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北欧ドライブ紀行 '22夏 ③6/25 1日目その① ルーレオーにて

その②のつづき。

1泊お世話になった空港近くのMåby Park & Hotellにて 4:31AM CEST

おはようございます。3日目の朝です。
6時45分発のフライトに乗るために、その2時間前の4時45分空港着を目指し4時に起床し、朝4時半にホテルを出た。こんなにも朝早いのに空はこんなにも明るい。車で5-10分ほどかかる空港まで送迎してもらう。こんなに朝早いのに送迎してくれて、しかもそこまで高くない宿、ただただ感謝した。

ストックホルムより更に北を目指すべく空港へとやってきた。アーランダ空港はだだっ広く、詳しい構造は覚えていないがバス乗り場-手荷物検査-ゲートで異常な距離を歩かされる。2日前も最初の到着時に飛行機を降りてからバス乗り場まで、20分ほどひたすら歩いた。今回もたくさん歩き、手荷物検査などの有象無象を乗り越え、朝6時漸く待合室に辿り着く。

ストックホルム・アーランダ空港(Stockholm-Arlanda flygplats)
6:02AM CEST
ストックホルム・アーランダ空港(Stockholm-Arlanda flygplats)
6:04AM CEST

北欧らしいインテリアに心が躍る。自然を意識したデザインのイラストの机とそれを照らす優しい暖色照明。照明器具も天からささやかかつ均一に釣り下がる。その向こうには雲一つなく彩度の高い青い空、その間に見えるはいくつもの飛行機。これ以上の空間があるだろうか。

搭乗。座席は自動指定だがまさかの最前列。

この飛行機は頭がおかしい。直線距離で700km、1時間半も搭乗時間があるまあまあな距離の飛行機で、なおかつしっかりとした機材であったが、運賃が2人で111,16krであった。日本円での請求額1.568円。1人800円以下で飛行機に乗っている。直線距離700kmは概ね東京-広島に相当する。東京から広島まで800円、なにをどうがんばっても不可能だろう。
FR7588便。Ryanair operated by Marta Air。Ryanairの飛行機には稀にMarta Air運行のものが混ざっており、この2社の関係は謎である。Marta Airのサイトから予約しようとすると価格が10倍くらいに跳ね上がる(元が安すぎる)のも謎みが高い。

スウェーデンの雄大な自然をほぼ常に窓から見ることができた。遊覧飛行だとしても十分すぎる。
スウェーデン上空 8:07AM CEST
ルーレオー空港(Luleå-Kallax flygplats)
8:54AM CEST

到着した先はルーレオー空港である。9割の読者はどこ⁉となっていることだろう。スウェーデン北部にある都市で、8万人程度が住む同国北部最大の都市である。私も飛行機を調べるまで聞いたこともなかった都市だが、北欧北部に安くいく方法を調べていると闇の中の光のように破格のストックホルム-ルーレオー便が見つかり、それと同時にルーレオーを認知した。

ストックホルムから北へ700km。
出典:Google マップ

空港でレンタカーを予約しておいたので、さっと受け取って出発~~♪…あれ、カウンターが開いてない、、、それもそのはず、この日は夏至祭の土曜日である。ほとんどのお店が休暇を取っている。
自動チェックイン機がある、これで受け取ればいいのかな、メールにもそう書いてあるし、、、

