見出し画像

「香り」はアスリートのパフォーマンスをどう変える?スポーツにおける香りの活用をプロ選手に聞いてみた【SPORTS × KAORIUMインタビュー】

嗅覚のデジタライゼーションに取り組むセントマティックでは、香りを言語化するAIシステム「 KAORIUM (カオリウム)」を活用し、アスリートのパフォーマンス最大化を目指すプロジェクト「 SPORTS × KAORIUMを推進しています。※KAORIUMはSCENTMATIC株式会社の登録商標です。

これまでの取り組みとしては、2021年5月に、フェンシングエペ日本代表の見延和靖(みのべかずやす)選手が当社の「Chief Sports Officer(チーフ・スポーツ・オフィサー)」に就任。KAORIUMを用いて見延選手の香りの好みを解析し、求めるリラックスのイメージを具体化、自宅で過ごす時間やオフのときに安らげるオリジナルアロマブレンドを開発しました。

2022年は見延選手に加え、プロトーナメントで活躍する女子プロゴルファーの宮田成華(みやたなるは)選手とともにオリジナルの香りを開発。そして現在は、スケートボーダーの中山楓奈(なかやまふうな)選手とオリジナルの香り開発に取り組んでおり、プロジェクトを通してスポーツ分野におけるKAORIUMの活用領域の拡大を目指しています

関連記事:
フェンシングエペ日本代表 見延和靖選手のオリジナルアロマ完成レポート
https://scentmatic.co.jp/news/20210712
プロゴルファー 宮田成華選手のオリジナルアロマ完成レポート
https://scentmatic.co.jp/news/20221102
スケートボーダー 中山 楓奈選手とパートナーシップ締結
https://scentmatic.co.jp/news/20220825

今回は、本プロジェクトに参加する見延選手、宮田選手にインタビューを実施。個々の好みに寄り添った香りの開発背景や効果を聞いてみました!

アスリートが持つ「香り」のへこだわり

ーー香りはリラックスや集中力を促すとも言われます。アスリートであるお二人は、普段どのように「香り」を選び、活用していますか?

フェンシングエペ日本代表 見延和靖選手

見延選手(以下、見延):昔から香りには興味があり、柔軟剤などの製品をこだわって選んでいます。一方で、こだわりが強い分、なかなか好みの香りに出会えず、苦労することも。

商品パッケージに書かれている香りの説明が、想像している香りと違うことも度々あります。これは、香りが体験記憶と結びついているためではないかなと。一言で「さわやかな香り」といっても、人によってさわやかを感じる状況が異なると香りの感じ方も変わってくるのだと思います。

プロゴルファー 宮田成華選手

宮田選手(以下、宮田):普段から香水・ボディーミスト・ハンドクリームなど香りのある製品を愛用していて、気合を入れたい日、プライベートを満喫したい日など、日によって香りを使い分けています。

個人的な困りごとは、好みの香りをベースに香水やハンドクリームを選んでも、それぞれの香りが同じではないため香りが混在してしまうこと。それが嫌で使用しなくなることも多いです。好きな香りを他者に伝える難しさも感じていて、「好きな香りって一体何なんだろう」と思うことがありますね。

KAORIUMを活用して「好みの香り」を開発

ーーKAORIUMを活用したオリジナルアロマブレンドの開発では、ご自身の好みの香りを「言葉」を頼りに深堀りしていただきました。おふたりにとって、初めての経験だったのではないかと思いますが、いかがでしたか?

宮田選手 KAORIUM 体験の様子

宮田:そうですね。嗅いだ香りに対して「どんなイメージを持つか」をAIが示した言葉の中から選ぶ作業は、当初は難しく感じました。でも、回数を重ねるごとに言葉の選択肢が増えていき、とても楽しめました。

香りのイメージは、遠征先や試合前に使用することを踏まえ、「リラックス、落ち着きのある、スーッとする香り」としました。スッキリ感が強調された「スーッとする」香りに「あたたかみ」を感じる香りを追加して、イメージにマッチするよう仕上げていきました。

見延選手 KAORIUM 体験の様子

見延:僕は、試合期間中に使用する香りとして「リラックスの中に緊張感がある優雅な香り」をイメージしました。僕が求める「優雅な香り」は、ヨーロッパのような優雅さではなく、日本の和を感じられるもの。

KAORIUMを活用してイメージを言語化すると、「雅やかな(みやびやかな)」という言葉が出てきました。そこからAIが提案する雅やかさを掻き立てる香りを追加していき、イメージにマッチした香りが完成しました。

お互いの香りを嗅ぎ合う様子

宮田:見延選手の香りもとてもいい香りですね。柑橘系の香りに和の要素が感じられて落ち着きます。

見延:宮田選手の香りもとてもいいですね。自分の香りとは違うので、他の人の家に来たような感じがしました。女性的な雰囲気の香りですね。

香りでパフォーマンスを最大化するために

ーー開発したオリジナルアロマブレンドを、どのように活用していますか?

見延:年間8〜10回、海外で試合があるのですが、ホテルの空間を普段通りにつくり上げるために、このアロマが役立っています。ホテルに宿泊する際は、換気を行った後、アロマを空間にまきます。香りに加え、照明と音を調整することで落ち着ける空間にしています。

練習時には、調子が良いときにアロマを活用することで記憶と香りを結び付けています。この香りを嗅いで調子が良い感覚を呼び起こし、試合などに挑んでいます。また、車のディフューザーとしても活用していますね。

宮田:私も9ヵ月間のシーズン期間中は月の半分がホテル泊になるので、いかに自分の好きな空間にできるかを大切にしています。まだ開発したアロマをホテルで使用する機会に恵まれていませんが、枕に使用したいですね。眠りの質で翌日のパフォーマンスが変わってくるので、睡眠時に有効活用できれば。見延選手のように、車のディフューザーとしても使ってみようと思います。

今後の目標について

ーー最後に、今後の目標を聞かせてください。

見延:11月から新シーズンが始まり、パリ五輪の予選も始まります。東京五輪に続いて連覇を目指し、個人戦でも結果を出していきたいです。「勝利の香り」として、今後もこのオリジナルアロマを活用していきます。

宮田:最近は調子が上がってきているので、良い結果を残せるようにがんばります。来季の出場権に向けた大会で上位に入り、レギュラーツアーでも優勝を目指します。自分好みの「香り」と共に戦っていきたいです。

左から:セントマティック 代表取締役 栗栖俊治、宮田選手、見延選手

KAORIUMその他の展開について

セントマティックでは、今後も香りと言葉を相互に変換するAI システム「KAORIUM」を活用し、アスリートのパフォーマンス最大化を目指すプロジェクトを推進してまいります。まもなく、スケートボーダー 中山楓奈選手の香り完成レポートも公開を予定しておりますので、シェアしていきたいと思います。

この他にもKAORIUMを活用した飲食店向けメニューツール「 KAORIUM for Sake 」や、嗅覚の感性を育む小学校向け教育プログラム「 カオリウム実験教室 」など、さまざまな業界に対応するサービスを提供しています。「香り」にまつわる新たな体験価値の創出をお考えの方は、ぜひ、こちら からお気軽にお問い合わせください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?