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私の人生に読書が戻ってきた

 大家好! みなさんこんにちは、マントウです。
 読書はお好きですか?
noteを読む方は、おそらく読書は好き嫌いというより、息を吸って吐くように生活の一部、という方が多いのではないかと思います。そんな一人だった私、実は人生で初めて「本が読めない1年半」を過ごしてきました。

中国では日本語の本が入手しづらい

 中国は、外国語書籍の持込みが難しい国です。
 入国時に自分のスーツケースに入れて「機内預入れ荷物」としてなら自由に持ち込めますが、船便などで日本にいる家族や友人からどーんと送ってもらう、ということはできません。検閲に引っかかって輸出不可になる可能性が高いからです。

 私は今から30年前、高校生の時に修学旅行で北京にきたのですが、その時班別自由行動の通訳についてくれた北京大学日本語学科の学生さんに対するアルバイト料として、「一人3冊日本語の本・マンガを持参するように」と引率の先生に言われました。よしもとばななの『TSUGUMI』と村上春樹の何か、そして『ドラゴンボール』を選んだ記憶がありますが、当時日本語の本は極めて入手困難だったので、かなり喜ばれたことを覚えています。

 あれから30年経ちますが、天津で最も日本語の本を置いている『TSUTAYA』でも、あるのは雑誌などほんのちょっと。もう一軒、一縷の望みを託して外国語書籍の専門店にも足を運びましたが、N1N2と言った日本語検定試験向けの参考書類と、夏目漱石・川端康成といった、中国の大学の日本語学科で学ぶような文豪の代表作しか置いてなくて、本当にがっかりしました。(北京や上海のような大都市だと、状況は違うのかもしれません。)

電子書籍で読めばいい、はずが…

 とはいえこの時代、日本にいた時から自身の読書のメインはKindleになっていたので、そう心配せずに複数のKindle端末を持って天津にきました。

 …が、大事なことを忘れていました。

 そうです、ここは中国。
 インターネット規制があるので、Amazonで電子書籍をDLするなら、VPN経由でないと使えません。そして端末にVPNのアプリを入れる作業は、中国国内に入ってしまうとできないのです。いろいろ試してみましたが、PC関係が苦手な私は、どうやっても電子書籍のDLができませんでした。

膨大な時間を無駄に…

 カフェで本を読んだり、旅の移動中に電車や飛行機の中で本を読んだりが至福…というタイプの私。忙しい時も、湯船の中や寝る前のちょっとした時間で本を読んで生きてきたので、本を読めない生活は、なかなか辛いものがありました。日本に本帰国する方から、手持ちの紙の本を譲っていただいたり、KindleにDL済みの既読の本を読み返したりしましたが、すぐに尽きてしまいます。
 読書ができないことでできた膨大な時間。
 中国語学習も兼ねて、中国ドラマにどっぷりはまったりもしましたが、結局活字が読みたくなり、でも本がないのでなんとなくSNSを見て過ごす…ということが、圧倒的に多くなってしまいました。1年半で自分の脳みそがすっかり退化した感覚があり、本当にもったいないことをしたなと思います。

Kindleの設定をしに一時帰国 

 結局、短い期間ですが日本に一時帰国をし、Kindleアプリを入れているiPadのVPN設定をしてきました。日本では勤務先での手続き等もありましたが、個人的な主目的はKindleの設定です。天津に戻った後、無事に電子書籍をDLできた時の喜びと言ったら…!
 ちなみに、日本にいた時は ①Kindleの専用端末(Papar White, Fire)と②Kindleアプリを入れたアンドロイド を使っていましたが、これを機にiPadに変えました。なぜなら、①②とも、VPNの設定が難しかったからです。特に、中国ではインターネット規制のためにGoogle系が使えないので、②のアンドロイドにVPNアプリを入れようとしても、中国国内ではGoogle Play Storeが使えない。つまりアプリの検索すらできないのですよね。なので、中国で生活するなら、アンドロイドよりiPhone・iPadの方が何かと上手くいくことが多いなぁと感じます。

私の人生に読書が戻ってきた

 Kindleが使えるようになって初めて読んだ本は、作家・椹野道流(ふしのみちる)さんのエッセイ『祖母姫、ロンドンへ行く!』。作者が若かりし頃、当時80代だったおばあさまを連れて二人でロンドンを旅した際の、まるでドラマのような様子が綴られ、一気に読み終えました。(おすすめです。)
 いやー、これこれ、この没入感。
 読書のよろこびを改めてひしひしと感じております。

 そんなわけで、早速、Kindleに読みたい本をたっぷりDLして、旅に出てきます。旅の移動中にする読書って、なんであんなに楽しく感じるんですかね。
 これから中国に滞在される予定の方、特に本好きの方は、私のような失敗をしないように、どうぞお気をつけください。

 それではまた、再见!

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