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書きたくなる。

書きたくなるとき。何か、書きたくなるとき。文字におこしたくなるとき。

小学校のとき、完全オリジナルの大河物語を書いていた。学校に行く直前でも、休み時間でも、宿題の後でも、寝る前でも、いつだって書きたいことがあって、そしていつだって書けた。人生で1番の集中力と、途切れない創造力があった。

中学、高校とあがるにつれて、人間関係の構築や、教科書のお勉強や、ブルーライトの時間なんかが日常生活を占めるようになって、たまに思い出したように日記を書いた。書き残したいという欲求は実に衝動的だった。

たとえば、入学式の日。引退する先輩より泣いていたコンクールの日。大晦日。好きな人と喋れた日。卒業を間近に感じた日。こうしちゃいられんと思った日。素敵な文章を読んだ日。

ひどく落ち込んだ日や、しんどい日のことは書かない。そんな日に書く言葉は、翌朝の3倍増で悲劇じみているので、残したくなくてやめた。

社会人になってから、日記にするようなイベントもあんまりない。noteのおかげで誰かに文章を読んでもらうという機会は増えたけれど、やっぱり習慣にならない。なにしろ書きたい瞬間はもっと限られてしまったのだから。

たとえば、よく晴れたお休みに何にも予定がないとき。あることないこと考えてしまうとき。布団に入ったのにさっぱり眠れないとき。突然、生きた証を残したくなったとき。あとは、素敵な文章を読んだとき。精一杯の感謝やエールを伝えたい人がいるとき。

いつのまにか、書くのにいちいち理由やきっかけが必要になってしまった。それでも、こうやって文章がひとつ出来上がったのは、何も生まれないよりマシなのかもしれない。それに、さっぱり眠れない夜にも意味があったと思えば、少しだけいい夜になるし。

#エッセイ #物書き #書くこと #備忘録

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