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【2023年1・2月号】映画感想メモ(マイ・フェア・レディ、カランコエの花)

※ 本記事の内容は、あらすじの解説やネタバレを目的としたものではありませんが、感想を述べるため、一部のシーンについて言及することがあります。映画をまだご覧になっていない方は、予めご了承ください。

【1】 20世紀少年『終わりの始まり』、『最後の希望』、『ぼくらの旗』(2008~2009)


当時小学生の僕にとって「け~んじ君あそびましょ~」はあまりにトラウマ的で怖く、23歳にしてようやく視聴。また、三部作で続けて観たいこともあり、年末にまとめて観ました。『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』『ぼくらの七日間戦争』など地元の幼馴染と悪役に立ち向かう青春ドラマでありつつ、SF・ミステリー要素もあり、個人的には結構好きなジャンル。漫画版はまだ読んだことないのですが、恐らく僕自身まだ未回収の伏線が沢山あるはず(漫画限定のものもあるはず)なので、時間を見つけて漫画にも挑戦したいと思います。


【2】 カランコエの花(2016)


エンディングの演出が胸に刺さります。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、所謂「引き算」の演出で、観客の集中を1つの事柄に集中させることで、観客に問いを与え、ゆっくり思考する演出がされています。ここ数年でSDGsの流れや多くの人の勇気ある行動によって、様々な愛の形が理解され始めていますが、正しく情報が届いていない人にはまだ偏見があり、本人に悪気は無いのかもしれませんが、その言動によって社会の様々な場所で自分の個性に苦しんでいる人がいます。ちなみに、僕は人と恋愛・結婚の話をする時は「彼氏・彼女」ではなく「パートナー」という言葉を使うようにしています。


【3】 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016)


競争環境にいたり、他者に劣等感を感じる環境に身を置く時、不意に自分を愛することができなくなることはありますか?よく自分の周囲5人の平均年収が「将来の自分の年収」と言ったりもしますが、これは人間が経済力や生活の水準、時に趣味・嗜好など価値観が近しい人と時間を共にする傾向がある、ということを表していると思います。なので、ネガティヴなことが起きると、他者と同じ環境にいるはずなのに、自分だけが苦労しているように錯覚するのではないでしょうか。視野を少し広くして周りを見回すと、経済的な問題、家庭の問題、職場の人間関係の問題、その悩みの種は違えど、皆様々な苦しみの中にあることに気付きます。その上で、自分の醜さも込みで自分自身を少しずつ受容し、歩みを進めたり、止めたり調節することが大切だと思います。


【4】 恐怖の報酬(1977)


映画のパッケージにある吊橋の上でトラックが揺られるシーンを含め、終始映像技術の高さに驚かされます。当時の映像技術を踏まえると、本当にどうやって撮影したんだ?と。僕は結構クラシック映画独特の、シンプルだけれど本質を突くようなタイトルが好きです。おそらくこのようなタイトルドメインは既に多く使われているのだろうけれど、だからこそ現代の映画で核心を突くシンプルなタイトルの映画が出ると興奮します。


【5】 マイ・フェア・レディ(1964)


オードリーヘップバーンの写真集、オードリーヘップバーンのTシャツ、と何かと彼女のオーラと品格に惹きつけられて来た筆者(僕)。「華」という言葉がこれほど似合う人はいません。個人的に競馬場の歌唱シーンが一番シュールだけれど、演出や俳優1人1人のこだわりが詰まっていて好きです。作品全体を通して少し違和感があったのは、イライザの品格としての成長がメインのテーマではあるものの、精神的な中身の成長が十分に言及されておらず、総合的な人間としての成長の描写が不十分に感じられたことです。


【6】 0.5ミリ(2014)


好きな作品です。表紙に書かれている「死ぬまで生きよう、どうせだもん。」。どうせ「何」なのか?サワを含めて登場人物は全員どこかチャーミングで、そのやり取りが微笑ましいです。サワ優しい!と思ったら、怖い...あれ?けど優しい...?と観客も含めてサワの一挙一動に翻弄されるわけですが、そのミステリアスさも含めてサワの勝ちですね(何が?)。出てきた登場人物の表情が未だに記憶に残っていて、ファンキーモンキーベイビーズのCDパッケージに全員出て来そう。


【7】 ドント・ウォーリー・ダーリン(2022)


フローレンス・ピュー。まだ27歳と若いですが、主役として貫禄が半端ないですね。映像を綺麗に見せるだけでなく、本能的な感情の表現が上手くて、多分喜怒哀楽のグラデーションが平均の何倍もあるんだろうな。ジェニファー・ローレンスもその部類に入ると思うのだけど、僕はそのグラデーションが多層な俳優が好きな傾向にあるなと思います。作品は近未来SF味があり、好きなジャンルで、ハリー・スタイルズやクリス・パイン、ジェンマ・チャンなど、SFヒーローものが好きな人にはぶっ刺さりのキャストです。


その他鑑賞作品

【8】エスケープ・ルーム(2019)
【9】ブラインドネス(2008)
【10】ミシシッピー・バーニング(1988)
【11】ホース・ソルジャー(2018)
【12】ハイエナ・ロード(2015)
【13】生きてこそ(1993)
【14】行き止まりの世界に生まれて(2018)
【15】パターソン(2016)

最後に


映画鑑賞は誰かの人生を代理経験すること、という意味が鑑賞本数1100本を超えてようやく分かってきた気がします。

ここ最近、エンタメという枠を超えて自分に迫るものがあり、社会人になって映画を観る時間が限られるようになったことは事実だけど、体験価値はすごく充実しています。


*2022年12月号の記事(チェックお願いします!)


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