カウンターが開いてない、、、
8:54AM CEST
実際のメール

不安になりながら機械を操作し、手続きを進めたが、その不安は的中した。免許証確認の段階があるのだが、(当たり前といえば当たり前なのかもしれないが)日本の国際免許証に対応していないのである。EUの免許証が前提の設計となっている。読み取りに不具合のあるお客様はこちら…というボタンを押しスタッフとビデオ通話を試みるがスタッフは永遠に表れない。そこに同じくレンタカーを予約していたであろう現地人が現れた。機械は1台しかない。スタッフをお待ちください…という画面が一生表示されている画面。困惑する日本人2人。その後ろに並ぶスウェーデン人。
この人はひどく優しく、「どうしたの?借りれないの?力になれることはあるかな?」ととても親切にしていただいた。現地人がいたところで目の前の機械が日本の免許に対応するわけではないが、異国どころか森に囲まれたなにもない小さな空港の中で、ほぼ誰もいなかったので、気にかけてくれる人がいる事実はとても救いになった。この人はとても寛容だと思う。我々が日本で同じ状況に遭った時、同じ行動がとれるだろうか。早くレンタカーを借りさせろ、機械を独り占めするな、早く順番を変われ、そう思ってしまう気がしてならない。結果的に20-30分ほどその人を待たせてしまったのだから。忙しい日々の時間の中で我々が忘れているものをそのスウェーデン人は持っていたように思い、少し感銘を受けた。
後客に順番を譲ってやり直したりもした気がするが、ともかく待ち続けて免許証を読み取ってもらうことには成功した。しかし、契約確認の画面で国外運転の禁止、と書いてあり更に困惑した。国外へと運転するには追加料金がかかることは知っていたが、それを払う契約で予約していたからだ。機械にそれを問い合わせる余白はなく、友人と話し合い、電話で問い合わせてみることにした。最初にレンタカー会社のスウェーデン支部に問い合わせたが、ろくに対応してくれず、詳しい経緯は忘れてしまったが、レンタカー予約サイト(qeeq)のカスタマーセンターに電話した。qeeqは世界展開している会社で、スウェーデン支部はなかったので最寄りのドイツ支部(Kelsterbach)に電話を掛けた。私の携帯は当時ベルギー契約で番号もベルギーだったが、EU内は通話料無料のプランに加入していた。詳細な経緯などを話し議論を深めたが、途中担当的な事情か何かで折り返すとのことだったので待っていると、+1から始まる番号から着信があり非常にびっくりした覚えがある。受信する分には国際電話代かからないだろうしいっか、と、日本で買った携帯、ベルギーで契約したSIM、スウェーデンの空港でアメリカの会社と電話した。こちらからはドイツ番号にかけ、先方からはアメリカ番号でかかってくる謎のやりとりの末、「予約会社としてできることは、今のHertzとの予約をキャンセルし他社で今から乗れるプランを探して予約をすること、差額は後日補填する」とのことで落ち着いた。総計1時間くらい電話していた。
そしてこの決断を迫られ、友人と話し合っていたところ、ふと空港の中に入ると(外で電話していた)さっきは閉まっていたカウンターに従業員らしき人がいたのである。話を聞いてみると、夏至祭で営業時間の変更があり張り紙を見てもよくわからなかったのだが、ともかくその日は10時半だか11時からだかで営業するとのことだった。そこで改めて今回の問題の件を対面でスタッフに相談した。電話とは異なる、なんとかなりそうという安心感。話を聞いたスタッフのおっちゃんが一言、「知ってるよ君たち、予約入ってたし、君たちのために昨日の夜機械に車の鍵入れといたんだよ、取ってでかけりゃよかったのに」。あまりにもあっけなく言われ、この2時間は何だったのかと思った。空港には9時前には着いていたが、もう11時近くになっていた。改めて国境の件を聞くと、全然OKだし予約に書いていたから知ってる、と言われて拍子抜けした。しかしながら、運転保険はqeeqのプランで入ったのでHertzの保険はいらないプランで予約したのだが、現地で予約付の契約書を渡された。指摘して作り直してもらった。どこまでも気が抜けない。保険抜きの契約書にサインして、苦節2時間ようやくレンタカーを手にする。
ちなみに、後日レンタカーの請求書メールが届いたが、よく見ると保険込みの値段になっており、保険込みの値段の請求がクレカに来ていた。現地で再契約書まで交わしていたのに過剰に請求されたので、さすがにメールで厳重に抗議した。抗議の甲斐あり、後日保険料分は返金されていた。海外旅行はどこまでも本当に気が抜けない。支払から返金までの間にスウェーデンクローネと日本円のレートが少し変わっており、少し損をしたので悲しい。

11:26 CEST

はじめての左ハンドルに大興奮である。古くて安い車で十分だったが、最新式のハイテク機能がてんこもりのバカでかい車を引き当ててしまった。空港着から2時間半、ようやく空港を出発する。ここまででかなりの体力を消耗した。長い一日はまだまだ続く。

長くなってしまったので肝心のドライブは次回へと回すことにする。

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