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映画『哀れなるものたち』を観てきました。(ネタバレ)

映画『哀れなるものたち』を観てきました。
※以下感想、ネタバレを含みます




乱暴な表現ですが「大人向けジブリ映画」という感じで 面白かったです。

ストーリー自体は素直で、テンポもよかったので、2時間半近くあったのに飽きることなく観れた。


胎児の脳を移植された女性が、さまざまな経験を通じて成長していくというストーリーなんだけど、

そのテーマ性から、先にも書いたように「大人のジブリ」のような映画だと思った。


主人公の冒険譚であり、冒険を通じた成長の物語であるという点。「ラピュタ」とか直近の「君たちは…」に代表されるような、宮崎アニメさながらのモチーフ。

予告編でも目を引く印象的なダンスシーンがあるけど、それに象徴されるようなコミカルで活き活きとした動き("子供らしい"動き)なんかも、実写映画であるにも関わらずアニメーションのようだなと感じた。
映像もファンタジーに仕立ててあり、おとぎ話を見聞きしているような気分になる。


その反面、
"幼い女性"からの「成長」「成熟」「自我の目覚め」といったテーマを敷くこの映画において、「性的なもの」は切っても切り離せない。
性への目覚めのシーンからはじまり、それ以降ほとんど衝動的なセックスシーンが頻発する。そのギャップがこの映画の個性であり魅力だ。

またこの映画において性は、自由の象徴として描かれている。
鳥籠のような家から出るために男と駆け落ちし、
金銭的に自由になるために売春宿で働く。……
主人公は意志を持って奔放に性行為を楽しむし、意志のために性を利用する。その姿が私にはとても痛快に映った。(共感はできないけど…)


…と、ここまでつらつら書いてきたけど、なぜか手放しで絶賛できない気分なのは、
映画終盤でいきなり、
黒人で同性愛志向の女性が出てきたり、使用人が庭で一緒にお酒を楽しんでいたり、元夫が人権のない姿形になっていたり…と
「意図的な要素」がぎゅうぎゅう詰め込まれた演出の理由が解せなかったから。。
内心舌を出しながら作っていたのかしら???観客を突き放したかったのかしら???
と、最後の最後で動揺した。

そこまで含めて、あのぽや〜〜んとしたテーマ音が私の心を内包してくれている気がしている。はて、真相は。


友人と別々に観て、後日お酒を飲みながら感想戦をやりたい作品でした。さっそく勧めてこよう。


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