『放送禁止1』を福島県で考察する【フェイクドキュメンタリーを止めるな!】
「昨今、はやりの、フェイクドキュメンタリーなるものについて、考えたきことが多々ありまして、古今の名作をあれもこれもと鑑賞してみれば、深まる秋の夜はどこか恐ろし」
なんてことを何となく頭に思い浮かべながら、このところの日々を過ごしております、ヤシロです。
さてこのたび、
現代日本におけるフェイクドキュメンタリーの大家というならこの方、長江俊和監督の、
『放送禁止』シリーズの第一作を鑑賞しました。
まず述べておきましょう!『放送禁止』シリーズは面白い!ただし、フェイクドキュメンタリーとして毎回完璧かというと、出来についていささかアラの多いシリーズでもある。だが、そこが、面白い。
放送禁止シリーズとは?
「事実を積み重ねる事が必ずしも真実に結びつくとは限らない」をキャッチコピーに、
毎回、「理由があって放送できなかったドキュメンタリー番組の素材テープ」(※を、想定したフィクション)が紹介されます。
表向きは、よくあるテレビドキュメンタリー番組
しかし、細かい伏線やダブルミーニングを丁寧に見ていた視聴者は、「裏に別の物語がある」ことに気づく、、、というインテリジェントな構成、それが、『放送禁止』シリーズなのです!
その構成を図示すれば、こんな感じ↓
この「第一回」のシリーズ内での位置づけは?
上記を踏まえての、こちらシリーズ「放送第一回」(2003年4月(エイプリルフール)放送)の感想を述べますと、
第一回にして、いきなり「外伝」というところでしょうか!?
つまり、まだ『放送禁止』シリーズのテンプレートが固まっておらず、手探りで進んでいる感がある。
それゆえ、後日の『放送禁止』シリーズであれば、もうやらなくなった試みが、いくつも試されているんですね。それゆえ、シリーズ第一作なのに、「シリーズの中では異色作」という印象を受ける!
以下、ネタバレ考察!
どこが、そう感じさせるのかというと、、、
ここからは、ネタバレしますよ!
ネタバレ5秒前
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3
2
1
、、、
では、語ってしまいましょう!
鑑賞した方なら、もうお気づきの通りです。
『放送禁止』シリーズは、表向きのドキュメンタリーの裏で、別の(陰惨な)物語が進んでいく、という構成を強みにしているのですが、
それってつまり、犯罪とか、ヒトコワとか、そういった「リアル路線」なんですよね。
ところがこの第一作は、オカルトに完全に振り切っちゃっているわけです!
後日の作品になると、「オカルト、、、と思わせておいて、実は人間による犯罪のカモフラージュだった」というパターンになってくるのですが、この第一作はモロにオカルト路線です。
あえていえば、
心霊スポットの話、、、と思わせておいて、UFOの話だった、というのがドンデン返しなのですが、オチがオカルトで終わるというのはこのシリーズでは実に珍しい!
ただし、後の作品ではおおいに活用される、
最初からちょい約ながら何度もしつこく登場していた、ある人物が、実は黒幕だった!
パターンはすでに発動しています。
どこかって?ネタバレになりますが、いいですかね?あの作業着のおっさんですね。福島県飯野町の別荘のシーンで、下半身だけがカメラに映る謎の男が現れますが、あれは本作に何回もチラチラ登場していた、取材拒否をしてくるガンコそうなおっさんですよね。
彼がすべての鍵を握っている、らしい、けど、それも結局、よくわからない。
この、「黒幕はアイツらしいけど、確証もない」宙ぶらりん感覚は、まさに、『放送禁止』シリーズだなあ、と私なんぞは思ったのでした。
私の福島旅行にかこつけて考える
ところで私は、noteでも記事を出しましたが、この九月は福島県を旅行しておりました。
まったくの偶然だったとはいえ、福島県の旅行から帰ってきたばかりの時に見た『放送禁止』第一回が、後半で福島市を舞台にしていたのは何か嬉しかったですねー!
後半に出てくる、福島市の飯野町というのは、「UFOの里」として知られるオカルト系(サブカル系?)観光地!
私は福島県に何度も行きながら、この「UFOの里」にはまだ行っていない。『放送禁止』第一回を見ていたら、そんな飯野町がフィーチャーされていたというのも、これはきっと何かのシルシ。よし、いずれ、飯野町にも行かないと!
というわけで・・・
『放送禁止』第一回のレビューは以上となりますが、今後も私、フェイクドキュメンタリーとカテゴライズされるもの、ガシガシ視聴しようと思います。そしてnoteにもつど、レビュー記事を上げていきますねー!