばれ」「重くて大変だよね頑張って」「卒論も乗り越えたんだから大丈夫だ!」と、心の中で励ます。

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パソコンと同期しているはずのプリンターが全く反応しないときは、早く印刷して寝たいんだよぉ!と叫びたくなるのを飲み込み、辛抱強く待つしかない。

沈黙する本体をなでながら、「がんばれ、がんばれ」「毎度こんなにたくさん印刷させちゃってごめんね」「いつも頑張ってくれてありがとう」と囁きかけて、動き出したら相手を褒めちぎる。

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組み立て式のハンガーラックが突然ガシャーンと音を立てて崩れてしまうときは、不良品か!という疑念を隅に押しやって、組み立て直すしかない。

「がんばれ、がんばれ」「きみね、アンバランスな立ち方してたら私みたいに骨盤歪むよ?」歯をくいしばるくらい力を込めて部品をはめ直したら、シャンと自立した。最初のパワー不足が原因だったようである。

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念を送ることが解決につながっているかはさておき、ちょっとだけ自分の気持ちが届いたように思えてそのたびに独りごちているのだが、

設定温度を下げても、いつも火傷寸前の熱湯をお見舞いしてくるシャワーに対しては、なんと言葉をかければいいのかわからなくて途方にくれている。

#エッセイ #物書き #コミュニケーション #言霊

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